エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリーのルポ


Reportage


  1. ほうきに乗ってやって来て

    2016年1月7日るりこさんのItaly便り

    新年明けましておめでとうございます。

    今年も何卒、ブログにお付き合い下さいませ。

     

    どんな年越しをなさいましたか?

    クリスマスは家族と、年越しは友人と等とイタリア人はいいますが、

    はい私たちはヴェローナにおりました。

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    楽しみの夕食は勿論、欠かせません。

    「22時以降だと1席空くと思いますよ。」

    おお~神様に救われた気持ちで席に着き、ゆっくりと食事をし始めました。

    その日のレストランはどこも予約でいっぱい。

    この日に限って予約をせずに行ったものですから、そりゃ大変なことになりました。

    20件近く断わられたでしょうか。

     

    午前0時10分前、空いたテーブルには振る舞い用のプロセッコとグラスが用意されて

    カメリエーリさんたちもコックさんたちも皆な、フロアーに出てきました。

    10、9、8とカメリエーリさん達がカウントダウンをし始めて

    時計が2016年1月1日午前0時をさした瞬間、

    お客様にプロセッコが振る舞われ、カメリエーリさんもご主人も皆でかんぱ~い!

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    すぐさまご主人は外へ飛び出し、準備しておいた花火に点火、シュパーシュパーと火花を吹き、

    カメリエーラさんに「皿持って来て!」と、そしてそれを受け取った瞬間腕を思いきり振り上げて「ガシャーン!」

    手に持っていた乾杯用のグラスもおまけに「ガシャーン!!!」

    これ、喧嘩をしている訳ではありません。

    そこのレストランのご主人はナポリ出身、”噂”には聞いておりましたが、

    年越しに使い古した物を壊すというナポリ地方に古くから伝わる習慣なのです。

    その年に起こった特に悪い出来事がまた繰り返さないようそれを断ち切るという意味だそうで、

    本やテレビでは見たことがありましたが、本物を目の前で見るのは北部に住む私達にとっては初めてのことです。

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    いつも観光客で賑わうブラ広場、特設会場ではこれも年越しの風物詩であるコンサートが開催されていて、

    輪になって踊る人、歌う人、冬の寒さもそっちのけです。私達も歌って踊って体もホッカホカ。

    地面には空になったボトルやプラスチックのグラスが散乱しています。

    お祭り騒後ならではの光景。

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    町のショーウインドー、クリスマスが終わってもデコレーションは1月6日までそのまま。

    まだ、お祭りは終わっていません。

    決して美しい容貌をしたとは言えない鷲鼻のお婆さん、ベファーナが1月5日の夜中から6日の朝にかけて

    ほうきに乗ってやって来て、子供たちが暖炉や窓際に用意しておいた靴下にお菓子やキャラメルを入れて

    プレゼントしてくれるという言い伝えがります。

    ただし、1年間良い子にしていた子供にはキャラメルやお菓子、そして小さい玩具等が入っていて、

    そうでなかった子供が用意した靴下には、炭がパンパンに詰められるという具合。

    ですから、ベファーナがやってくる数日前は特に子供達は自分達の振る舞いや態度に要注意を払うわけです。

    子供達は皆、甘い物がいっぱい詰まった靴下が欲しいですもの。

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    我が家に届いたベファーナからのプレゼント、中味はコーヒー豆、チョコレートの他刺繍入りの鍋つかみ、

    葉巻等々が入っていました。いくつになっても、ベファーナはやってきてくれるようです。

    これでクリスマスバカンスも終わり、いつも通りの生活に戻ります。

     

    皆様にとって幸せな一年でありますように。

    ZARINA

  2. SANREMO2016

    2015年12月29日るりこさんのItaly便り

     

