スーパーに入ったら、目の前にはカラフルなラッピングペーパーに包まれた、
卵型のチョコレートがずらり、圧巻です!
ニヤニヤと、私はよっぽど嬉しそうな顔してたんだろうなあ、
買い物カートを押したご婦人が近づいてきて、
「ねえ、きれいよねえ、ホントに!」と声をかけてきました。
開店したばかりの店内は人影もまばら、ちょっとパシャリ。
大きな卵型のチョコレートは、いつ見ても楽しくなります。
卵を花に見たてたブーケの形のものもあれば、陶器の壷に入った卵型もあります。
その日は週末のお客様用の買い物があったので、さっさと済ませたいところだったけれど、
もうそれどころでは無い!
毎年、パスクワ前のスーパーやお菓子屋さんの陳列やショーウインドーのデコレーションは、
私にとっては、まるで遊園地のよう、興奮冷めやらず。
パスクワは、十字架にかけられて息を引き取ったイエス・キリストがその三日目に復活し
天へ昇ったと言われ、それをお祝いするキリスト教徒にとっても大切な日。
“春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日”がパスクワにあたります。
今年は4月5日。
復活=生まれるとかけて、パスクワ前は卵料理や卵の形をしたチョコレートが沢山お目見えします。
パスクワの当日、人が集まって会食した後に、皆なの前で卵型のチョコレートが割られ、
分けあって食べるのが風習です。
その卵の中には「サプライズ」が入っていて、特に子供達はチョコレートそっちのけで、
そのおまけが気になるのです。
卵と言えば、実は我が家では卵を店で購入するのは、非常に珍しいこと。
都会には住んでいないけれど山奥でも無い、田舎だけど、生活するには別に困る所でもない、
というような土地に住んでいるわけですけど、マッシモのお母さん、お父さんのところには
卵が集まってくる、ソフィア叔母さん、アンナ叔母さん、お友達のところからという風に、
そして最近はトリノ近郊のパオロ伯父さんまでが鶏の飼育を始めたので、
伯父さん達がこちらに来る時は、手土産に産みたて卵を持ってきてくれる、ありがたいな~。
新鮮な卵は卵黄がポッコリと山の様に高さがある。
卵の味が濃くて、シンプルなホームメードケーキを作ると一目了然。
スポンジ部分がたんぽぽの花びらの様に真っ黄、黄色。
手打ちパスタもきれいな黄色!
一流シェフは、よくテレビで、美味しいものを作るには、新鮮な材料を揃えることとよく言ってるけれど、
すでに一歩近づいているではありませんか、、?!
卵がおいしけりゃ、キッシュだって本格的な味になってしまうのです。
実は散歩コースでも、野放しにされた(勿論、飼い主がいてのこと)鶏を見ることは、
私にとっては珍しくなくなりました。
雄と雌の区別もつくようにもなりました。
「贅沢」という言葉の意味はとても深いと思いますが、新鮮な産みたて卵を手に入れられるというのは、
これも中々の贅沢ではないかと近頃つくづく思います。
そうそう、春うららのとある日、ウエディングドレスを作っているフランカさんのお宅に久しぶりに
ちらっと散歩の途中寄ってみたら、ちょうど、ドレスの仕立て直しをしていました。
なんて、素敵な偶然!
なんでも、バチカン市国のフランチェスコ法王が主催する今年のパスクワの式典に招待された、
去年結婚式を挙げた花嫁さんの衣裳の写真です。
一般的には、イタリアの花嫁さんは日本のように何度も衣裳替えをせず、
朝着付けをしたら、夜中、帰途につくまでまで何十時間も同じドレスを着るのです。
ですから、綺麗なドレスもほつれたり、汚れたりするのは当たり前、という訳で、
バチカン市国から招待を受けたこの女性は、ドレスを招待の席でまた着るために、
仕立て直しを頼んだそうです。
了解を得て、写真を撮らせてもらいました。
おめでたいことですから、それにあやかって皆なでわけっこしましょ。
お知らせで~す。
3月29日(日)からイタリアは夏時間になりますよ~。
お手元にイタリア時間時計をお持ちの方は、1時間先へ送って下さい。