エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. ♪ポケットの中には、、、が一つ♪

    2018年1月29日るりこさんのItaly便り

    今朝もやって来ました。

    ツグミです!

    春が少しずつ近づいている証拠です。

    昨日のとはどうやら違う様子、今朝のはちょっと痩せています。

    イタリアの家庭では、食事の時にはテーブルクロスを使うわけですけど、

    我が家では、おおまかなパンくずは小さいちりとりで取って、

    あとは四隅をつかんでグルグルっとまとめ、テラスで大胆にはたくわけです。

    そこに落ちた細かい食べ物のカスを食べに、ツグミがやって来るのです。

    人に慣れているのか、我が家の「お客様」は、目と目が合っても逃げたりしません。

    あっ、そうだ!と思い出して、この本を本棚の奥から引っ張り出してきました。

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    前田まゆみさん著の「ツグミのプレゼント」です。

    第1刷発行の日付を見て、ビックリ!

    何と20年以上も時が経過しているではありませんか。

    表紙といい、中のきれいなイラストと言い、文章もホッコリ優しくて、

    やっぱり丁寧に作られたものは、何年経っても新鮮さがそのまま残っています。

     

    いいものには、長く愛される理由があるものだと、

    回りにある数々のものを見て、つくづくそう思います。

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    私達の友人の中には、一人で3、4台の年代物のヴェスパを所有し、

    休日にはそれを「いじって」楽しむ “永遠の少年達”が結構います。

    わざわざ70年代の古い車を、時間をかけて探し出し、そして購入してそれを大事に乗ったりと。

    政治にも地方自治体にも何だかんだと不満だらけのイタリア人だけれど、

    でもやっぱり人生を謳歌することについては、天下一品だとホントそう思います。

    無いパーツは自分で作ったり工夫しながら、ボロボロだったヴェスパを、

    まるで新品のように仕立て上げ、それに乗って、友人のところへ見せに出掛けるわけです。

    そこへまたそこの友人のお父さんも家から出て来て、ヴェスパ談議に花が咲く。

    これが当たり前の光景で、これにつけて奥さんや彼女はどうかというと、

    このヴェスパにはこういうヘルメットがいいわよ、とかバッグはこうだとか、

    さすがお洒落の国なので、別の方面で女性のサポートがフル活用されるわけです。

    お父さんやお母さんがヴェスパ好きだと、

    だいたいその子ども達もスクーターの免許を取ってヴェスパに乗り始めます。

     

    山のように、美味しいものがワンサカあるイタリアの食べ物の中にも、「ロングセラー」があります。

    その中の一つがこれ、”ポケットコーヒー / Pocket Coffee” !!

    正真正銘、イタリア製の一口サイズのチョコレートです。

    私が初めて “出会った”のは、もう10年以上も前のこと。

    友人の子どもが「ハイッ、これあげる!」と、

    満面の笑顔で、オーバーコートのポケットから取り出して差し出したのが、

    この “ポケットコーヒー / Pocket Coffe” でした。

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    「あっ、そうそう、気をつけてね。

    真ん中から美味しいコーヒーシロップがトロッと出てくるから、

    洋服が汚れないように食べる時気をつけてね!」

    と念を押されたものです。

    スーパーやバールのカウンターでも売られているので、

    このパッケージを見ると、いつもあの時の風景が蘇ってきます。

    ポケットコーヒーは何と今年で50年を迎えるそうで、さすが大御所フェレッロ社製であります!