    25日朝、マッシモとウォーキングに出かけました。
    まだ早朝の霧が立ちこめていて”冬の匂い”がします。
    クリスチャンの多いイタリアでは最も神聖なる日であるからこそ、
    何となく朝から体を動かしたかったのです。
    そんな中、身なりをきちんとして家から出る人々をたくさん見かけました。
    さすがモードの国でもあるので、身内の大昼食会とはいえみなきちっとした格好で出かけるのです。
    こういうところがまたイタリアの魅力でもあります。
    お洒落ウォッチングのようで、これが又面白い。
    「今年のクリスマス、イタリアでは10人に8人が家族や親戚と自宅やそのグループの主たる人の家で過ごすそうです」
    とクリスマス当日の朝のニュースで報道していました。
    そう言えばその2、3日前のスーパーマーケットや青空市場は大変な人出。
    24日には肉を食べない習慣があるのでスーパーの鮮魚コーナーや魚屋さんが賑わいます。
    25日と26日は祭日でスーパーは閉店するため、25日の大昼食会の買い出しもあるので
    肉屋さんや肉コーナーも大賑わいです。
    お洒落にパッケージされたチョコレートが並ぶお菓子屋さん、手土産用にと売れていきます。

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    24日夜遅くから25日夜中にかけて集まってプレゼント交換する家族もあれば、
    25日の大昼食会の後にするグループも。
    年に一度のクリスマスだからこそ、趣味に合ったその人のことを考えた贈物をしたいもの。
    早くから探しておけばいいのに、実は我が家もその「駆け込み組」のうちでした(笑)。
    ファッションに時間とお金をかけるイタリア人は、食事にもこだわります。
    だから、駆け込み組はキッチン用品を売る家庭雑貨の店にも続々とやって来ます。

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    他に本屋さんも、珍しいものやチョット高級なものを扱う食料品店もラッピングを待つ人の行列ができていました。

    85才のマリア伯母さん、「私みたいな年寄りはもうな~んにもいらないのぉ~!」
    いやいや、一人暮らしだし家にいる時間が長いからこそと選んだのは、
    ハート型ともうひとつ型違いで同じ花柄の生地のクッション、
    伯母さんが毎日使っているソファーの色とカラーコーディネートしました。
    気にいってくれた様子です。

    好きなもの、お洒落なものに囲まれて暮らしたいと多くの人がそう考えていると私はそう思います。
    小さなことでもそれを幸せだと感じられる心、気持ちを持って生きることそれが幸せだとも思います。
    心が豊かになったり、頑張るエネルギーになったりします。またそういうものは、
    頑張り過ぎたあとにホッと心を安めてくれるものであったりします。
    少しでも毎日の暮らしに彩りがあるといいですね。

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    クリスマスバカンスを締めくくる1月6日までクリスマスデコレーションはそのまま、
    大晦日の年越しの爆竹騒ぎを除いては、まったりとした空気が流れていきます。

    今年も色んな発見や様々な人との出会いがありました。
    世の中、本当に教わることがたくさんあります。
    あり難いお話です。
    人に支えられて人は生きているとそう思います。
    いつも支えてくださる皆々様、心から感謝いたします。
    一人でも多くの人が誰かと一緒に食卓を囲み、幸せな笑顔で希望に満ちた新年を迎えられますように願っております。

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    FELICE NUOVO ANNO!

    ZARINA

  3. イヴの日はダイエット?!

    2015年12月8日るりこさんのItaly便り

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    街路樹もセーターを着たようにあったかそうです。
    雪は無くても底冷えのするこの季節、外出する時は毛糸の帽子も欠かせません。
    手にはクリスマスプレゼントらしき買い物袋をいっぱい持った人々が、
    厚手のオーバーやお洒落なダウンコートに身を包んで通り過ぎていきます。

    クリスマスカードを投函するのに、どうしても切手はこだわりたかったので郵便局へ。
    ところが近頃「手紙」を出す人は少なくなってきたせいか、
    小さい郵便局にはイタリアらしからぬ随分と物淋しいデザインの切手、1種類のみの取扱い;;;
    それで妥協すればいいのだろうけれど、そうはいかない(私の心が許さないのだ) 。
    たまに日本から届く手紙を受け取るのは心踊るもので、
    そこに貼ってある切手がとても綺麗なものだったりすると一層心魅かれるものです。
    結局、少し大きな町に住んでいる知人にお願いして買っておいてもらいました。

