「旬」という言葉にホロッと来ます。
国道沿いには、さくらんぼの直売店が毎日パラソルを広げて立っています。
甘さが売りで皮が柔らかく、オレンジ色がかった日本の佐藤錦に比べると
こちらのドゥローニは、皮がしっかり固目で噛むとプリっと弾け
そして色はルビー色、粒も大きめです。
直売店は勿論、スーパーでも店頭に並び1キロ当たり(こちらは食品に関して
全て1キロ当たり/ で価格が表示されます) 3 ~4ユーロ前後で売られています。
随分と安いですよね。
日本人が沢山野菜を食べるように、イタリア人は多くの果物を食します。
これだけ安いので納得です。
もったいない!をよく口にするイタリア人。
美味しい果実を食べた後の種だって捨てません。
数年前に訪れたさくらんぼ祭で “あれ”を売っているのを思い出しました。
種を乾かしてカントリー風の布の袋に入れてそれを販売していたあれです。
透明な袋詰めのもさくらんぼの種です。
大豆ではありませんぞ。
温熱効果のある自然療法。
レンジで温めておなかや肩、背中に載せて体を温めるんだそうです。
いいなあ、こういうの。
触るとゴロゴロしていて、手のマッサージ効果もありそうです。
これは先日行ったグリンピース祭に出店していたさくらんぼの直売店。
小学生の可愛い男の子がお父さんの手伝いをしていました。
「写真撮ってもいい?」「うん、いいよ!」と笑顔で応えてくれたと思ったら、
シャッターを押したその瞬間にスッとカウンターの下に隠れてしまいました。
今が旬のドゥローニはまさにルビー色した甘味と酸味が一体になって爽やかな初夏の味。
生のものをそのまま頬張るのもいいけれど、今年はこのデザートを作りたかったぁ!
1年間、ずっと引出しの中で待機して出番を待っていた、さくらんぼの種取り器。
水洗いしたさくらんぼの軸を取ってこれに載せ、
ギュっとハンドルを握ってさくらんぼのおしりちゃんの方から種を出すしくみ。
種を取らない方がオーヴンで焼いた時に果実の水分が出ないので、
その方が旨みも凝縮されて美味しいという人もいるけれど、
この「わざわざ」するひと手間がまた、
「この季節がやって来たなあ。」と実感させてくれる訳です。
やっぱり道具は使ってなんぼと言いますからね。
その上種を取り除けば、このデザートを口に含んだ瞬間に
ガリッと種を噛まずに済むわけですからお上品に召し上がっていただけます、ハイ。
しっかりと冷まして密封すれば、冷蔵庫で2日間保存できます。
冷凍も出来ますよ。
解凍は室温で又はレンジで温めて。
フランス産まれの初夏のデザート。
オーブンで焼き上がったら余熱を取って、
まだ完全に冷めない状態でジェラートと一緒に食べると、
あらまあレストランの味!