エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. されど○○

    2017年1月17日るりこさんのItaly便り

    皿からはみ出しているのは当たり前。

    食べ方は人各々で面白い。

    縁をぐるっと一周残しておしまいにそれを最後に堪能する人、また残す人。

    三角に小さくカットしたらそれをパタンと二つに 折って手に持ってパクッという人も。

    一切れずつカットしてそれを食べ終えたらまた次のをカットする、と食し方は百人百様。

    それはまだ14世紀の頃、ナポリの城壁の中に住む都会っ子達はピッツァという名称すら知らなかった。

    甘い焼き菓子をトルタというのだけれども、その風貌からピッツァも同じようにトルタと呼ばれていたのだ。

    珍しくピッツァ(=ピザ)の語源は定かでは無い。

    平たくするとか、圧搾するとかいう意味の単語から来るものだ、

    あるいは中東から伝わったピタパンがオリジナルであるという説もある。

    ラツィオ州では紀元後1000年頃のもので、ピッツァと書かれた文献が発見されいるし、

    1200年代のもので同じようにその文字が表記してある文書も見つかったと。

    手軽さに比べて実は奥が深くて非常に歴史ある食べ物なのだ。

    いずれにしても世界中に伝え広まったピザはカンパーニア州のナポリが発祥の地だ。

    ピザ職人によって作られて正真正銘のナポリピザを証明する真面目な協会も存在する。

    円形に成型されたピザの生地、中央部分から外側へ向けて大きくのばされ縁の部分は高く盛り上がり、

    ナポリピザと呼ばれるものには油分が加えられることは全く無い。

    小麦粉、水、天然酵母菌またはビール酵母そして塩が原材料なのだ。

    ブーツの形をしたイタリアには気候や風土に合った郷土料理がそれぞれあるように、

    ピザのトッピングも多種多様だ。

    プーリア州のパンツェロットは中にトマトソースとモッツァレッラチーズが入った丸い形を

    二つに折って油で揚げたものだし、北部地方のは生地が大部薄い。

    大体は皿からはみ出しているのだけれど、それで驚いちゃいけない。

    いい材料でちゃんと発酵されていれば生地そのものが美味しいし、

    胃袋がもたれるということはあり得ないのだ。

    グループでシェアして食べるのではなくて一人一人好みのものを注文するのだ。

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    ピッツァは一般のレストランでは提供しない。

    ピッツェリアというピザ専門のレストランへ行くのだ。

    そこで注意を払いたいのは薪を使った釜があるかどうか。

    それで焼いたのはやっぱり香り高くて電気のオーブンのものより格段も美味しい。

    薪が命なのだ。

    ピザ専用の皿に1人前としてサーヴされてナイフとフォークで食べる。

    宅配もあるけれど、前持って電話で注文しておいてピザレストランへ出向いて

    わざわざ受け取りに行く人も少なくない。

    イタリアの子ども達に人気なのはフライドポテトとイタリアのウインナーソーセージをのせたタイプ。

    これをいつもは家庭内で “禁止令”が発令されるコカコーラと食べるのだ。

    最高のひとときに違いない。

    トマトソース抜きのビアンカというのもある。

    マッシモの友人、ファブリーツィオ君はいつもビアンカだ。

    近頃はカムット、全粒粉等粉の種類もバリエーションに富んでいる。

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    この季節なら、トレヴィーゾのラディッキオと胡桃という組み合わせは最高のコンビネーションだ。

    仕事で出来ないことに関してはイエスとノーがはっきりしている国だけれど、

    ピザの注文についてはそれが無い、本当に無い!

    そのピザレストランの厨房にある食材であれば何でもトッピングしてくれるのだ。

    例えばオーダーを取りに来たカメリエーラさんにメニューには無いピザの種類を注文する。

    つまりトッピングの具材を好きなようにチョイスするのだ。

    「へえ、それって美味しいんですか?今度試してみますよ。」なんてことも。

    トレヴィーゾのラディッキオと胡桃のコンビネーションはイタリア人をもうならせた自信作だ。

    普通はトマトソースとモッツァレッラチーズは必ずベースとしてのっている。

    そこにプロシュートコット、茸、カルチョーフィーそしてサラミがのっているのがクアットロスタジョーネ、

    シチリアーナと呼ばれるのはアンチョビ、オリーヴとカッペリがトッピングされる。

    玉葱好きにはツナと組み合わせたものがたまらない。

    それを食した後は顔中玉葱の臭いが満面いっぱいに広がる。

    アスパラガスやトリュフなど季節折々のピザが楽しめるのだ。

    チーズ種類も豊富なのでその土地ならではのチーズにしても中々だ。

    生地をこねて休ませて、と我が家でも2、3度ピザを作ってみた。

    そこそこに美味しいけれどやっぱり、ピザレストランのそれにはかないっこもない。

    天麩羅屋のてんぷらと同じだと思う。

    「ピッツァなんて!」という意味の慣用句もあってつまらないものを意味する時に使われるのだけれど、

    それはピザ様さまに失礼だと思う。

    たかがピザ?

