ダッチウエストジャパン製品カタログ
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「コンソリデーテッド ダッチウエスト 妥協なく製造されたストーブ」当時の看板にある言葉1980年製 ロッキー マウンテンヒーター FA211“バリュー・フォア・マネー”を徹底的に追求したダッチウエスト・ストーブ ダッチウエスト製品の品質は、素材と職人技とによって極められました。鋳物部品の組立は熟練工による手作業で行い、材料には高価な鋳鉄をふんだんに使い、炉用セメント、耐熱ペイント、真鍮などもすべて一級品を使いました。考えに考えぬいて設計された、世界に類を見ないコンベクションシステムです。ダッチウエスト・ストーブは、アメリカ人から見たとき、何よりもストーブに対する“バリュー・フォア・マネー”が一番優れていました。バリュー・フォア・マネーとは、価格に対する顧客満足度が高いということです。バリュー・フォア・マネーがあるものこそ「いいもの」の証であり、アメリカで物が売れるための鉄則なのです。 さて、高い熱効率によって燃費が節約できても、ストーブの値段が高すぎるなら、顧客にとっては何の意味もなしません。そう考えたマッキニーは、ストーブに公正な価格を設定しました。当時他社は、たとえば不可欠な部品までオプションにして、本体価格を少しでも安く見せようとしていました。しかし、マッキニーは一切こうしたまやかしをせず、すべてを含めた価格を正々堂々と公示したのです。ダッチウエストストーブを使いやすくする多くの特徴をすべて、オプションではなく「標準」として装備するストーブとして開発したのです。 この伝統は今もダッチウエストの中で守り続けられています。 1988年、マッキニーは、優れたストーブを開発し、廉価に販売するという自分の目標がある程度達成されたと思いました。経営者であれば、さらに設備投資をして工場を大きくするのが普通でしょうが、もともと外国特派員だったジャーナリストのマッキニーには、他にもチャレンジしたいことがありました。その頃、同じような高性能ストーブのメーカーで、かねがねダッチウエストの触媒技術に興味があったバーモントキャスティングス社に事業を売却して、両社を合併させました。 ストーブ業界の再編はその後も進み、ダッチウエスト・バーモントキャスティングス社は、1996年には当時北米最大のファイヤープレースメーカーのCFM社と合併。CFM社はその前年に、全米でナンバーワンの暖炉メーカーだったマジェスティック社を買収していたので、文字通り北米最大のハースメーカーとなりました。また、2008年になると、会社の所有権はアメリカのハース製品メーカー、MHSC社に移り、モネッセンブランドなどを加え、より強固な体制となりました。2013年には会社名をバーモント最先端の技術をいち早く世の中へ ダッチウエストは世界最先端の燃焼技術を持って生まれてきた薪ストーブですが、この血筋はどのような会社の傘下に入っても変わりません。2004年、新しい燃焼システム、“リーンバーン”(米国名は“エバーバーン”)を搭載した「エンライト」が発売になりました。2008年には、新しいチップレジスタンス性能(衝撃耐性)を持つホーロー塗色の“バーモントナイト”が登場しました。 同時に、新しい固形燃料にも対応するべく、「ランドルフ」と「ベセル」が発売になりました。2009年には、オーバルのクッキンググリドルを持つ「コンコード」が改良されて発売になりました。これらはかつてブルース・マッキニーと仕事をしていたジグ・ブラックバーンが手がけたストーブです。ブルース・マッキニーがいなくても、「最先端の技術をいち早く世の中へ送り出す」というダッチウエスト精神は、今もアメリカで、そして日本で、受け継がれています。キャスティングスグループに変更。2014年10月には、世界一上場審査が厳しいとされるニューヨーク証券取引所に上場している世界有数の家具メーカーHNIコーポレーションを親会社とする、ハース&ホーム テクノロジー(HHT社)と経営統合しました。HHT社は傘下にクアドラ・ファイアやヒート&グロー、ハーマンなど多数のストーブメーカー・ブランドを有し、名実ともに北米最大のハース製品メーカーであるとともに、海外市場でも高いシェアを保持しています。ダッチウエストの現在ダッチウエストの伝統的デザインと、小さくても高い出力を発揮する能力を受け継ぎ開発された「ベセル」。バーモントナイトを身にまとった「エンライト」と、クッキンググリドルが追加されてさらに魅力を増した「コンコード」。1980年製

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