毎年この時期恒例の1泊2日のヴェスパクラヴのツーリング、
今年は20数台約40名の “大所帯”ツアーとなりました。
このツアー中々いい企画なので実は夏のお楽しみの一つなのです。
行く度に新しい発見があるドロミーティ/ Dolomitiは、
2009年6月26日スペインのセヴィッラで行なわれたユネスコ会議で世界自然遺産に登録されました。
ドロミーティは「青ざめた山々」とも言われ、ゴツゴツした岩肌と形が特徴です。
イタリアの北東に位置するアルプス山脈の一部で、Bellunoをはじめとする5県にまたがっています。
並木道を駆け抜け湖を遠り過ぎ、2時間半位走ったあとの休憩はカップチーノとブリオッシュで。
いや~夏とはいえ厚手のジャケットを着ても山道を抜けるので寒いんですよ、これが!
ですからカップチーノは我々の救世主。
活力を補給して再出発!
“元少年達”は、トンネルに入るとお決まりの約束のように皆「ビッビー」とクラクションを鳴らし始めます。
すれ違うレース用の自転車に乗った男性が「いいね」の親指サインで合図してくれるので
その人にも「ビッビー」、沿道で手を振る子どもやおじいちゃんにも「ビッビー」と鳴らす
これが笑顔を誘うのです。
お昼ご飯は一等地のレストラン!山々に囲まれたオープンキッチン?
パニーニは各自でサラミや生ハム、チーズや野菜のピクルスをはさんでパクリ!
飲み物はワインやビール(アレッ?!運転するのに?!)
各自好きなものをはさめるように手際良くパンの真ん中に切れ目を入れてくれる男性、
きっと家庭でも奥さんにやらされているんだな(あっ失礼)皆なのためにせっせと作業しています。
「天気予報がバッチリ当たってくれれば、今日は絵葉書みたいな景色が見られるよきっと。」と
リーダーのデニスさんが言ってた通り、いや予想以上の言葉には出来ない絶景スカッと晴れた青空と緑の山肌、
まるでチーズのコマーショルに登場する景色、それが目の前に広がってくるのです。
Cortina/コルティーナの町を見下ろしながら走って行きます。
パンクしてタイヤ交換、ガス欠してと毎年このツーリングにアクシデントはつきもの。
でもおしゃべりしたり、バールを見つけてはカフェ(エスプレッソコーヒー)を注文したり
慌てず急がず、が暗黙の了解のサイン。
とんがったのとは違う四角い形が見えるのはパッソジャウから。
ここの駐車場には車、自転車バイクが沢山停まっています。
言葉を失うほど美しい。今年のジーロイタリアの通過点にもなったとのこと。
ミズリーナ湖
Tre Cime di Lavaredo /トレチーメディラヴァレードの足元、標高2333メートルにあるヒュッテ
宿泊先はドッビアコ/ Dobbiaco、オーストリアの国境まであとわずかという町です。
自宅では薄いコットンの肌掛け1枚で充分なのに、ホテルには羽毛掛け布団が用意されていて
はじめは「必要ないでしょ」と言っていたのに必要欠くべからず、甘くかかっちゃいけません。
やっぱり標高1200メートルだと夏でも夜はだいぶ寒くなります。
ホテルの敷地内には畑があってそれを見た瞬間夕食への期待も高まり、
水も空気も美味しい所で育った野菜の旨さは噛みしめる程に口いっぱいに広がって
1日の長旅の疲れを癒してくれました。
デザートの皿にのっていたミントの葉っぱには虫が食べたあとが丸く残っていて、
それがまた大地の恵みをストレートに感じさせます。
いつもだと、夕食の後は皆でバールに行って一杯飲んで夜遅くまでおしゃべりするのですが、
今回はほとんどのメンバーがホテルから一歩も外に出ず、
この日だけで約250キロ走行したので、そんな元気も残っていなかったのです (笑) 。
疲れと引き換えに、皆の心にはあの「絵葉書のような」そして威厳に満ちた
ドロミーティの山々の風景が深く残ったに違いありません。