薪ストーブの導入を検討している方、そして、使い始めのころに良くある質問をまとめました。
難しいことはありません。もちろん、家庭のガスコンロと同じように「火を扱っている」という意識を持つことは必要ですが、
多くの疑問は意外と簡単に解決できるものです。
A.燃料には薪を使用し、薪を燃やすと二酸化炭素が発生しますが、木は成長過程で光合成により二酸化炭素を吸収します。ライフサイクル全体で見ると、大気中の二酸化炭素はプラスマイナスゼロとなるため、環境への負荷は無いといえます。木は人の手によって再生できるので、適切に木を育てれば無限に入手できる再生可能エネルギーです。
A.燃焼中に薪ストーブが火災を起こす可能性は、極めて低いです。
にもかかわらず火災が発生しているのは、専門業者以外が安易な考えで取り付けた場合だったり、煙突掃除を怠ったり、薪以外のものを燃やしたりすることが原因です。
例えばストーブや煙突には必ず離隔距離が定められています。そういった専門知識を持つ業者に依頼し、決まり事を必ず遵守し、責任をもって設計・施工してもらい、適切な使用方法を守れば安心して使用できます。
A.薪ストーブからは熱が出ていますので、動物的本能からそこに近づいていくといったことはほぼ無いようです。しかし、万が一のことを考えるとやはり心配ですよね。そこで活躍するのが、ストーブガード(ストーブフェンス)です。ストーブ周りをストーブガードで囲い込むことで、接近を防止することができます。
A.規定に沿った煙突の設置、乾燥した薪の使用、メンテナンスを行い、取扱説明書に書かれた使い方をすれば煙による苦情はほぼありません。
A.使用環境や使い方によって大きく変わってきます。メンテナンスを怠ったり、乱暴な燃やし方をすると数年で故障する場合があります。取扱説明書に書かれていることを守って使用いただくことで、30年以上使用することも可能です。万が一ストーブが破損しても、全てのパーツを保管しているので修理は可能です。
A.ご主人の強い希望で薪ストーブを導入し、最初は消極的だった奥さまのほうが、いつの間にか夢中になっているというお話はよく聞きます。火入れや料理は、コツさえつかめば女性でも簡単にできます。
A.薪ストーブの周辺は、木くずや灰などが落ちて若干汚れますが、壁紙や家具が汚れることはありません。排気は煙突から行われていますので、室内の空気は燃焼のために薪ストーブ側に吸気され、正しい使い方をすれば、煙が室内側に出ることはありません。
A.薪ストーブの取り付けには専門知識が必要です。安全性を第一に考えなければなりませんし、設置・施工には高所作業等による危険や、遮熱不十分による火災リスクも伴います。火事を起こして家を失ってからでは遅いです。薪ストーブの設置は専門店に依頼しましょう。
現在、インターネット通販やホームセンターなどで薪ストーブや煙突を簡単に購入することができますが、不十分な知識での設置は大変危険な行為ですので、絶対におやめください。
A.今お住まいの一軒家でも、ほとんどのケースで設置することができます。ただ、新築の場合ですと、あらかじめ薪ストーブを置く場所や煙突のプランニングを考慮して設計できるメリットがあります。
A.専門業者による確実な設置・施工と、使用する薪の乾燥具合・焚き方をしっかり守っている限りでは心配ないでしょう。排煙のクリーン化を徹底した薪ストーブから出るのは透明に近い煙なので、洗濯物などを汚すこともありません。ただし、わずかに漂う、薪が燃えるにおいを嫌う人もいますので、周囲の理解を得るための最低限の努力は必要となるかもしれません。
A.可能です。外気導入キットが取り付けられるストーブであれば、外から直接ストーブに空気を給気でき、室内が負圧になる心配はなくなります。
A.ストーブ販売店や薪販売店から購入できます。また、最寄りの森林組合や製材所、工務店、果樹園、造園業者などに問い合わせて木を譲ってもらい、ご自分で薪を作っている方もいます。
A.薪を全て買うとなるとコストがかかります。玉切り(丸太を輪切りにした状態)したものを購入し、ご自身で斧で割ることでコストを抑えることができます。
A.薪の表面が乾いていても、燃やすと薪の端から水分が泡のように出てくることがあります。湿った薪は燃やしても火力が出ず、薪ストーブの出力が落ちるばかりではなく、燃えも悪く、燻った状態になります。さらに、煙突の中やフロントガラスに煤やタールが付着します。湿った薪を焚き続けると、煙道火災の原因となり大変危険です。薪は、最低でも1年以上、理想としては2年ぐらいは、日当たり・風通しの良い場所に置いて乾燥させたものを使用しましょう。
A.1年に1回、シーズン終了直後が良いでしょう。煙突や炉内に煤や灰を残したままにしておくと、梅雨時期に灰が湿気を吸い、固く固着したり、錆びや腐食の原因となります。
A.専用のキット等があれば可能です。その際は安全器具をしっかりと装備したうえで行ってください。また、数年に1回のペースで専門業者によるプロのメンテナンスを受けることをお勧めします。
A.可燃物もしくは不燃物のゴミ(地域によって異なります)として捨てることができますが、木灰はもともと樹木が土中から吸い上げた天然成分のミネラルと燃え残った炭素の集まりです。ミネラルの主な成分は、樹種によって含有率は異なりますが、カルシウムやカリウム、マグネシウムなど。ミネラルをたっぷり含んだ天然肥料として、畑や花壇などにご使用いただけます。