エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. お医者さんの強敵

    2016年9月28日るりこさんのItaly便り

    イタリアが世界でも有数の生産国とは意外でした。

    一日一個それを食べると医者が青ざめるという諺が示すように、それほど体にいいと。

    アジアからヨーロッパ、イタリアへ伝わって来たと言われるりんご、

    イタリアではその数何と2000種以上にも及ぶそうでもの凄い数です。

    語源は古いギリシャ語で「甘い」とか「やわらかい」という意味を持つ言葉。

    その時代のりんごはどんな風だったのでしょう。

    生産者や販売側の様々な努力のおかげで一年中食べることが出来るりんごですが、今がまさに旬!

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    青空市場やスーパーに行くと最低でも5、6種類のりんごが店頭に並んでいたりするので、

    時には迷うこともあります。

    しかしここはイタリア、対面販売がまだまだ根強いお国ですから、

    「生で食べるの?それともトルタにするの?」と、

    このシャツにはこのネクタイがいいんじゃない?とシャツ屋さんのコーディネーターのように

    “みつくろって” くれるわけでこれがまた楽しい!

     

    各学校は、12日月曜日から新しい年度がスタートしした訳ですが、

    近頃は学校給食でりんごが出ることもあるようです。

    果物を食べる子どもが少なくないとのことで州のバックアップです。

    小さくカットされてミニサイズの袋にパッケージングされてそれをおやつに出す学校もあります。

    おやつにりんご、これは中々いいプロジェクトではありませんか!

    いつもの八百屋の若旦那さんに「焼きりんごに合うりんご下さい。

    あの~オーヴンどれくらいの温度だといいんでしょうかねえ」と質問したら、

    その若旦那「ちょっと待ってお袋に聞くから」と。

    そしたらレジで会計を待っていた80歳位のご婦人、「150度くらいじゃないの?1時間位ね」

    私「1時間もですか?」。

    狭い店内なのでそこに居合わせたお客さん5、6人の間では

    「あなたどれくらいの温度でやる?」

    「私焼きりんご作ったことないわ」

    等と八百屋さんの店内は焼きりんごの話題一色に包まれます。

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    口コミ社会のイタリアならではの風景、ネットで調べることもまた教科書も必要ないのです。

    そこに居合わせる人達みなが各々言いたいことを言うので

    時にはややこしくなることもあるのですが(笑) イタリアはこうでないと!

    料理がお得意のパオラさん、ジャムにするのはコトーニャっていう種類がいいんだけれど、

    これがね、固くてカットするのが大変なのよ~。

    何げない会話の中で色々と教わることが多いわけです。

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    りんごをよく洗って芯をきれいに取り除く道具を使って、

    好みでシナモンやハチミツをかけてオーヴンで焼きます。

    出来上がったばかりの焼きりんごならジェラートを冷めたものには

    生クリームを添えるとまた一段とおいしくなります。

     

    このあたりは自宅でキーウィを栽培している人が結構いるのですが、

    まだ未熟なキーウィをビニール袋に入れ、その中にりんごを1個加えて口を閉じて

    数日放置しておくとキーウィの熟成を促すこれ我が家でやってみたら本当にそうなりました。

    また、玉葱を甘辛く煮て肉料理の付け合わせにする時に使ったり、

    ザウアークラウトを調理する時に加えたりと果物のりんごは調味料替りにもなります。

     

    市場に出回るものは温度が1度から3、5度の間で湿度が59~68%に保たれる所で保管されるため、

    季節が過ぎてもりんごが食べられるのだそうです。

    ビタミンA、B1、B2、B6、C、またフラボノイド、ペクチンを含むので

    健康はもちろん美容にもいいという訳です。

    りんごパックもあるそうですよ(これはまだ試したことがありませんがいつかトライせねば!)

