エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリーのルポ


Reportage


  1. カフェのお話

    2015年10月15日るりこさんのItaly便り

     

    「今朝の最低気温は10度、日中の最高気温は20度でしょう。」
    10月に入って、鼻の頭が冷たくなったり足の爪先が冷えたり、
    自身の体でも季節の移り変わりを感じます。
    起毛素材のスーツに変えました。

    ミラノ博、いよいよ最終月になりました。
    予想通り、9月後半から物凄い人出になっています。
    5月に開幕した当初マッシモと話していたのですが、
    「きっとイタリア人はスロースターターだし、人の噂を聞いてからそれを頼りに行動する国民だから、
    きっと最終月は凄いことになるかもね。」
    なんて冗談交じりに話していたら、ホントそうなりました。
    リピーターの数も増えているそうです。

    さてと、涼しくなってくると、キッチンに立つ時間も長くなります。
    南瓜のリゾット、りんごのストゥルデル、もっと美味しくなるように、今秋も頑張ります。
    もっと美味しくなるように、と家でいれるcaffè/カフェ(=エスプレッソコーヒー)も毎日、味が違います。
    同じ水ほぼ同じ量の挽いた豆を使っているにもかかわらず、毎日違うのです。
    イタリアの朝食にカフェラッテは欠かせないもの。
    朝ご飯用のカフェラッテだと温めたミルクを混ぜるのでカフェの味の変化には余り気がつきませんが、
    昼食の後に飲む何も入れないカフェを飲むとその違いがわかります。
    なるべく添加物が入っていない食べ物を食べたりするようにしているからでしょうか、
    少し舌が敏感になってきたような気がします。
    豆乳を温めてカフェラッテにしても美味しいです。

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    イタリア語でエスプレッソコーヒーのことは「カフェ」と言って、エの所をちょっと強調して発音します。
    カフェを自宅でいれるのにお洒落な電動式のも売っていますが、
    やっぱり昔ながらのモカ(=直火式エスプレッソコーヒー沸かし器)タイプは根強い人気です。
    1杯分のものから3杯分、6杯分と大きさが違うもので、各家庭には最低3台以上のモカがあります。
    仕事先と自宅がそれほど遠くない人は皆、家に帰って昼食を食べます。
    ですからその後もカフェを飲みます。
    夕食後のカフェは人それぞれ。
    こんな具合ですから、コーヒー豆の消費量は結構なものです。
    ストック棚にはパスタは勿論のことビスケット、そしてコーヒー豆はどこの家庭でも買い置きがあります。
    カフェ(コーヒー豆のこともこう呼びます)は湿気が入らないよう、きちっと缶に入れて保存します。
    小さなことだけれど、美味しくエスプレッソコーヒーを自宅で飲むにはとても大切なことです。
    一度開封したらさっさと使いきるのが一番。

    カフェ=苦い、だけでは無く、苦味の中にも酸味や甘みがあります。
    どうしてもアメリカンタイプがいい人には沸かしたお湯で割って飲むことをお勧めします。
    また、カフェと一緒に砂糖の替わりに小さいチョコレートを食べたり、
    またいつも使っているカップの下に季節の植物の葉を敷いたり、砂糖入れを小さい器に入れ変えたり、
    そんなささやかなことですが、夜がだんだん長くなってくる秋は、
    こんな小さなことを楽しめる季節でもあります。

    人生を謳歌することを知っているイタリア人に教えてもらうことはたくさんありますが、
    「頭痛にはカフェが効く」だけは今だ納得出来ません(笑)。

    ZARINA

  2. はじまりはじまり~!!

    2015年9月30日るりこさんのItaly便り

    9月15日~17日にかけてイタリア国内の学校では始業式がとり行なわれ、新学期が始まりました。
    今年の9月から幼稚園に通い始めたフランチェスコ君のママ、リータちゃんは普段時間が無いにもかかわらず、
    園内で使うエプロンやコップ入れに名前を刺繍して準備していました。

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    「愛」はここにも溢れています。
    9月はイタリアでは色々と動き出す月。
    一昨日、お向いのアントニオさん宅には大型トラックでストーヴ用の薪が運ばれて来ました。
    物凄い量なので、クレーンを使っての運搬と移動です。
    毎年この時期に見る光景、今では私の中の季節の風物詩の一つとなりました。
    バールやお店屋さんのカウンターは、各種講座の広告でいっぱいになります。
    りんごや葡萄、米、ポレンタ、ワイン収獲祭のポスター等も。
    スーパーや青空市場には「収獲したばかり」と表示されたりんごが並びます。
    果物は全体的に日本と比べて随分と安いです。
    日数が経過する毎に陳列されるりんごの種類も変わっていくので面白いです。

