あの角のご婦人のシャクヤクの蕾が一つ開きました。
毎日「観察」しないとあっという間に終わってしまうので、油断大敵です。
五風十雨(ごふうじゅうう)、五日に一度風が吹き、
十日に一度雨が降るような順調な天気のことをこう言うそうです。
雨というとどこかマイナスなイメージがありますが、
この季節私たちと共に生きる自然のためにも必要な
“恵み” の雨です。穀物を育む雨を瑞雨(ずいう)と呼ぶそうで、
北イタリアの主食の代表の一つであるポレンタに欠かせないとうもろこしの苗も、
昨日の一日中降り続いた雨のおかげで順調に育っているようです。
バイカーにとっては雨は敵になってしまうのですが、
そんな雨の合間をぬってササッと出かける小さな旅もいいものです。
ここはパドヴァのブレンタ川に沿うように建立された、
ヴェネト州内にあるヴィッラの中で最も美しいと言われているピザーニ家のヴィッラ、
現在では国立美術館となっています。
今回はせっかくの晴れ間が出たので、その建物ではなく
2008年に”国内で最も美しい公園”の栄光に輝いた、
同敷地内にある11万平方メートルもの広大なお庭の見学です。
見学という言葉は実はどうもしっくりこない、
何故ならリラックス出来る場であるからして、
「滞在」と言ったほうが正しいかもしれません。
このお庭/公園、実は建物が建てられる前に整備されたそうです。
由緒あるヴェネツィア貴族の血統であったピザーニ家所有でしたが、
現在はパドヴァというコムーネのものになりました。
前日の雨で花はだいぶ落ちていましたが、それにしても見事な藤回廊です。
池には蓮の花も咲き始めていて、そこは少しオリエンタルな香りがします。
澄みきった空気を胸いっぱいに吸いこみながらゆっくり園内を歩くと、
ちょうどいいタイミングでカフェの看板が目に入ってきます。
その昔は馬小屋だった建物を改築したのだそう。
クリーム入りのクロワッサンとカップチーノでほっと一息。
太陽の光も少し温かくなって気分がほぐれます。
御日様が少し高くなってきた所でラビリントに挑戦です。
緑豊かに生い茂った高い垣で仕切られた迷路のことです。
これが中々一筋縄ではいかず、到着点である塔に近づいたぞと思いきや
そこは行き止りだったり、垣根が狭くなってまるで敵に追い込まれた気分。
とうとう私達も音をあげて、到着点である塔の上にいる見物人にヘルプを求めました。
ここはイタリア、何せコミュニケーションが活発な国ですから、
見知らぬ同士でも「どっちの方向へ行けばいいのぉ?」とか、
「違う!そっちじゃなくてもう一つ奥の道を選ぶのよ~。」とこんな具合。
迷路は11月から3月の間は入ることができませんから、要注意!
“さらば独身貴族よ!”パーティーの準備もいよいよ大詰めです。
会費の一部を徴収するのに、
「○○○バールのカウンターで名前を言って24日まで、
必ず全員15ユーロずつ払うように!」と。
イタリアのバールはカフェ(エスプレッソコーヒー)を飲んだり
アペリティーヴォで集まるためのみならず!
こういう使い方もあるんだと、また新発見です。
結婚式の立会人である私ともう一人のマルちゃんが主催者になるのですが、
中々協力的な女子も何人かいて、当日はどう展開するのか恐ろしくもあり楽しみです。
作戦会議を開いたのもバールでした。
生活に密着したイタリアのバール、なくてはならない存在です。