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    いつの時代も変わらない人気のイタリアのスクーター、

    ヴェスパの昔のコマーシャルのタイトル: “ヴェスパに乗る人はりんごを食べてる” /

    りんごを丸かじりする時のあの音とヴェスパのエンジン音には共通点があるそうです。

    ほほぅ~、、、。

    ZARINA

  2. ニョキニョキっとニョッキ

    2016年9月23日るりこさんのItaly便り

    ヴェネト州はヴィチェンツァ県のトリッシィノ、この村を車で走るとこの看板がいたる所に目につきます。

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    スプマンテ/ドゥレッロの葡萄畑が広がる地帯です。

    ここでニョッキ祭りが開かれました。

    各地で収獲祭りがまっさかり!

    野菜畑のソース、ヴィチェンツァ鱒、ウズラにビート、きのことスペックのトマトソース、

    ミートソース、ラディッキオとパスタサラード、トマトソースセージのバター風味、

    地元産黒トリュフ、どれを選んだらいいのか目移りします。

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    ニョッキは茹でたジャガ芋に小麦粉を加えて練り込み、

    一口大に成型したフレッシュパスタの一種です。

    パスタ生地そのものに茹でた野菜や汁を混ぜ込むものもあり、

    また全粒粉を使ったものとその種類はかなりなものになります。

    長靴の形をした地形のイタリアは気候の影響もあって郷土料理はバリエーションに富んでいますが、

    ニョッキもそれ同様。

    その中で特にジャガ芋を使ったニョッキが現代では一番メジャーなようです。

    ジャガ芋が熱過ぎると小麦粉を入れ過ぎて粉っぽくなってしまうし、

    ニョッキに適したジャガ芋を選ばないとあのモチモチ感が出なくなってしまうし、

    シンプルだけれどこれが中々奥が深いひと皿なのです。

     

    オーダーシートに欲しい皿数を記入し、レジで代金を払ったら注文カウンターで番号札を提示します。

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    大きな特設厨房にはたくさんのコックさんやアルバイトさんパートさんが軽快なテンポで作業を続けます。

    そのおかげでそれほど待たずに注文したものがトレーで出てきます。

    ワインは別のカウンターで受け取って、、、と。

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    さ、席に着いたら「いっただきま~す!」

    フォークでスッとさして口の中へ、、、

    ニョッキ独特の歯応えとじゃが芋の自然の甘味、

    それに鱒のソースがからんでうふぁ~、し、あ、わ、せ。

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    「もしからしたらさびしい量かもね」と二人で三皿注文。

    いらぬ心配をしたがために銘々のひと皿を食べたら結構お腹いっぱい!

    ここではいていたジーンズのボタンをゆるめて別の皿へ突入!

    あら、いけるじゃない。

    完食です!

     

    収獲祭となるとおなじみの出店、手作り製品が目につきます。

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    こちらは田舎風の手編み篭

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    ヘーゼルナッツやりんごを家族総出で売る店も。

    買って翌日食べたら小ぶりなんだけれどりんごの粗朴な味がしっかりと伝わってきました。

    とても気になったのは、三つ編パン、

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    その名の通りパン生地が赤毛のピッピの髪の毛のように編まれて膨らんだほんのり甘いパン、、、

    これを売っているおじさんがいましてね、これがまたお喋り好きなの。

    「ぜ~んぶ手作りだよ!

    小麦粉も卵も酵母菌そしてバターもぜ~んぶ我が家かもしくは近所で作っているものばかりだ。

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    うちの母ちゃんと娘が焼いてんだよ。

    俺は仕事ぶりが悪いっちゅうんで、外で売ってこいと追い出されたんだ、ハハハ」

    ってな具合。

    いやいや、これだけ愛嬌いいんだから、「営業」にまわされたんでしょ。

    カフェラッテと一緒に翌朝の朝ご飯に。

    自然のほんのり甘み小麦粉の旨さがが口いっぱいに広がって、

    無駄なものをいっさい加えていないシンプルな美味しさ。

    約1キロありましたよこの三つ編み!

