吹き抜けで家全体がつながるSさん宅。シーリングファンも設置し、暖気は室内全体に行き渡る
山形県にあるご実家で薪ストーブを主暖房として利用し、帰省するたびにその暖かさに触れていたことから、家を建てると決めたときには当然のように薪ストーブを選んでいたというSさん。また、燃料となる薪が、地元の森林組合の組合員である実家経由で豊富に入手できることも、採用の決め手でした。
毎年、春先に山から伐採された薪用のナラ材を実家の庭先で割るのがSさんご家族の恒例行事。「父と一緒にいろんな話をしながら薪割りをして、家族総出で運ぶひと時も楽しみになりました。実家の両親とのコミュニケーションも、これまで以上に深まったような気がします」。
間仕切りのない開放的なSさん宅は、薪ストーブ1台で十分暖か。薪ストーブを焚かない時期にも炎を眺めて家族や友人と食事を楽しみたいと、庭に薪窯とかまどを自作しました。火の周りには自然と人が集まり、薪ストーブのある暮らしをするようになってからは、人のつながりの温かさも再認識しているそうです。
薪ストーブだけで家じゅうが十分に暖められ、冬には焼物から煮物まで、さまざまな調理にも活用しています。震災時は、電気やガスも使えなくなりましたが、暖房や料理に不自由することはありませんでした。そういった意味でも、薪ストーブは頼りになる存在ですね。
(Sさん談)