感動と食の冒険がいっぱい詰まったミラノ万博は、10月31日(土)に184日間の日程を経て幕を閉じました。
イタリア人の国民性を反映してか、開幕当初は人もまばらで廻りの友人知人に「行かないの?」と聞くと
答えは決まって「そうだね~、行こうかとは思っているんだけど、様子見てからね。」と白黒つかない返答、
ホントたいていこんな答えが返ってきていましたっけ。
それが、新学期が始まった9月中旬以降どんどん入場者数が増えて最終日になってもイタリア館、日本館、
そして2017年に開催国として決まっているカザキスタン館など人気のパビリオンは長蛇の列!!
日常生活の中でパン屋さん、八百屋さん、スーパーと入口に整理券を取るホルダーがあって
それを取って待っていても割込みされるのは当たり前(怒)、そして並ぶのが嫌いなイタリア人のはずが、
今回の万博でそれを少しは学んだようです。(いいぞ!)
最終日もやっぱり人、人、人!!!
日も暮れて辺りも暗くなってきた頃、万博のメインストリートを歩いていたら
花火があちらこちらから上がって人々は大興奮、皆ビデオや写真を撮っていました。
何も綺麗ごとばかりを語っていたパビリオンばかりではありません。
「ゼロ」というパビリオンの中には模型の大きなごみの山もありました。
それはそれは巧みに作られていて、思わず鼻をつまんだくらいです。
飽食化している一方で食料不足で困っている人はたくさんいるという訴えです。
生産者、運送者、販売者、料理する人にそれぞれ感謝して一人でも多くの人が一緒に食卓を囲んで
笑顔で時を過ごせることは不幸や悲しい出来事も減るのではないかといつも思います。
フランス館脇のクロックマダム販売スタンドでは閉店前にバゲットの無料配付で大判ぶるまい、
そこの前のオランダ館ではボリューム全開でディスコタイム、バゲット片手に躍る人達、
インドネシア館前ではコンサート中お国の食材をプレゼントするひとこまも。
そんな中、日本館はやっぱり静かだねなんて話ていたところ全都道府県の名前が入った酒樽のオブジェを前に
日本館スタッフの皆さんが記念撮影、大勢のイタリア人に取り囲まれ皆さんとってもいい笑顔。
そこに居合わせた自称「万博オタク」という日本人男性は、
「最後に皆で記念撮影って、日本館の伝統なんですよと教えて下さいました。
なるほど、物事のしめくくりにもそれぞれお国柄があるようです。
184日間を総まとめしたミラノ博のミニビデオ、中々素敵です。
下記のアドレスから
5 novembre alle ore 12:30 · の部分をクリックしてみてください。
it-it.facebook.com/Expo2015Milano.it
閉会式を終えた後も、メインストリートで警察音楽隊が演奏する素敵なサプライズも!
風も冷たい夜空に国歌が響き渡りそこに我も我もと会場内にギュウギュウ詰めに集まった人達の歌声が重なって、
とても清らかな気持ちになりました。
イタリア国民誰もが、「本当に開催するのか?」「本当に閉幕出来るのか?」と疑いっ放しだった国際博覧会。
スタッフの皆さんの力とそれを支えた人たちの協力とが輪/和になって無事に閉幕しました。
私たちも楽しませていただいたり、ミラノ博を通じてお仕事で出会った方々にも心から感謝の気持ちでいっぱいです。
新緑の季節5月に開幕したミラノの国際博覧会場には、落ち葉が舞っていました。