     

    あらら、無駄話が長くなって来ました。

    ニョッキ祭の話をしてたんでしたっけ、、、。

    ジャガ芋の産地であるがゆえ、勿論その出店もありました。

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    果肉が白いもの : 調理中にくずれ易いがこれぞニョッキに最適!

    果肉が黄色いもの(オランダ芋とも呼ばれる) : カロチンを含むので黄色みがかっている。

    大人も子どもも大好きのフライドポテトやじゃが芋サラダに適す。

    ノヴェッレ (新じゃが) : 皮が非常に薄く調理して温かいうちに食するのが良し。

    アメリカ芋というそれは、「甘い芋」とも呼ばれてふかしておやつのように食べたりします。

    ジャガ芋は地味だけれど、誰からも愛される人気者です。

    ZARINA

  3. 海の見える食堂のbreakfast

    2016年9月9日るりこさんのItaly便り

     

     

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    バカンスの後、キッチン用品を扱う店を何軒か廻ってみた。
    ベルギータイプはある。
    でもあれと同じものが無い。
    ネットで色々検索してみた。
    どれくらいの厚さに仕上がるのか今ひとつわかり難くて迷ってしまう。
    厚手のフライパンで蓋も同時に使いながら試してみた、どうも違う。
    しっくりこない。
    やっぱりあの桝目の焼き目が重要ポイントなのだ。

    どうしてもノルウェーで食べたワッフルが食べたくなった。

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    バカンス中、ウインドーで見かけた電子式のワッフル焼き器、
    「きっとどこでも手に入るだろう」と甘く考えたのが間違いだった。
    イタリアにだって包装されたワッフルが売られている。
    でもそれじゃだめなんだ。

    初日の朝食、ワッフル焼き器を使っている宿泊客のご婦人がいらっしゃった。
    私はそれをかぼちゃの種が入っているほんのり甘いパンを頬ばりながら、
    暫しの間観察していた。
    数秒後ピーピーと完成のお知らせのサインが鳴った。
    蓋を開けたらプレートにくっついてしまって四苦八苦していた。
    それを見て私は初ノルウェー版ワッフルを諦めた。。。

    数日後、窓の外に目をやるとかもめが飛んでいて、テラスの白いデッキが眩しいくらい。
    気持ちいい日差しの入る食堂には、あのワッフル焼き器があった!
    天にも昇る気持ちだった。
    “スタッフにお気軽に尋ねてください”と手書きの張り紙。
    あの時のご婦人が失敗したワッフルが脳裏をよぎったので、
    すぐさま宿泊客が食べ終えた食器を片付けていたスタッフの女性に声をかけた。
    中々かっぷくが良く愛嬌のある笑顔、
    「きっと美味しいワッフルを作ってくれるに違いない」と私は確信した。
    「ほらいくわよ、見てて!」と早速スプレーをシューっとプレートの表面に噴射した。
    バターの噴射式のものだ。
    大きなボールにすでに用意された生地、
    それをレードルですくってワッフル器へ流しこむ。
    蓋を閉めて出来上がりの合図を待つ。

    3分ちょっと待っただろうか。
    濃い目にいれたカップチーノをスプーンでかき混ぜた時のような色をしたチーズ、
    専用のカッティングナイフがあり、それをスライスしてのせるのだ。

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    真似してやってみたけれど、思うように薄くカット出来ない。
    「もっと力入れなきゃだめよ!」と駄目押しが入り、再び試してみる。
    出来たてのワッフルに薄くカットした茶色いチーズはその熱でゆっくり熔けていく。
    スタッフはその上に苺のジャムをのせた。
    夢にまで見たノルウェー風ワッフルの完成だ。
    いつだったか、ドキュメント番組で見たベルギーのものとも又違う。
    こうやって食べるスタイルは伝統的らしい。
    癖になる美味しさだ。

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    いつかノルウェー人の友達が出来たら、是非そこの家庭の朝食にお目にかかりたいものだ。

