ダッチウエストジャパン製品カタログ
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ルールの「鋼」 ヴッパータールは、ドイツ最大の人口と工業生産額を有するノルトライン・ヴェストファーレン州にあります。ルール工業地帯の良質な鉄の供給を受けて、職人の町として内外に名を馳せています。すなわちルールの上質な鉄が存在しなければ、この強靭な斧も存在しなかったことになります。 鉄はアイアン(普通の鉄)と、スチール(鋼)に大別され、少なくとも強靭な斧の生産には、鋼の存在は不可欠です。ルール炭田産の石炭が不純物の混じりが少なく、コークスになる高品質の石炭であったことから、世界から選りすぐりの良質な鉄鉱石がルール一帯に集結しました。鉱石の運搬を可能にしたのは、ライン川ほかヴッパー川などの水運で、製品を世界各地の消費地に輸出できたのもこの水運があればこその話。かくして、ルールの鋼の伝説が始まりました。160余年の歴史とプライドにかけて。ルールの「はがね」無くしてドイツに繁栄なし。斧の最高峰ブランド「Helko」がヴッパータールの地に生まれ育ったバックボーン。 いまでこそ、世界市場に於いて、斧の名品、トップブランドとして君臨するHelko社ですが、その歴史を辿ると、ドイツの職人の街・ヴッパータール市の小さな鍛冶屋にまで遡ることになります。1844年に創業された、Helsperツール製作所が、そのルーツとされています。Helsperツール製作所は、創業後僅か数年にして、ヨーロッパで木工業向けの高品質ツールメーカーとして名声を博し、その名は、世界各地のユーザーへと広がることとなりました。 Helkoという名は、1930年代初めに、Helsperツール製作所の創業者Helsper(ヘルスパ一氏)が共同経営者として、Kothaus(コットハウス氏)を迎え入れたことに由来します。それぞれのイニシャルを組み合わせたhel・koが社名となったのです。その時から現在に至るまで、Helkoという名は変わることなく、世界市場で最高品質の斧のブランド名として確立されてきました。1960年代に入り、Helko社は、すぐ近所にあったCarl Helsperツール製作所を買収することになります。それ以来、登録上の正式会社名称は、helko-werk,Carl & Aug. Helsper GmbH &Co. KGとなりました。Helko社は、ドイツ国内、ヨーロッパはもとより、森林を有し、薪を必要とするほとんどの国に輸出され、信頼のブランドとして流通しています。Helko社の歴史ゾーリンゲンの名品優れた斧たち

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