エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. 惜しげもなく並々と

    2018年2月28日るりこさんのItaly便り

    玉葱を忘れずに!

    この季節は日中の気温がぐっと上がって、「本格的な春だ!」と

    思わせるような陽気になるので、どうも薄着をしがち。

    でもここはイタリア人を見習って、上手に重ね着をしましょう!

    そうです、例の「玉葱ルック」。

    ウールの薄手のものも取り入れながら、重ね着をするのです。

    ウールと言えば、羊さん。

    先日ウォーキング途中で、ラッキーなことに、羊軍団と遭遇しました。

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    鳴き声もさまざま。

    「ベエー」という太くたくましい声もあれば、子羊の鳴き声はひ弱で可愛いらしい。

    カメラ目線を送ってくるカップルの羊。

    いや~、こういう風景和みます。

    大好きです。横浜に住む都会っ子の友人は、以前のブログの牛の写真を見て、

    「うらやまし~、こういうの見たことない~!」と

    興奮気味でメッセージを送ってくれました。

    牛舎や建物の中の家畜ではなく、解放感あふれる太陽の下で

    日光浴をしたり餌を食べたりするのは、さぞかし気持ちのいいことでしょう。

    自然に囲まれて食べると、私達人間と一緒で、

    羊だって太陽の下では食欲が増進するに違いありません。

    「食べる」ことは人生の楽しみの一つでもあります。

    我々と同じ食いしん坊の日本の友人から、メッセージがありました。

    「で?あのFICOというところでは何を食べたの?」と。

    アララ、うっかり “ご報告” を忘れておりました。

     

    私達が選んだそこは、田舎風伝統的トラットリア。

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    洗煉されたお洒落な店も好きだけれど

    昔ながらのスタイルが残るこういうのも中々味わい深いのです。

    「昔ながらのやり方、茶わんでランブルスコを提供しております!」

    ここで食べることにしたのは、実はこの看板に魅かれたからです。

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    品良く言えばカフェオレボール、日本語らしく言えば丼型の器で飲むワイン、

    ランブルスコは、発泡性のほんのり甘みのある赤で、この葡萄品種の歴史は古く、

    古代ローマ時代までさかのぼるそうです。

    その時代は、今のようにきちんと整備された葡萄畑で育てたわけではなく

    野生品種として自生していたといいます。

    ルビー色をした、発泡性ながらも深い味わいのあるランブルスコ、

    塩気があるハム類と合わせるからこそ、少し甘口でなければいけないのか、なるほどね。

    アルコール度数は低め、爽やかな味わいの赤ワインです。

    カメリエーラのお姉さんが真新しいボトルを目の前で開封し、

    惜しげもなく並々と “どんぶり”に注いでくれました。

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    クラシックなトラットリアスタイルは、再生紙のような材質で出来た

    ランチョンマットとフォーク&ナイフが入った袋そして分厚い素材の皿。

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    極上のシンプルなスタイル。

     

    生ハムは色々あれど、ここはやっぱり「クラテッロ ディ ズィベッロ」を注文。

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    生ハム類と一緒に食べると美味しいと言う名物の ‘揚げパン’は、残念ながら準備中。

    またそれを食べに出かける言い訳が出来ました。

    皆さん、何か食べそこなった事ありませんか?

    その時は「もう~!」と頭から火を吹かずに、

    「きっと又戻っておいでよ。」というサインだな、

    とゆったり構えて次回のお楽しみにしましょう。

  2. 見る方のあほうです

    2018年2月20日るりこさんのItaly便り

    意外と地味でした。

    ピョンチャンオリンピックの開会式での、イタリア選手の入場ユニフォームです。

    12年前、フィギャースケートの荒川静香さんが、イナバウワーで金メダルをとった

    2006年のトリノオリンピックでは、確かイタリア選手のダウンコートは

    体のラインを意識し、ピッタリした中々素敵なスタイルでしたが、

    今回はマッシモと「あれっ?地味だね。」と。

    ところが、これはアルマーニ氏デザインと言うではありませんか。

    じゃあ、”地味だね”じゃなく “シックだね”と言葉を変えなきゃ、と。

    ブランド名というのは物凄い底力を持つものだと改めて思いましたよ。

    韓国へおいしいキムチとチゲ鍋を食べに行ってみたいです。

     

    13日、カーニヴァルに幕を閉じました。

    ヴェネツィアのきらびやかな中世の衣裳をまとうスタイルとは違って、

    こちらは庶民の味方とでもいいましょうか。

    色とりどりの山車そしてその先頭集団が音楽にのり、

    各グループ毎のテーマカラーに合わせたコスチュームで踊ったり笑ったり。

    2月の寒空の中、一際鮮やかな色が目をひきます。

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    小さな町で、今年も開かれたカーニヴァル!

