ダッチウエストジャパン ストーブカタログ2017
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薪ストーブを安全にご使用いただくために薪ストーブは、火を扱うシンプルな暖房器具です。電気ストーブや石油ストーブのように安全装置などは付いていません。ストーブ販売店による設置と取扱説明を受け、正しい使用方法で安全かつ安心な薪ストーブライフを送ることができます。薪ストーブを使用する方には、「家族と資産を守る責任」があります。薪ストーブの密閉された火室内で「なぜ火が燃えるのか?」この原理を理解することが重要となります。給気と換気の関係薪ストーブは、電気などの動力を一切使用せずに燃焼します。煙突内で発生する上昇気流の力を利用し、室内でストーブ内に空気を取込み、薪を燃焼させ、煙突から屋外に煙を排出させます。高気密住宅や24時間換気システムの住宅には、室内で燃焼に必要な空気量を確保することが最も重要となります。機種によっては、燃焼用の空気を外気から導入できる機種もありますが、基本的には室内の空気を吸って薪を燃焼させます。そのことによって室内の空気は奪われ、「負圧」と呼ばれる状態になります。負圧の状態になると、室内に空気を取り込もうとする、ダウンドラフトが発生します。薪に着火しにくくなり、着火できたとしても通常の燃焼状態にならず暖かくなりません。最悪の場合には煙が逆流し、部屋中に一酸化炭素が充満して大変危険な状態が発生することがあります。また、キッチンのレンジフードの使用時でも同様のことが起きます。このような現象は、設置計画の段階で、給気量の検討により、解決することができます。家屋の状況により変わるので、新築時であればハウスメーカーや工務店、設計者、ストーブ販売店との綿密な打ち合わせが必要となります。既存宅での設置では、現状を確認しながらストーブ販売店と相談して設置を行ってください。問題が発生してからでは、新たな設備や工事が必要となり、追加の費用負担が発生することがあり、何より命に関わることです。設置計画段階で適切な対応を行う必要があります。第三種換気では、排気を機械排気、給気を自然給気する換気方法で、室内が負圧状態になっています。給気口の有効開口面積が確保できていない状態で薪ストーブを使用すると、電気による強制排出している室内は、必要以上に負圧となり、自然給気からの空気量だけでは足りず、自然排気の煙突から外気を取り込む現象が発生します。煙突からは空気と一緒に煙も室内へと逆流し、一酸化炭素中毒の危険が発生します。このようなことが起こらないようにするためには、24時間換気の排気風量に見合う給気口の有効開口面積を確保する必要があります。―第三種換気の例―自然給気機械排気レンジフード等の局所排気第三種換気電気による強制排出電気による強制排出ドラフトによる排気(ストーブの空気給気量)ドラフトによる自然排出24時間換気の換気設計において、第三種換気を採用する場合、給気口の有効開口面積を必ずご確認ください。※給気の有効開口面積が確保できていない場合、必要以上に負圧になり、逆流で一酸化炭素中毒などの危険があります。※室内の負圧を外気-10Paとなるようにします。※局所換気(レンジフード等)の対処につきましては販売店にご確認ください。薪ストーブ設置業者様・建築業者様・設計社様へ高気密住宅に設置の際のご注意104

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