観光マップに夢中に見入って舗道に立ち止まっちゃあ、いけませんよ。
自転車、自転車、そしてまた自転車。長い髪をした綺麗なお姉さんは出勤途中でしょうか。
素敵なワンピースを着て力強くペダルを漕いでいます。
インテリ風のお兄さんは白いシャツがこれまたお似合いで、バッグとお揃いの靴で漕いでます。
そのスピードときたらこれが物凄いの。
「あっ、あそこにちょっと素敵な店がある!」なんて脇目もふらずに横断しちゃあいけません。
相手は自転車だからとなめてかかっちゃあなりません。
目が4つも5つも必要なくらい、周りによ~く注意して
アムステルダム市内をを歩かなければいけません。
出発する前ガイドブックで少し “学習”していたけれど、正に自転車王国!
人口数より自転車台数が多いとは納得です。
300メートル先まで聞こえそうなくらい鳴り響く自転車のベル、「チリチリ~ン」というより、
「ジリジリリ—!!」と相手をビックリさせてしまうくらい高い音を出すベル。
自転車専用道路がきちんと整備されているところに真の国の豊かさを感じます。
オランダ王国のシンボルカラーのTシャツを着たお兄さんは
威勢よく「オレンジジュース、絞りたてだよ~!冷たいお水もあるよ~!」と
自転車を走らせて売っています。
アムステルダム中央駅の北側の出口を出るとすぐ、
町がある向う岸にまで行くことができる中型のフェリーが往復します。
自転車ごと乗り込めるのです。
勿論我々観光客も利用出来ます。
小雨が降る町中で偶然見つけた停車中のこちら、インパクトありますね~。
これは何と呼ぶのでしょうか。
自転車?
自転車付き自動車?
その前日たまたま「走っている姿」に遭遇しました。
若者グループが一斉にペダルを漕いで走らせる正に移動バール、
手には地元産のあのグリーンボトルのビールを持ち、
飲みながらワイワイペダルを漕ぐのです。
若者グループではやっているパーティーのスタイルのようです。
「自転車でレストランの味をお届け」するデリバリー業者もよく町の中を走っています。
イタリアンピザに寿司、タイ料理にインドネシア料理、
提携しているレストランのメニューを選んで自宅やオフィスへ。
自転車と背中に背負ったバッグそして篭の色がカラフルで人目をひいて宣伝効果もバッチリです。
さすが自転車の国ですから、青空マーケットでは自転車も売られています。
随分と大きいベルや後部席に取り付けるバッグ、素敵なのがたくさんあって欲しくなってしまいます。
あれだけ皆物凄いスピードでペダルを漕ぐんだから、エネルギーの消費量も相当なもの。
そうとなれば体は糖分を欲しがるもので、とそこで “ある公式”がピッタリと当てはまる、
そうだ!アムステルダムの町の中でどこでも見かけるあのクッキーだ!
日本語ではストロープワッフルと言うんだそうで、
焼き型のついたワッフルのようなクッキーを一口噛むと中から出てくるトロ~リとした
クリーミーで濃厚なキャラメルソースがこぼれ落ちちゃう、中々やみつきになるお味。
アムステルダムの住民は皆きっとこれを食べて元気を出しているんだろうと
勝手に想像してみる。
フラッと立ち寄った可愛いカフェッテリアで歩き疲れた体を癒してくれたのは、
トマトのスープと小麦胚芽入りの美味しいパンとそして新鮮なバターのセット。
その締めくくりはやっぱりエスプレッソコーヒー(アレッ?何だかイタリア人みたいだ)。
デミタスカップの脇にちょこんと陣取っていたのが、ミニストロープワッフルでした。
それにしても、
「広重の作品を愛していた画家ゴッホは、いったいどんな自転車を乗っていたんだろう」
と気になるのでした。