ダッチウエストジャパン製品カタログ
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ダッチウエスト・ストーブ物語The Dutchwest History コンソリデーテッド・ダッチウエスト社は、ハンドメイドのストーブを作る会社として、1974年にブルース・マッキニーとその仲間がアメリカ東海岸で創立した会社です。後に、本社はマサチューセッツ州のプリマスに置かれました。マッキニーは、当時主流だった燃費の悪い大型ストーブではなく、それらより小型の高性能ストーブを鋳物で作ろうと決めました。鋳物は表面に凹凸のある模様をつけることが可能で、でこぼこしている分だけ表面積(つまり放熱表面積)が大きくなります。従来の平らな鋳物に比べると数倍の表面積になるのです。つまり、その分だけストーブのサイズを小型化できるとマッキニーは考えたわけです。 次いで、マッキニーは工夫を重ね、ストーブを完全な密閉型に仕上げ、空気取り入れ口以外のどこからも空気が入らないようにしました。この改良により、ふつうは15~20分で燃え尽きてしまう薪が、ダッチウエスト・ストーブでは、一回くべた薪で一晩中熱を出し続けることができるようになったのです。集中暖房にも匹敵する暖房能力があると同時に、薪をひんぱんに足さなくてはならないという手間からも解放されました。さらに、燃焼室と分離した大きな灰受皿、燃料を選ばない点、振動式グレートなど、たくさんの使いやすい特徴も備えていました。また、既存の暖炉の中にも据え付けられるよう、長さの異なる脚までも用意したのです。他社のストーブは単なる鉄の箱にすぎませんでしたが、ダッチウエスト・ストーブは、そのとき既に世界で最も進化したストーブだったと言えましょう。 リバーシブルフルーカラー、サイドドア、バイパスダンパー、分離された灰受用ドアと灰受皿等の発明は、現在広く他社でも採用されています。 しかし、いまだに他社に採用されていない特徴があります。ダッチウエスト独自のコンベクションシステムです。全鋳鉄製でストーブを二重に組み立てる方法は、手間と鋳鉄の量が多くなり大変ですが、そこから発生する贅沢な熱は他社の製品では体感フェデラル(連邦)建築様式は、アメリカがまだアメリカ連邦だった1780~1830年にかけて生まれた建築様式で、新世界独自の美的境地を開きました。基本は、直線と箱形が特徴の伝統的なビクトリアン様式ですが、そこにシンメトリーなどモダンな要素を取り入れ、細部には繊細な装飾やカーブをほどこし、扇形の明かり取り窓、長円形の窓を加えるなどして優美さを高めました。バーモンターは古い建物を取り壊さないで住み続けています。今でもベニントン、マンチェスター、キャッスルトン、ストウなどバーモント州の多くの町に行くと見ることができます。フェデラル建築様式バーモント州会議事堂ダッチウエスト創業者ブルース・マッキニー氏とFA207フェデラル エアータイト スモール ボックスヒーター。モデルナンバーの最初に付く文字“FA”は“Federal Airtight”に由来しています。小石で打った模様により表面積は40%アップ。さらにストーブ内壁を二重にする方法で放熱面積も58%アップ。通常のストーブの約2倍の放熱性があります。能力は同じ石打ち模様表面滑らかダッチウエスト従来モデルできないものです。 デザイン面でも、マッキニーが選んだのは、ニューイングランド地方特有の簡素で優美な「フェデラル建築様式」でした。鋳物製であるため、鋳型に彫刻された細かい線や凹凸がくっきりと浮き出て、直線と曲線の調和が美しく、ストーブのサイズも適切でした。アメリカで家具として初めて受け入れられたストーブ、それがコンソリデーテッド・ダッチウエストのストーブなのです。“ストーブ・イン・ストーブ”。すなわち、ストーブの中にもうひとつストーブがある構造です。構造が複雑で、製作には手間がかかりますが、これにより、輻射熱と対流熱を生む絶妙のバランスを持ったストーブが生まれます。ストーブ底面から吸い込まれた冷気は、ストーブ背面で暖められ、次いでストーブ上部より温風となって前方へ吹き出します。また、二重構造なので、ストーブ底面と背面の外側温度を下げることができ安全性が高まります。ストーブの重量も増すことができ、蓄熱性が非常に優れ、常に温度変化の少ない熱をより遠くまで放出し続けます。■小さくても出力の高い性能■コンベクションシステムの構造マッキニーとその仲間が作り上げた"完璧"な薪ストーブ

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