    日本ですと、ソニプラやその系列の店では、昔から同社のロシェは売られていましたが、

    “ポケットコーヒー”は、ウィキペディアイタリアによりますと、

    ようやく最近になって、ごく一部の国のしかもネット販売限定で

    買い求められるようになったとのことです。

    販売から50年も経つというのに、鎖ではばまれたその販売ルートには、

    きっと何か深い意味があるのでしょうね。

    幅3、3cm奥行き2、5cm高さ1、6cmの小柄ながらエレガントな装いのポケットコーヒーは、

    一口でパクッといってもいいのですが、何卒二口でお召し上がりください。

    チョコレート本体のちょうど真ん中あたりで噛み、

    したたり落ちるコーヒーシロップの降下を防ぐために、

    頭を少し後ろに傾け、シロップが少し出てきたところで、唇で力強く味わいながら、

    そしてその後、チョコレート部分を噛み始めてください。

    ゆっくり、ゆっくり堪能なさってください。

    忙し過ぎて、エスプレッソコーヒーをいれる時間も無いあなた、お気の毒です。

    そんな貴方に是非お試しいただきたい、イタリアのエスプレッソコーヒー味のチョコレート。

    あれっ?何だかフェレッロ社の一員みたいですが、決してそうではありません。

    それにしても、商品名がイタリア語ではなくて、当初から英語で命名したあたりは、

    もうすでにその時から「世界制覇」を狙っていたのでしょうか。

    近頃は、カフェインレスのものも販売されていますが、

    やっぱり基本は長年愛されてきたスタンダードタイプですよ。

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  2. 古本とポルティコ

    2018年1月17日るりこさんのItaly便り

    1月の北イタリアの朝の天気予報は、霧のマークの日が続きます。

    新作映画のプロモーションで女優のメリルストリープさんと一緒に、

    イタリアを訪れていた俳優のトムハンクスさんは、一昨日のテレビ番組で、

    「ミラノは辺り中霧ばっかりだね。」などとぼやいていました。

    ミラノは勿論、北イタリアの冬は確かに霧の日が多い!

    いやいや、美味しいワインのためのおいしい葡萄作りには、

    この霧も欠かせない要素の一つだそうですから、

    お天気さんには余り文句も言えないところです。

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    さて、以前に何度か電車では通過したのみで、

    一度はゆっくりと町歩きをしてみたかったボローニャ / Bolognaに行って来ました。

    エミリアロマーニャ州の州都で、人口は約39万人、イタリア国内では7番目に大きい都市。

    ボローニャには歴史ある有数の大学があるため、「学生の町」とも言われています。

    1041年に設立された、ヨーロッパで一番古いと言われる、有名なボローニャ大学があります。

    ボローニャは “本の町”とも言われるだけあって、

    街の中を歩くと至る所に古本屋さんがあり、そこに住む人達は足を止めて、

    「フフン、これは前に読んだっけ?」等と品定めをしている様子。

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    紀元前1000年にこの町が生まれたそうですが、

    町の中心街だけでも、38キロメートルに渡ってポルティコが延々と続いています。

    まさに “ポルティコの町”というまた別の名がつけられています。

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    写真のようにひしめき合う建物を正面から見るとアーチ状になっていて、

    その丁度下に立って上を見上げると、天井がフラットではなくて、

    円を描くようにやわらかい線状のデザインになっています。

    それがずうっと町中に続いているのですから、

    歩くだけでも何世紀も前の貴婦人にでもなったかの錯覚をおこしてしまいそうです

    (でも、もう少しエレガントに歩かないとね)。

    ボローニャへ来たら必ず訪れるべき、マッジョーレ広場 / Piazza Maggiore、

    そしてそこに堂々とそびえ建つパラッツォダックールズィオ/ Palazzo D’Accursio。

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    この広場にはたくさんのバールが取り囲んでいるので、是非カッフェするのをお奨めしますよ。

    昼間からビールでもいいし、グラス一杯のプロセッコでも。

    疲れていたら、エスプレッソと甘いものでも。

    そこでエネルギー補給をした後は、旧市街を一望出来る、いや、正くはグルリと見渡せば

    視界の270度位、眺望を楽しむことが出来る「展望台」に向かいましょう。

    Basilica di S.Petronioの裏側にあります。

    大阪の梅田にあるロマンティックなあれを想像しないでくださいね。

    “迫力満点な”エレベーターに乗って、とにかく、上まで着きますから、ご心配無く。

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    写真の中央、右よりに見える二つの塔、こちらが中でも有名なものです。

    一つがもう一つに寄りかかるように傾斜しています。

    ガリセンダとアズィネッラ塔 / Garisenda & Asinelliです。

    上から眺めた後は是非、徒歩でその下まで散策し、これらの塔を下から見上げてください。

    迫力ありますよ!

