
エジプトには、火はいっさいをむさぼり食い、それがなくなると自らをも食べてしまう"動物"だと思っていたという話が残っています。人は一本の薪が燃えていくときの変容を見ながら、アニミズムや神話を経て、火を情熱や愛が燃えるイメージへと抽象化させ、それによって自らを奮い立たせ、心を癒す力を得てきました。
約10万年前に発生した初期人類は、氷河期という苛酷な環境
に置かれていました。食物は火を通さない冷たいものばかり。生き残るのが精一杯で、うれしいことなどほとんどなかったことでしょう。従って、ごくまれに経験する"うれしいこと"に対する感受性は現代人よりもずっと強かったものと思われます。最初に自分で火を熾し、温かい食物が食べられるようになったときの初期人類のよろこびは、遺伝子に焼き付くほど強烈だったかもしれません。
そして、私たちが薪ストーブの火にあこがれるのは、遠い、遠い昔に火を誕生させたときのあの喜びの記憶を、無意識に取り戻したいと思っているからかもしれません。
火の家、薪ストーブは、火から生まれて、火を宿し、火の恩恵を人に与えます。それはまるで家の中の太陽です。
木を切り、薪にすることを自然の破壊であるように思い、罪悪感をもつ方もいらっしゃるでしょう。もちろん、肉牛牧場や大豆畑を作るためにアマゾンの熱帯雨林を大規模に焼き払うようなことは問題です。かつて4万5千年ほど前、人類が初めてオーストラリア大陸に到達したとき、道や狩猟のための開けた場所を作るため大規模に火を放ちました。その結果、自生する植生が焼かれて絶滅し、それを食べていたエミュなどの巨大生物種も絶滅したという説もあります。人間は、倫理と環境的バランス感覚をもって火の使用を管理・抑制しなければなりません。
薪ストーブの燃料になる薪は、森林の経営・管理プロセスで生じる木の利用です。薪の燃焼は、石油や石炭などの化石燃料とは違って、地球のバイオマスの循環に入っています。また、若木は成長するために光合成によってさかんに二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素(O2)を排出しますが、老木になるとその収支が崩れて、CO2を多く放出することすらあります。大きくなった木を切り、苗木を植林する。これこそ森林と人間が共存できる道なのです。私たちは木を一時"お借り"しているだけなのです。

薪ストーブは、新たな二酸化炭素を排出しない自然環境にやさしい暖房機器ですが、急速に進む地球温暖化を抑えるためには、さらなる環境対策が必要です。そこで弊社では、グリーン活動の全国組織「グリーン購入ネットワーク(GPN)」に加盟し、森林整備などを通じてカーボンオフセット事業に取り組んでいます。この活動には、弊社スタッフの子供たちも参加し、自然との共存がいかに大切かを学んでいます。
もったいないと思いませんか?
製材を取るために森に残されたゴミとなる木材。こんな光景が日本にまだまだ存在します。薪ストーブ使用者にとっては、まさに宝の山です。ダッチウエストジャパンでは、※ゼロミッションを目指し、2010年、まずは地元のストーブ使用者を集い、「薪クラブ」を発足いたしました。北海道十勝の自治体をはじめ、地元工務店や造園業者のご協力を頂きながら、森林の整備や河川の立木の処理など、薪にする活動をしています。皆様、薪ストーブを使い始めた動機は様々ですが、森林の保全活動により燃料の確保が出来るメリットは勿論のこと、そして最終的にはCO2を削減しているという高い意識を胸に活動に参加しています。十勝から北海道 北海道から全国へ…。グリーン(環境改善への取り組み)というキーワードはかかせません。