    さてと、収獲祭。私達は、トレント/TRENDOのカオーリア/CAORIAのきのこ祭へと行ってまいりました。

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    カオーリアはヴァノイ渓谷の麓にある、小さな小さな村です。
    今年の夏、ドロミーティへ行った時にきのこ祭りのポスターを見つけたのです (これも運命、縁があった訳です) 。
    普通、収獲祭りではメインの素材を元にプリモ、セコンド、各々好きな物にチェックして
    それをレジで払ってオーダーしたものを受け取るのですが、今回はコンプレート、
    つまりプリモとセコンド、デザートにパン、ワイン(大きいコップにたっぷり)そしてボトルの水が
    全てセットになってそれで一人15ユーロ!

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    さすがイタリアの収獲祭りは気風がいいです。
    レジで払ってチケットを貰って随分待ちましたけど、美味しいものを頂くためにはちょっとは我慢が必要です。

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    ポルチーニ茸のラザニア、チロル風ニョッキ、きのこ風味の肉の煮込み、
    付け合わせは色々な茸のソテーそしてデザートは、クリーミーなソースがかかった森のベリータルト。
    それにパンとポレンタもついてくるので、大満足です。
    食後は?ハイ、やっぱり
    「カッフェ!(エスプレッソコーヒー)です」。
    ありました、ありました!
    村に1件唯一のバールが!
    田舎のバールでもカッフェのお味はやっぱり超一流です。

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    食事タイムが終ると、チロリアンの衣裳に身をまとった人達が大型テント内に設けられたステージで
    賑やかに踊ったり、小劇場を繰りひろげたり、場内の笑いを誘います。

    食事をするテントの外では刃物研ぎのお兄さん、足踏みミシンの様にペダルを踏み
    その動力で農作業道具を研いでいきます。

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    機械の本体は木製、年季が入ってあちこち傷だらけですが、それがどことなくいい雰囲気を醸しだしています。
    山岳地帯らしく、カントリー調の雑貨、木彫りの置きもの、毛糸で編まれたキッチングッズ等、
    小道沿いに出店が並びます。
    私たちが通った時はキノコの直売テントはほぼ完売状態、トホホ;;;

    きのこは食物繊維やミネラル、ビタミンB,Dが豊富だそうでピオッピーニと呼ばれるのは
    日本のシメジと似ています。
    ポルチーニは日本人にもおなじみの品種、こちらはちょっとお値段もよろしく。

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    ミラノ万博のイタリア館で見つけた、コーヒーかす(エスプレッソコーヒーをいれた後に残ったかす)を
    再利用したきのこの栽培。
    中々面白いです。

    ZARINA

  3. 便利なキッチン雑貨

    2015年9月8日るりこさんのItaly便り

     

     

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    今朝の青空市場の買い出し、、、ではありません。
    イタリアのお母さん(といつも心で思っているお世話になっているとあるご婦人)から頂いてきた、
    「0km新鮮野菜」です。
    レタスにも色んな種類があって、これはフリルのようにヒラヒラした葉が特徴の、ジェンティーレという種類、
    大きく育ってまるでブーケのよう今回は、見たこともない白い茄子もありました。
    虫に食われたキャベツは無農薬だからこそ。
    ルーコラ、トマト、紫玉葱、黒ブロッコリーと呼ばれる葉っぱだけ食べる種類のブロッコリー、と
    色んな種類の野菜がたくさん入っています。

    新鮮な材料を手に入れたり、便利でお洒落なキッチン雑貨を使いたいのは、毎日キッチンに立つ誰もが思うことです。
    好きなもの、素敵なものを使ったり身の廻りに置いたりするのは、
    「仕事が出来るビジネスマンは、いいシャツを着るいう身だしなみも大切」という
    素敵なシャツ屋さんを経営している友人のメッセージと共通していると思います。
    形の面白さに魅かれてついつい衝動買いしてしまうものもありますが、
    特に木製のものは使っているうちに味が出てきて手に馴染んでくる。
    例えばフッ素加工の鍋には、木製のレードルを使います。
    鍋底に傷がつかないので、いい鍋も長く使えるのです。

