イタリアのカレンダーには、「1月の最後の3日間は冬の間で最も寒い日、
これをクロウタドリの3日間という」とあります
:元々は白い羽根で覆われた鳥、1月末の余りの寒さにそれをしのぐため煙突に潜りこみ、
数日後そこから出てきたららいつの間にか体がすす色に変わっていた、という伝説があります。
ロマンチックというか何か可愛いお話です。
寒さで凍った蜘蛛の巣、何とも芸術的で中からスパイダーマンが出てきそうです。
寒~いこの時期になるとテレビで流れるのはサンレーモ音楽祭のCM。
SANREMO(サンレーモ)2016(*「E」エのところを強調して発音してみましょう)は、
1951年に初めて開催されて以来今年で66回目を迎えるイタリア音楽の祭典、
2月9日から13日までサンレーモ市内にあるアリストン劇場で開催され、
イタリア国内はもちろんヨーロッパ全土にテレビとラジオで生放送されます。
イタリアの北西 Liguria/リグーリア地方、インペーリア県にあるサンレーモは人口5万5千人、
フランス国境に程近い町、入り江の影響で気候は穏やか、これを受けて花の栽培が盛んで
毎年花祭りが開催されるところでもあります。
この音楽祭に参加する全ての曲はイタリア語で作詞されたものでなければなりません。
音楽祭という反面、歌曲は審査員によって最終日に大賞が発表されます。
審査員には4つのタイプがあって、音楽関係者、ジャーナリスト、300人の音楽ファンで構成される組織、
そして一般市民誰もが参加出来る視聴者による電話での投票とあって、
これを総トータルして最終日に大賞が発表されるという訳です。
「ねえ、ねえサンレーモ始まるね」「あ、そうなの?」意外と興味を示さないイタリア人でも、
結婚式やディスコ、クラブでもう何十年前にヒットした音楽祭の受賞曲が流れると
突如腰をクネクネして踊り出すという人も少なくありません。
しまいには大声で歌いながら踊る人だっています。
そう、いい音楽、知られた音楽は皆を幸せにしてくれるのですよ
この時期はこの番組のコマーシャルが盛んに流れていて、
今年のものはこれがちょっと笑いを誘ってなかなかいいんです。
マンチェスター、トロント、リオデジャネイロ、世界中の人々が
それぞれの国の背景をバックに同じ曲を歌っている様子。
なりきっているというか、酔い知れているというか、何度見ても笑いを誘いハッピーにしてくれます。
其の1 : Quando quando quando(1962年受賞曲/Tony Renis)
これがオリジナル
www.youtube.com/watch?v=Z0JGzoSyt_I
こちらがCM版
www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-da28f3de-37bc-435d-93ea-313076a3f6a7-sanremo15.html
其の2 : Gianna(1978年受賞曲/ Rino Gaetano)
これがオリジナル
www.youtube.com/watch?v=ScsxXxq-1IQ
こちらがCM版
こちらは2015年の大賞曲、中々迫力あります:IL VOLO/GRANDE AMORE
www.youtube.com/watch?v=mAZ-gT0Ip-0
さて今年はどんな曲が「あっ!」と言わせるのでしょうか?!
歌って踊って寒さを吹き飛ばしましょ!