エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. モーターバイクエキスポ / Motor Bike Expo

    2015年1月29日るりこさんのItaly便り
    クリスマスのプレゼント交換

    モーターバイクエキスポ

    前回のブログでおもてなしのお話をしましたが、
    ここにも本物の「おもてなし」の心を発見!
    週に1度、マッシモのお父さんとお母さんの家で
    お昼ご飯をご馳走になるのですが(ありがたや~!)、
    とある日の昼食後、4人でバードウォッチングを楽しみました。
    と言っても、”野鳥の会”のメンバーに所属している訳ではありません。
    テラスにやって来るpetti rossi/ペッティロッスィ、
    その名の通り、胸の部分がオレンジがかった赤い色をした鳥、
    体は丸々っとしていて、足が細~い、典型的欧米人体型(?)です。

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    85歳になるマリア叔母さんの伝説話によれば、
    昔々十字架に掛けられたキリストの頭には、残骸の骨で作られたリースがのせられ、
    その余りにも痛々しい姿を見た一匹の小鳥が、痛みをやわらげようと
    その中でも1番太い骨を口ばしで抜いてあげようとしたその瞬間、
    その血痕が小鳥の胸の部分に落ちて赤く染まり、後にそれが染みとなって
    赤い胸の鳥/ペッティロッスィと呼ばれるようになったとか。
    マッシモのお父さんが、朝起きてベランダのシャッターを開けると、
    そこには、まるでデパートの開店を待つお客様のように、
    ペッティロッシィは”朝ご飯”を待っているのだそうです。
    余り物を与えるとは言っても、日替わり定食のように、”メニュー”も変えるとのこと。
    普通のパンくず、胚芽入り
    「お腹が張るといけないからグリッシーニに変えた方がいいわよ」
    とお母さん、二人の愛の深さと”おもてなしの心”を感じます。

    一方、私達は、愛と歴史がいっぱい詰まった街、ヴェローナへ行って来ました。
    バイクとそれに関連するエキスポです。

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    ここは2年に1度、薪ストーヴの展示会が開かれる展示会場ですが、
    この3日間はそれとは、雰囲気がガラリと変わります。
    雪は無いものの、とっても寒い1月24日すっごいタットゥーがビッシリ描かれた
    ゴッツイ腕がむき出しのロングヘアーの強面のお兄さんがたっくさんいます。
    ハーレーのブースはいつも人だかり、ピカピカに輝く1台をじっくり見入って
    右側から左側から、ぐるっと一周して腕を組んでまたじっくりと眺めて、、、

    ハーレーは真っ赤なフェッラーリと同じように、
    世界中の男性の憧れの的なんだなぁとつくづく思います。

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    ペダルにやっと足が届く金髪の男の子、お父さんの影響なのかなぁ、、、

    未来のレーサーのオーラを醸し出します。

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    年代物のカスタムコーナーには頭からつま先まで赤をまとった、
    古い雑誌から抜け出てきた様なお嬢さんがカメラマンのリクエストに答えて
    ポーズィングしています。

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    「ようこそ、我がサーカスへ!」と、帽子を高々と挙げて、
    バイクの展示場へと誘うサーカスを真似たブース、とても素敵です。

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    マッシモの目の先はバイクやグッズ(果たまた綺麗なお姉さんか?)、

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    私の視線は、ロンドン名物の2階建てバスを改造したカフェ、

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    車がホットドッグの形をしたホットドッグ屋さん、

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    クラシックな外観のパニーニ屋さん、フードコーナーへと注がれます。
    それでも、水色のボディー×茶色のシートの組み合わせが印象に残った1台、
    ジェットヘルメットが古き良き時代を感じさせて、購買力をかきたてます。

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    バイクの免許は持っていませんが;;

    モノの種類は違えど、イベントの仕掛方、デザインやカラーリング、
    あらためてイタリア人のテザイン的思考回路に脱帽させられる面白い一日でした。

    ZARINA

  2. 大衆食堂のおもてなし

    2015年1月19日るりこさんのItaly便り

    クリスマスのプレゼント交換

    星がつくレストランは、ちょっと敷居が高いけれど、
    “オステリア/OSTERIA”は気軽に飲み食いが出来る大衆食堂的存在、庶民の味方。

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    日本の居酒屋のようにグループで何皿も注文して、取り分けて食べるのではなく、
    一人一人食べたいものを注文して食事の後は満腹状態を個人毎にお腹と相談しながら、
    また、オステリアのご主人のアドバイスを受けながら(?)デザートを注文します。
    「今日のティラミス、特別に美味しいんだから!!」などと笑顔で勧められたら、
    ほぼ100%満タン状態の胃袋でも、「結構です。」とは言えなくなります。

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    「オステリア」の原語は古代フランス語。
    温かい食事や飲み物を提供し、おもてなしをする場所、という意味です。

    余りに建物の外観が古過ぎて、「ここ、大丈夫かなあ;;;」などと
    心配してしまうところも偶に見かけますが、
    その佇いや外観そのものが「ようこそ」と大きく腕を広げて
    迎えてくれるように見えてきます。
    お国が変わればお客様をもてなす方法も変わる訳でして、
    店内の雰囲気もざっくばらんな感じで、
    お上品にちょこっとだけの色鮮やかな盛り付けとはうってかわって、
    色数の少な目の大盛りの料理が、ポッコリお腹が出た愛嬌たっぷりのご主人によって
    運ばれてくる、そんなイメージがピッタリです。
    アッ失礼、とは言ってもちょっとお洒落なオステリアもあるし、
    レストラン並のお値段がつくところもあります。