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    今年は何かと忙しかったので、いつもならじっくりクリスマスの準備をするのにパタパタと、
    でもやはり家の中のデコレーションはやりました。
    日が落ちるのも随分早くなって夕方5時頃はすっかり暗くなります。
    でもツリーやキッチンの上の方に置いたイルミネーションの灯りをつけると
    それがほっこり心を温めてくれます。

    イタリアでは12月25日の昼食会はとても伝統的で大切な行事、
    またそこで何を食べるのかがこの時期の話題にあがります。
    アペリティーヴォ、前菜に始まって時間をかけて御喋りをしながらガヤガヤと昼食会が開かれます。
    ほとんどは家族や親戚も集まってと。
    クリスマスの日にはご主人の実家で奥様の実家の家族も含めて、
    また日にちを変えて奥様の実家でご主人の両親や兄弟も一緒に、、、等というように
    1月6日までは人が集まって一緒に食事をする回数がとても増えていくのです。

    ところがその前日24日クリスマスイヴの日は、お肉を食べない日。
    肉や生ハム、肉加工品が山ほどあるイタリアでそういう日が存在するとはとても意外です。
    昔、肉を食べるのはお金持ちまたはお祭やお祝いの時だけというおきてがあって、
    またキリスト様誕生の前日であるクリスマスイヴには”ささやかな心の捧げもの”として、
    質素な食事を心がけるという意味で、肉を食べないという習慣が今でも続いているところがあるのです。
    色んな意味で生活にメリハリがあるこの国だからこそ、
    「質素な食事」の翌日には「ご馳走」を囲むのでしょう。

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    ZARINA

  4. オリーヴオイル祭

    2015年12月1日るりこさんのItaly便り

    いちま~い、にい~まい、さんま~い残りわずかとなりました。
    10日前は赤や黄色オレンジ色に紅葉してたわわに枝についていた家の前のメープルの木の葉っぱの数です。
    今朝見たらスカスカになっていて向う側の景色が全部見えます。
    わずかな葉っぱが風に吹かれてぶら~んぶら~と揺れています。
    野原も凍るようになったし、自然界も冬の支度を始めたようです。

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    ヴァッレ ディ メッザーネ/VALLE DI MEZZANEは世界遺産のヴェローナから20キロ弱北東へ位置する小高い丘が続く長閑かな所、
    ここでは秋も終わり冬がやってくる丁度その間くらいの時期にオリーヴオイル祭が開かれます。

    見てください、このきれいな緑色!!

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    本物のエキストラヴァージンオリーヴオイルの色です。
    艶やかで混ざりけのない深みがかった緑色。
    近所や長年ファン(のような)でいる方とか空ボトルを片手に次々と買っていきます。
    2、3本はあたり前、漏斗(じょうご)を使ってオイル屋さんの男性が慣れた手つきで次々と注いでいきます。

    外のテントでは、即売もしているオイルやブルスケッタにして美味しいペースト状のオリーヴ
    それが椀飯振舞(おうばんぶるまい)でサービスされます。

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    アペリティーヴォに丁度いいではありませんか!
    本当に美味しいオイルはこういうシンプルなスタイルが一番なのです。
    どんどん無くなっていくのですが、これでもかとスタッフも次々と焼いていきます。

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    アペリティーヴォで食欲を呼び覚ましたところでお昼ご飯には鰯のビーゴリ(パスタの一種)、
    マッシモは馬肉の煮込みとポレンタいずれもここの郷土料理です。
    組み合わせるワインは勿論ソアーヴェ/SOAVE、これも地元のワインです。

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    現役のオリーヴ挽き石、生まれて初めて見ました。
    収獲したオリーヴを潰して液状にしていくのです。感動物です!
    真ん中に見える柱を軸に石で出来た車輪がグルグル回ってオリーヴを潰しています。

    ドルチェも食べてお腹いっぱい、幸せいっぱいになったところで散歩。
    少しずつ丘を歩いていくとオリーヴ畑が一面に広がっていました。

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    どんな田舎町に行ってもチェントロ(町の中心地)に行くと、広場に設置されるクリスマスツリーの準備が始まっています。
    イタリア人にすれば「ええっ、ちょっと早いんじゃない?」と。
    綺麗なもの、楽しいものはそれだけ長く見られた方がいいじゃありませんか、ね?
    今週末は我が家もクリスマスデコレーションの準備をしようと思います。

    ZARINA

  5. たくさんの感動をありがとう!