    1200年代から1300年代にかけて、旧市街には約100にも上る塔が

    建築されたと言うのですから、これは驚きです。

    ここでもう一つ注意したいのは、奥に見える白い4つの建築物は、

    日本の建築家故丹下健三氏が設計したものだそうです。

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    ボローニャは、また、ハム(プロシュット)やサラミ類が有名で、

    これらを具とした詰め物のパスタ、トルテッリーニの店が点在しています。

    ピカピカに磨かれたウインドーの奥に綺麗に並べられたそれは、

    まるで小さな宝石のようです。

    勿論、世界中の人に愛されるボロネーゼソースはここが発祥の地。

    マッシモはトルテッリーニを、私はタリアテッレのボロネーゼソースをいただきましたよ。

    いや~、大き目の挽き肉がゴロゴロ入っていて濃い目に味付けされたソースが

    よく手打ちパスタとからんでホッペが落ちそうでした。

    勿論ワインはアンブルスコで。

    これは赤ワインでちょっとシュワシュワしている甘味が特徴、

    このシュワシュワ感がお口の中の脂肪分をスッキリと流してくれるそうです。

    ま~この日もよく歩きました。また行きたいな、ボローニャ。

    www.bolognawelcome.com/

  3. こりゃ春から縁起がいいわい

    2018年1月9日るりこさんのItaly便り

    明けましておめでとうございます。

    今年は、どのように新年を迎えられましたか?

    「一年の計は元旦にあり」という諺や、それに伴う習慣はイタリアにはありませんが、

    似たような言い伝えや風習がたくさんあって、

    以外なことに、縁起物にこだわるイタリア人も多いようです。

    さて、イタリアの年越しには、どんな縁起物があるのでしょうか。

     

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    ヴィスキオ:家族や友人、愛のある、また心の通じ合う者同士がちょうど午前0時を過ぎた時に、

    ヴィスキオの下でキスをすると、その関係は更にいい関係へ持続すると。

    様々な伝説がありますが、厳しい冬の寒いこの時期に白く美しい実をつけることから、

    “未来が明るい象徴”とも言われて今に至るとも。

    真珠のようなその色は、本当に上品です。

     

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    赤い下着:それは女性用ばかりでなく男性用も。

    発祥は中国と。

    これもマルコポーロが持ち帰ったお土産か?!

    年越し用に新しいのを準備して、年明けにはそれを捨てるのです。

     

    ザクロ:実りや豊沃を意味します。

    ザクロを絞ったジュースをプロセッコに入れてアペリティーヴォにしたり、リゾットにしたり。

    あの真っ赤な色も年越しには欠かせません。

    そう言えば、このクリスマスバカンスの期間中、”イタリアの母”の家に昼食に招待されたのですが、

    パンチェッタでくるんで表面をこんがり焼いた七面鳥に、庭で採れたザクロでジュースを絞り、

    それを何度も何度も肉の上にかけながら蒸し焼きにしたのをいただきました。

    幸運がこの料理にしみ込んでいるわけで、この家族流のお·も·て·な·しの心を感じました。

     

    大昔、収獲されたレンズ豆は、皮の袋に入れてお金と交換されたことから、

    年明けの晩餐にレンズ豆を食べると金運が上がる、とそんな習慣は今でも残っています。

    日本でもお正月には、お節料理に入った黒豆を食べる習慣がありますね。

    遠く離れていても、似たような風習があるのはとても興味深いところです。

     

    葡萄も縁起の良い食べ物です。

    葡萄には、蛋白質、ビタミンA·B·Cが含まれ、その上解毒作用や浄化作用がある。

    ナニナニおまけにコレステロール値を下げる、、、あらら、失礼!

    今は縁起物のお話をしていたところでした。

    健康に良くて縁起物ときたら、食べないわけにはいきません。

     

    「大騒音をあげる!」これは、悪霊を遠ざけるためだそうで、

    爆音を立てて空高くあがる花火や爆竹がその代表です。

    これでもか、これでもかと遠くの町の空の花火も、近くの公園で若者がやっている爆竹も

    全ていい一年を迎えるためのものです。

    11日の午前0時を待ちきれない近所の少年達は、大晦日の夕方5時頃から友人達と集まって

    バンバン!!とやっている音が聞こえてきます

     

    古い物を2階から1階へ古いものを投げて壊す、使い古した皿等がそのいい例で、

    ヴェローナで年越しをした時、レストランのオーナーが時計が0時を回った瞬間外へ飛び出して、

    思い切り皿を地面に叩きつけていましたっけ。

    何だかスカッとしそうです。

    是非一度は試したいものです!!!

     

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    16日のベファーナまで、街中のデコレーションやイルミネーションはそのまま飾られてあります。

    しかし、6日でクリスマスバカンスはお開きとなって、いつもの生活が戻って来ます。

     

    2018年が皆さまにとって、健やかで晴れやかな一年でありますように。

     


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