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    たまには新しいレシピにも挑戦!ということで、料理本を広げて立てかけるブックスタンド。
    ソースやクリームが飛び散っても気にしない、気にしない。

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    食事時には必ずテーブルクロスを使うのですが、食事のあと、
    パンかすや食べ物の細かいくずを取り除く時に使うのが、このハケ。
    これで結構きれいになります。

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    魚の形をした木製の鍋敷き。

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    オーブン焼きのラザニア用の四角いパスタ生地やニョッキ、シナモンロールの生地をこねる等、
    粉ものの作業をするのに使っているのがこれ、
    一枚板にどこでも使用出来るように小さくカットした木の片がついていて、
    それをテーブルに引っかけるようにして使う木製の作業台。
    粉をこねるのは結構力仕事で大変だけれど、たまにやるこの作業もやり出すと中々面白い。

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    広げた生地をまとめたり掃除するのに便利な、鍵のような面白い形をしたケッパー。

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    ニョッキと言うじゃが芋と小麦粉等をベースにしたパスタがあるのですが、そのソースは様々。
    そのソースがからみ易くなるように生地を小さく丸長にしたした1つ1つのパスタに溝をつける道具がこれです。
    小人の洗濯板みたいだなあ、と使う度に思います。

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    最後は、ハート型の、、、さていったい何でしょう?!

     

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    モカ(直火式エスプレッソ沸かし器)敷きです。
    コポコポとエスプレッソが沸いたらこの上に置いて使います。
    カップに注いだ後モカの蓋を開けたままにしておくと、
    その余熱でエスプレッソのいい香りが家中漂って幸せな気持ちになります。
    これ、試してみてください

    木製の道具って、どうしてこうも魅かれるのでしょう。
    使って古くなっていくごとに、味わいが増してきます。
    これらの素材となる木や森林を、皆さん大切にしましょうね。

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    10月31日まで開催中のミラノ万博では、日本館をはじめたくさんの国のパビリオンが建物に木を使っています。

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    ポーランド館のエントランス

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    フランス館

    ZARINA

  4. 歩く

    2015年8月27日るりこさんのItaly便り

     

     

     

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    遥か遠い昔はここが海だったのか?と半信半疑で車で下界から徐々に登って行くと、
    別名「青ざめた山」と呼ばれるように、時折白っぽくもあるゴツゴツした岩肌が
    目の前に襲いかかってくるように、不気味な様相、しかしそれが朝日を浴びながら
    山の開けた所まで上がっていくとそこはまるで別世界

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    目指すは、2009年6月26日に世界遺産に登録されたDolomiti / ドロミーティの山々。

    下界から眺めるととてつもなく高い山々だったのが、とても間近に見える程近い高さまで登ってきました。
    ウォーキングは好きだし、途中までは車だったので、後は楽勝と思っていたら大間違い!

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    下から見上げた時とは違って、以外と傾斜が急なのです。
    飼い主をグイグイ引っ張って登って行く犬も沢山います。
    牛達が牧草を食べている間もちょっと失礼させていただいて

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    途中休み休み振り返って、サッソルンゴを見ては励ましながら辿り着いたのは、

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    標高2440mに位置するその名も「アルプスヒュッテ」と呼ばれる山小屋。
    イタリア語でRifugio/リフージョと言うのですが、面白いことに「心の支え」という意味もあるそうで、
    確かにそこで飲んだビールは心身の支えとなるくらいに美味しかったのであります
    (随分、都合の良い解釈の仕方です)。
    自分で自分を褒めてあげたいくらいの達成感、と思っていたのも束の間、
    3才ぐらいの女の子が手をひかれて一生懸命登ってきたのを見て、姿勢を正す思いでした。
    小さい子供達も結構登っているんですよ、こっちがしっかりしなきゃと勇気づけられます。

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    私達の更に高い所をカラフルなパラグライダーがすぅーっと飛んで行きます。
    山小屋の外のテラスでは、長椅子に足を伸ばして日光浴をする人や、
    ドロミーテイ全体の地図を見ながら、今歩いて来た道を確認し一望千里の眺めを楽しむ人、
    皆思い思いにリラックスしています。

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    自信がついた私達は、翌日Pordoi/ポルドイ山へ。

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    軽やかに走って行くケーブルカーを横目で見ながら、
    私達は歩いて遂に山小屋「フォルチェッラポルドイ/2848m」に到着!
    山小屋の裏手にはまだ残雪があって、空気は冷たかったなぁ。