    2015年11月12日るりこさんのItaly便り

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    感動と食の冒険がいっぱい詰まったミラノ万博は、10月31日(土)に184日間の日程を経て幕を閉じました。
    イタリア人の国民性を反映してか、開幕当初は人もまばらで廻りの友人知人に「行かないの?」と聞くと
    答えは決まって「そうだね~、行こうかとは思っているんだけど、様子見てからね。」と白黒つかない返答、
    ホントたいていこんな答えが返ってきていましたっけ。
    それが、新学期が始まった9月中旬以降どんどん入場者数が増えて最終日になってもイタリア館、日本館、
    そして2017年に開催国として決まっているカザキスタン館など人気のパビリオンは長蛇の列!!
    日常生活の中でパン屋さん、八百屋さん、スーパーと入口に整理券を取るホルダーがあって
    それを取って待っていても割込みされるのは当たり前(怒)、そして並ぶのが嫌いなイタリア人のはずが、
    今回の万博でそれを少しは学んだようです。(いいぞ!)

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    最終日もやっぱり人、人、人!!!
    日も暮れて辺りも暗くなってきた頃、万博のメインストリートを歩いていたら
    花火があちらこちらから上がって人々は大興奮、皆ビデオや写真を撮っていました。

    何も綺麗ごとばかりを語っていたパビリオンばかりではありません。
    「ゼロ」というパビリオンの中には模型の大きなごみの山もありました。
    それはそれは巧みに作られていて、思わず鼻をつまんだくらいです。
    飽食化している一方で食料不足で困っている人はたくさんいるという訴えです。
    生産者、運送者、販売者、料理する人にそれぞれ感謝して一人でも多くの人が一緒に食卓を囲んで
    笑顔で時を過ごせることは不幸や悲しい出来事も減るのではないかといつも思います。

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    フランス館脇のクロックマダム販売スタンドでは閉店前にバゲットの無料配付で大判ぶるまい、
    そこの前のオランダ館ではボリューム全開でディスコタイム、バゲット片手に躍る人達、
    インドネシア館前ではコンサート中お国の食材をプレゼントするひとこまも。
    そんな中、日本館はやっぱり静かだねなんて話ていたところ全都道府県の名前が入った酒樽のオブジェを前に
    日本館スタッフの皆さんが記念撮影、大勢のイタリア人に取り囲まれ皆さんとってもいい笑顔。
    そこに居合わせた自称「万博オタク」という日本人男性は、
    「最後に皆で記念撮影って、日本館の伝統なんですよと教えて下さいました。
    なるほど、物事のしめくくりにもそれぞれお国柄があるようです。

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    184日間を総まとめしたミラノ博のミニビデオ、中々素敵です。
    下記のアドレスから

    5 novembre alle ore 12:30 · の部分をクリックしてみてください。
    it-it.facebook.com/Expo2015Milano.it

    閉会式を終えた後も、メインストリートで警察音楽隊が演奏する素敵なサプライズも!

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    風も冷たい夜空に国歌が響き渡りそこに我も我もと会場内にギュウギュウ詰めに集まった人達の歌声が重なって、
    とても清らかな気持ちになりました。
    イタリア国民誰もが、「本当に開催するのか?」「本当に閉幕出来るのか?」と疑いっ放しだった国際博覧会。
    スタッフの皆さんの力とそれを支えた人たちの協力とが輪/和になって無事に閉幕しました。
    私たちも楽しませていただいたり、ミラノ博を通じてお仕事で出会った方々にも心から感謝の気持ちでいっぱいです。

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    新緑の季節5月に開幕したミラノの国際博覧会場には、落ち葉が舞っていました。

    ZARINA


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