    されどピザなのだ。

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    ZARINA

  2. 空飛ぶベファーナ

    2017年1月8日るりこさんのItaly便り

     

    一般的にクリスマスバカンスは1月6日まで。

    でも今年は7日が土曜日で8日が日曜日ですから、

    いつもより更に長いお休みとなったイタリア人も多いのです。

    多くの人が食事会に招いたり招かれたり外食したりと、

    この期間はいかに丈夫な胃袋を持ち合わせているかどうかが鍵を握ります。

    我が家でもなかなか会えない友人夫婦やカップルと一緒に夕食会をひらきました。

    茹でた枝豆と鮨をつまみにして、皮からこしらえた餃子にラーメン

    そして締めのデザートは定番のティラミスと”日伊友好”メニューです。

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    20:30に集合してお開きになったのは夜中の2:00過ぎ、

    気の合う仲間が集まると時が過ぎるのもあっという間です。

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    テーブルクロスは赤にして、ローズマリーをカットしてクルッと赤いリボンで結んでナフキンの上にのせて。

    たいそうな事はしないけれど、これが我が家のおもてなし。

    一方、年越しは家を改装した叔母さん宅でヴィスキオも持参して。

    いつものタルティーネが人数の倍の量でテーブルに運ばれます。

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    12月31日23時半をまわると叔父さんは冷蔵庫からプロセッコを取り出し

    23時55分頃には栓を抜く用意、テレビのチャンネルはいつものRai1、

    いよいよ23時59分をまわって59、58、57と番組の司会者が秒数をカウンダウンします。

    3、2、1「アウグーリ(おめでとう)!!!」と同時に

    叔父さんはスポン!と勢い良くプロセッコの栓を抜きました。

    皆で抱き合い乾杯したのも束の間、外からは「バンバン!」と花火の音、

    私たちは皆オーバーを着てすぐさま外へ飛び出しました。

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    四方八方の夜空高くきれいな花火が舞い上がります。

    長いクリスマスバカンスの幕を閉じるにはあと二つ大切な行事があります。

    一つは冬のセールの始まりとそしてベファーナ!

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    とがったあごに長くて大きい鼻、そしてつぎはぎの洋服を身にまといほうきにまたがった老女が

    5日の夜中から6日の早朝にかけて子どもがいる家を訪れるというのです。

    それを待ちに待つ子どもたちは5日寝床につく前に暖炉や窓の所に靴下を用意するのです。

    何故なら、それまでの1年良い子でいたらキャラメルやお菓子を

    ベファーナが靴下に入れて行ってくれるから。

    そうでなかった子どもの靴下にはおしおきとしてキャラメルではなく

    炭を入れて行くというのです。

    ベファーナの伝説は色々ありますが、ギリシャ神話の豊作を司どる神様が起源とも。

    収獲のための豊よくな土地、大地にその神様が鎮座してくださり、

    悪を取り払い神聖な所とするためにほうきに乗った老女が伝説のシンボルとなったとか。

    4世紀頃には実は飛ぶほうきは悪いものを取り除くシンボルとして崇められていたそうです。

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    早いところでは12月25日のクリスマス前から屋台やお菓子屋さんで売り始め、

    1月6日当日まで店頭に並びます。

    小さくて可愛らしい手のひらサイズのベファーナから等身大のものまであって

    これがなかなか迫力があって背筋がゾクゾクしてくるようなものまで種類は豊富。

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    6日のベファーナの日には地方によって、古いものを持ち寄ってそれを燃やして悪いものを取り除き、

    新しい年を迎える行事が開催されるところもあります。

    日本のどんど焼きを思い出します。

    やり方や表現は違っても、その土地、国々に各々の風習や伝統があって、

    時にはそれが似ていたり共通の目的があったりするところも面白いです。

    皆さんはどんな風に新年を迎えられましたか?

    健康で笑顔いっぱいの年でありますように。

    本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    ZARINA


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