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    たかだか1度や2度、トレッキングをしたくらいで大きな事は言えないけれど、
    確かに偉大な自然が教えてくれることは沢山あります。

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    牛の糞を見て、自然の中で育った牛肉を食べたり
    牛乳が飲める事や、厳しい自然環境の中でも働く人々に感謝したり、

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    絶壁にある戦争の爪痕の穴を見て、世界大戦時代に辛い思いをした人達が沢山いたんだろう、
    今、この地球に生きている私達はなんて恵まれているんだろう、
    だから小さなことでも自分に出来ることは頑張ろうとか。

    ミラノ博には、ポルドイ山も位置するトレンティーノ地方のブースがあります。
    ここにはとても急な木造りの特設の階段があって、ミニミニ登山を体験出来ます。
    中々、トレンティーノらしさが出ています。
    本当に勾配が急なので、少しの階段でも息があがります。

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    こちらは、産地のものをパニーニにしたもの。
    生ハムになるものをちょっと燻製にした香り高いスペックの薄切り、トローリ熔けたチーズ、
    そしてこれを支えるのは脇役でも主役の座さえ射止める、
    クミン入りのライ麦の色が浅黒い田舎風パン。

    ZARINA

  5. ○○へ行って来ました

    2015年8月19日るりこさんのItaly便り

    「夫とシチリアに行って来たのよ~。」と読書が大好きなパオラさん、
    本当はペラペラとページをめくって本を読む典型的スタイルがお好みなのだけれど、
    数週間のバカンスへはiPadを持っていかれるそう、
    「そうでないと、本だけですごい荷物になるのよ。」とそんなパオラさんから
    シチリア名物、Martorana/マルトラーナをお土産にいただきました。

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    果物、野菜、魚等の形をしたそれは、本物と見間違えるほど巧妙に作られているので、
    見た目の面白さにも魅かれて、世界中から訪れる観光客にも喜ばれるそうです。
    アーモンドの粉、砂糖が主な原料で、その昔修道院を創設した貴婦人の名前から、
    マルトラーナと呼ばれるようになったとか。
    とっても甘いお菓子です。

    ドミンガちゃんファミリーは今年もサルデーニャ島へバカンスということで、
    こちらはミルトのリキュール酒をお土産に。

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    長靴の形をしたイタリア半島の西に位置する島、サルデーニャではコルクも特産物なので、
    それを”御召しになられた”ボトルがその土地らしさを表しています。
    ミルトはブルーベリーに似た果実、特に赤がかったものは希少価値も高く
    それを原料にしたこのリキュール酒は、島の伝統的産物として公式に名をかかげています。
    1800年代にはすでにポピュラーなリキュール酒として存在していたそう。

    「スミレ色がかった黒っぽい色を好み、果実のギュっと凝縮した味わいを堪能したい方は
    完成してから1~2ヵ月で飲むのがよろし」
    「ほどよい甘さと少しトロッとした舌ざわりがいいわね、やっぱり!というご婦人には、
    ボトリングしてから6~15ヵ月のものがよろし」とありまする。

    ミルトのリキュール酒は普通は食後酒として楽しまれるのですが、
    地元では食前酒として愛飲する人々も結構いるとか。
    又、お菓子屋さんでは、一口サイズのチョコレートの中にこれを注入して、口でトローっと溶けて
    ミルトのリキュール酒が口一杯に広がる贅沢な味わいのものもあるとのこと。

    これをいただいて未だ訪れぬ地、サルデーニャに思いを馳せていたら
    サルデーニャに住むクラウディアちゃんに会いたくなってきました。
    同じ一つ屋根の下に暮らしていた頃、彼女の所には年に何度か実家から”大きな小包”が届いて、

    その中には必ずミルトのリキュール酒が入っていたっけ、
    彼女は正にサルデーニャの親善大使のように色々な産物を振る舞ってくれましたっけ。
    その彼女から教えてもらったサルデーニャの方言、
    「アイヨ~!(元気ぃ~?)」と笑顔が浮かんできます。

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    ***ミラノ博ミニ情報其の7
    まだまだ暑い/熱いミラノ博。
    会場のメインストリートとなるデクマーノは、こんな可愛い移動ジェラート屋さんが
    チリンチリンと鳴らして通って行きます。
    疲れたら冷たくて甘いアイスでホッと一息。

    ZARINA


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