    翌朝、前日に習った事を実行に移した。
    あのふくよかな女性スタッフは遠くからウインクして、私のぎこちない行動を見守ってくれた。
    焦らず慌てず、チーズもジャムの基本通りにたっぷりのせて、、。
    テーブルについて食べ始めると、別の宿泊客がぎこちなさそうにそのワッフル焼き器を試していた。
    初めての様子だ。
    何だか笑いがこみあげてきた。

    お洒落なキッチン用品の店では一桁違いのゴージャスなものもあれば、
    スーパーでは「ねえ、ちょっと使ってみない?」と
    客にアピールするかの雰囲気で気軽に買えるものも売られていた。
    言うまでも無く、あのチーズもカッターも我が家にやって来た。

    ZARINA

  4. トナカイの国のカフェ事情

    2016年9月5日るりこさんのItaly便り

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    雄大な自然に囲まれて暮らすノルウェーの人達はとてもゆったりとして見える。
    短い夏を十二分に楽しもうと夜になってもまだ明るい海岸線をジョギングする金髪の美人さんは、
    髪の毛をギュっと結んで音楽を聞きながらその足も軽やか。

    町を歩くとキッチン用品を扱う店があちらこちらに目につく。
    シンプルで素敵なデザインのピクニックバスケットを見ているだけでもそんな気分になり、
    卓上用の取っ手が木製の素敵なコーヒーポットや携帯用のポットも種類が随分と多い。

    美術館や歴史ある建築物は心にとまった物だけを見て回る。
    そのかわり、美味しそうな匂いやきれいな物に “第六感”のアンテナが
    グルグル回り出したらすぐさまそこに入ってみる。
    試してみる。
    町歩きの楽しみは「発見」にある。
    ドキドキやワクワクがそこに待ち受けているのだ。
    残念ながらノルウェー人の友達はいないので、自分達で色んなものを試したり
    つまんだりしながらあ~だこ~だと勝手に討論し合って、歴史をさかのぼるのもいとおかし。
    そこに住む人達の顔が少しだけ見えてくるような気がする。

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    日中は手にビジネスバッグそしてもう片方の手にはお持ち帰り用のコーヒーを持って
    急ぎ足で人混みを通り抜けていくビジネスマン。
    電車の中にもそんな姿が。
    長距離電車が停車する駅のホームにコーヒーを積み込む業者の車。

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    電車の車内には電光計時で「食堂車にコーヒーを用意しております」の表示、
    発車すると同時にそこへ向かう乗客の姿もちらほら。
    小さいガラスケースに並べられたシナモンロールが目をひく

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    インテリアの参考書になりそうな、ノルウェーのカフェッテリアは空間そのものが気持ちいい。

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    椅子もクッションもそれらのカラーリングがちゃんと計算されていて、
    本屋さんの中に併設されたそれは私たちを虜にした。
    エスプレッソコーヒーもブレンドコーヒーも各々にコクや深みがあって味わい深い。
    余りの美味しさに何杯もおかわりして、ついつい眠れなかった日もあった。
    あの日は美味しいからと言って調子に乗ってコーヒーを飲み過ぎた、、、ちと反省。

    ホテルのロビーに必ずあるマシンではブレンドコーヒー、エスプレッソ、アメリカンコーヒーと
    きちんと種類が分けられている。
    勿論、カップチーノやマッキアートもチョイス出来る。
    8月でも雨が降り続いたベルゲンのホテルではコーヒーをいれて、
    ロビーのソファで寛ぐ観光客がいた。
    晴れの日に向けて地図を広げながら行程をを変更か、、、?

    リオオリンピック期間中、現地滞在のノルウェー人キャスターが囲む木製のテーブルと
    その上に置かれたマグカップからお国柄を感じた。
    美し過ぎる大自然に囲まれた人はとても「澄んで」いる。
    やはりそれに比例するのか、コーヒーも澄みきった味わいだった。
    数秒毎に変わっていくフィヨルドの景色が余りにも素晴らしくて
    撮った写真はぼうだいな数にふくれあがった。

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    ZARINA


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