    オステリアの原形は、既に古代ローマ時代から存在していたと言います。
    それはカンパーニア州/CAMPAGNA、ナポリ/NAPOLIから25キロ程南下した所にある
    ポンペイの遺跡/POMPEIにもその原形をとどめているのですから、
    とても興味深いところです。
    疲労回復のためであったり、また、安らぎを与えるという目的で、
    食べ物や飲み物はテラコッタ製の容器で温かさを保持され、
    温かいものは温かいままで提供され、交通量があるところ、広場の前、
    また青空市場の中等に位置し、商人達の社交の場でもあったのです。

    ボローニア/BOLOGNAでは、15世紀以降、オステリアの数が増え続けていって、
    昔は男性のみの社交場また、知識人階級の社交場として栄え、
    一時期は、会員制度であった所もあるとか。
    戦後、オステリアの数は減少していったものの、近年はまた流行の兆しを見せています。
    近年は男性のみならず、勿論、女性も普通に食事するところとなりました。
    流行り廃りがあっても、心にホッコリ来るものは、人々の心に残っていくものだと、つくづくそう思います。

    小高い丘に面した風光名媚な場所につき出たテラスを設けている所、

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    100年以上も続く老舗の店内にはグラッパ酒を貯蔵していた樽が飾られている所、

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    はたまた海の街の古いボートの上には鍋がのっかっていて、
    それが看板の目印になっている所、各々、個性的です。

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    日本では、こんな番組がオンエアされるようです。
    オステリアが出てくるのかはわかりませんが、面白そうですよっ。

    www.nhk.or.jp/nikui/

    イタリアに来たら誰でもピザ/が食べたくなるものですが、
    オステリアのメニューには、通常、ピザはありません。
    もし奇跡的にあったなら、石釜があるのかご確認下さい。
    これ重要です。
    黙されちゃいけません。
    今日からイタリア人、のつもりで気軽に美味しい物をワイワイガヤガヤ食事するなら
    オステリア、ピザはピッツェリア/PIZZERIA(ピザ専門のレストラン) に行って下さいね~。
    そう、餅は餅屋です。

     

    ZARINA

  3. 豚に〇〇

    2015年1月7日るりこさんのItaly便り
    クリスマスのプレゼント交換

    豚に○○

    明けましておめでとうございます。
    皆様が健康で笑顔いっぱいの一年でありますように。
    今年もどうぞ宜しくおつきあい下さいませ。

    クリスマスバカンスは1月6日で終了、とにかく食べて飲んで、
    誰もがお腹が一周り大きく成長する時期です(笑)。
    普段会えない友人家族やカップルと食事会だったり、午後からヴィンブルレやるから、
    ちょっとおいでよ!と言う感じで招いたり、私達の胃袋は休む間もありません。
    7日からはいつものリズムに戻るから、ま、いいか、と油断してしまうのです。
    ここはイタリア人を見習って、食べる時は大いに食べて飲んで、
    沢山お喋りをして楽しみ、後はスイッチの切り換えをうまくやればいいのです。
    「豚に真珠」ならぬ「豚にレンズ豆」。
    これはイタリアの年越しに欠かせないごちそうです。
    豚はコテキーノ/COTECHINOと呼ばれる料理でローズマリー風味のレンズ豆と一緒にいただきます。

    burogneta.jpg

    写真の通り(この写真は、ネット上から拝借!)サラミと似た外見、
    味はガッツリ、コッテリでお肉の脂肪が大好きな方にはたまらない一品です。
    コテキーノは、地方によってはザンポーネ(動物や鳥類の大きな足という意)/ZAMPONE、とも呼ばれます。
    豚の足を捨てずに、それを豆類のスープと一緒に食べられていたのがこの料理の発祥で、
    フリウリヴェネツィアジュリア州/ FRIULI-VENEZIA GIULIAがオリジナル、1500年代から存在していたそう。
    豚の皮や内臓を袋状にして、その中に豚の色々な部分を挽き肉にしたものや、
    たっぷりの脂身を詰めたのがコテキーノ。
    又、豚の前足の骨を取り除いて、それを袋状にしたものを使ったものは、
    エミリアロマーニャ州/Emilia-Romagna生まれで、ザンポーネと言われるそうです。
    こちらは、豚の皮と顔の部分を挽き肉にしてミルフィーユのように層状にしたものが
    そもそものこの料理の始まり等、とも言われています。
    コテキーノやザンポーネは、塩とスパイス類で味付けされていて、
    お肉屋さん、食料品店スーパーで販売されます。
    昔々、豚は豊饒の証しとされとても貴重な栄養源、その貴重な食べ物を
    年越しに食べるのは縁起がいいとされて、これまで伝わってきました。

    レンズ豆はイタリア語で、レンティッキエ/LENTICCHIE。
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    姿形は小さいなれど、蛋白質と鉄分が豊富でコテッキーノやザンポーネの脇役、いや、名脇役です。
    何と、紀元前7000年には人類によって収獲されていて、またその昔、一握りのレンティッキエが
    贈り物とされていたそうで、威儀を正していただかないと、何だか罰が当たりそうです。
    その形は丸くて平たくて、とても小さいけれど、まるで貨幣の形をしてることから
    財運を招くと言われ、今では年越しのご馳走には無くてはならないものになったのです。
    レンティッキエは年越しのみならず、スープの具材にしたり、
    ペースト状にしてパンにぬってアンティパストとして食べたりします。
    色は茶色がかった緑色だったり、とっても鮮やかなオレンジ色のもあります。
    日本にもお正月には豆を食べる習慣がありますが、
    お国は変わっても同じような食習慣があるのはとても興味深いところです。
    よく食べ、マメに働き、大いに笑って今年もいい年にしましょう。

    No.103 1.jpg

    そうそう、4日(土)から、冬のバーゲンが始まりましたよ~!

     

    ZARINA


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