今朝もやって来ました。
ツグミです!
春が少しずつ近づいている証拠です。
昨日のとはどうやら違う様子、今朝のはちょっと痩せています。
イタリアの家庭では、食事の時にはテーブルクロスを使うわけですけど、
我が家では、おおまかなパンくずは小さいちりとりで取って、
あとは四隅をつかんでグルグルっとまとめ、テラスで大胆にはたくわけです。
そこに落ちた細かい食べ物のカスを食べに、ツグミがやって来るのです。
人に慣れているのか、我が家の「お客様」は、目と目が合っても逃げたりしません。
あっ、そうだ!と思い出して、この本を本棚の奥から引っ張り出してきました。
前田まゆみさん著の「ツグミのプレゼント」です。
第1刷発行の日付を見て、ビックリ!
何と20年以上も時が経過しているではありませんか。
表紙といい、中のきれいなイラストと言い、文章もホッコリ優しくて、
やっぱり丁寧に作られたものは、何年経っても新鮮さがそのまま残っています。
いいものには、長く愛される理由があるものだと、
回りにある数々のものを見て、つくづくそう思います。
私達の友人の中には、一人で3、4台の年代物のヴェスパを所有し、
休日にはそれを「いじって」楽しむ “永遠の少年達”が結構います。
わざわざ70年代の古い車を、時間をかけて探し出し、そして購入してそれを大事に乗ったりと。
政治にも地方自治体にも何だかんだと不満だらけのイタリア人だけれど、
でもやっぱり人生を謳歌することについては、天下一品だとホントそう思います。
無いパーツは自分で作ったり工夫しながら、ボロボロだったヴェスパを、
まるで新品のように仕立て上げ、それに乗って、友人のところへ見せに出掛けるわけです。
そこへまたそこの友人のお父さんも家から出て来て、ヴェスパ談議に花が咲く。
これが当たり前の光景で、これにつけて奥さんや彼女はどうかというと、
このヴェスパにはこういうヘルメットがいいわよ、とかバッグはこうだとか、
さすがお洒落の国なので、別の方面で女性のサポートがフル活用されるわけです。
お父さんやお母さんがヴェスパ好きだと、
だいたいその子ども達もスクーターの免許を取ってヴェスパに乗り始めます。
山のように、美味しいものがワンサカあるイタリアの食べ物の中にも、「ロングセラー」があります。
その中の一つがこれ、”ポケットコーヒー / Pocket Coffee” !!
正真正銘、イタリア製の一口サイズのチョコレートです。
私が初めて “出会った”のは、もう10年以上も前のこと。
友人の子どもが「ハイッ、これあげる!」と、
満面の笑顔で、オーバーコートのポケットから取り出して差し出したのが、
この “ポケットコーヒー / Pocket Coffe” でした。
「あっ、そうそう、気をつけてね。
真ん中から美味しいコーヒーシロップがトロッと出てくるから、
洋服が汚れないように食べる時気をつけてね!」
と念を押されたものです。
スーパーやバールのカウンターでも売られているので、
このパッケージを見ると、いつもあの時の風景が蘇ってきます。
ポケットコーヒーは何と今年で50年を迎えるそうで、さすが大御所フェレッロ社製であります!
日本ですと、ソニプラやその系列の店では、昔から同社のロシェは売られていましたが、
“ポケットコーヒー”は、ウィキペディアイタリアによりますと、
ようやく最近になって、ごく一部の国のしかもネット販売限定で
買い求められるようになったとのことです。
販売から50年も経つというのに、鎖ではばまれたその販売ルートには、
きっと何か深い意味があるのでしょうね。
幅3、3cm奥行き2、5cm高さ1、6cmの小柄ながらエレガントな装いのポケットコーヒーは、
一口でパクッといってもいいのですが、何卒二口でお召し上がりください。
チョコレート本体のちょうど真ん中あたりで噛み、
したたり落ちるコーヒーシロップの降下を防ぐために、
頭を少し後ろに傾け、シロップが少し出てきたところで、唇で力強く味わいながら、
そしてその後、チョコレート部分を噛み始めてください。
ゆっくり、ゆっくり堪能なさってください。
忙し過ぎて、エスプレッソコーヒーをいれる時間も無いあなた、お気の毒です。
そんな貴方に是非お試しいただきたい、イタリアのエスプレッソコーヒー味のチョコレート。
あれっ?何だかフェレッロ社の一員みたいですが、決してそうではありません。
それにしても、商品名がイタリア語ではなくて、当初から英語で命名したあたりは、
もうすでにその時から「世界制覇」を狙っていたのでしょうか。
近頃は、カフェインレスのものも販売されていますが、
やっぱり基本は長年愛されてきたスタンダードタイプですよ。