    1800年代にはすでにこういう形のカーニヴァルの歴史が始まっっていたというのですから、

    やっぱり「祭り好き」のイタリア人です。

     

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    「泣く子はいねえかぁ?」ってそれは秋田のなまはげでしたっけ。

    馬の調教が盛んな町なのでしょうか。

    お姫様スタイルの可愛い子どもとにらめっこ。

     

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    カメラを向けるとすぐにポーズを取ってくれるのは、さすが慣れたもんです。

     

    あれっ?もしかしたら、、、?

    山車には「特別な蛇口」が設置(上手に目立たないように)されていて、

    それをひねればワインが出てきます。

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    ご注意!これはスタッフ用で、勿論、沿道の人に配る訳ではありません。

     

    自由の女神が二人?!

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    口をあけてうっかり笑っていると、バサッと “コリアンドロの襲撃” にやられます。

    コリアンドロは紙吹雪のことで、スーパーや文房具屋さんで売られていて、

    カーニヴァルがある日は、町の広場でも買い求めることが出来ます。

    これが子ども達の一番の楽しみ!

    「いいか、今度はあのあたりに投げるんだぞ!」

    なんてお兄ちゃんが妹にけしかけているんでしょうか。

    衣裳とお揃いのバッグにはコリアンドロがタップリ入っています。

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    コリアンドロは山車から勢い良く、空高く舞い上がることも!

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    イタリアでは縁起物のてんとう虫。

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    紙張り子で作られた山車の上で手足を動かし、

    カーニバルでは主役となる道化師でいっぱいの山車。

    山車のカーニヴァルは芸術がギュウギュウ詰まった、玉手箱のようです。

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  3. イカすテーマパーク!

    2018年2月8日るりこさんのItaly便り

    68回を迎えるサンレモ音楽祭が6(火曜日)から始まって、

    来週にはバレンタインデーも控えているし、

    ヴェネツィアを始めイタリア各地ではカーニバルが開催されているし、

    立春が過ぎて土の中でウズウズしている虫のように、

    イタリア国民もウズウズ、ソワソワしています。

    あそこの馬がいるお宅のいちじくの枝先には、蕾が芽を出していました。

    「あっ、日本だと立春なんだな。」と古里を思い出したわけですが、

    イタリアでは22日のことをこんな風に表現します:

    「この日で冬はおしまい。でも当日、雨か風ならばまだまだ冬は終わらない」。

    三寒四温を繰り返しながら春はやって来るわけですが、

    似たような言い伝えや風習があるのは、とても興味深いところです。

    いちじくと言えば、先日、ボローニャ郊外「FICO」へ行って来ました。

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    ボローニャ中央駅前から無料シャトルバスが出ているので、便利です。

    ゆっくりとしたペースでバスに揺られること15分、「FICO」に着きます。

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    イタリア語で “イタリアの農家と生産者”の言葉から各々の頭文字を取って名付けたのだそう、

    それを訳せばまさに 果物の”いちじく” であり、

    また流行に敏感で”イカス/カッコイイ”という意味もあり、

    命名にも創始者の心意気が感じられます。

    まさに”農業と食のテーマパーク”。

    きちんと造られた、イタリアの食を楽しめる由緒正しい広大な ‘施設’です。

    10ヘクタールの広い敷地には、150社もの企業や団体が集結して

    商品の販売のみにとどまらず、例えばビール会社であれば施設内にビール工場を併設したり、

    モッツァレッラの会社であれば、その製造過程を間近かで見学することが可能だったり、

    あのモルタデッラのタコ糸で縛る興味しんしんの作業も楽しめると言う訳です。

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    ここは人の山!

    大人も子どももガラス窓に鼻をピッタンコして、貼り付くように見学します。

    こういうのは、見ていてあきないんですよね。

    よくテレビ番組では、タコ紐で肉を縛るシーンが出てきますが、

    いちいち紐を切らずに、最後までたった1本の紐でしばりあげるのは、

    プロでも中々至難の業!

    ですから、入場者の目は釘付けなのです。

     

    他にも、1,000人も収容出来る会議室、

    高級レストランから伝統料理を提供するレストラン、

    気軽に楽しめるストリートフード、200頭の家畜、

    ビーチバレーが出来るコートやスポーツカーランボルギーニのイメージ画像、

    と想像を遥かに越えるスケールで、福袋の中にまた福袋が入っているような、

    贅沢なお楽しみがギュっと詰まっています。

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    爽やかなミントグリーンのビアンキの自転車は、誰でもレンタルできます。

    木製の篭には買いたいものを入れて。

    楽ちん楽ちん。

    チリンチリーン。

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    ビスケットの製造過程

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    料理好きに嬉しい、食器や調理器具の店もあります。

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    歩き疲れたら、バールで休憩したり、本屋さんに寄ったり。

    ルンルンショッピングのお会計のレジを出ると

    そこには郵便局PosteItalianeが “待ち構えて”います。

    イタリア国内は勿論、海外への発送も勿論可能というわけ!

    ほほう、中々やりますね!

    ちゃあんと計算されているではありませんか。

    確かにねぇ、場内をずっと歩いて見て回ったら、あの干したいちじくとか、

    料理のレシピ本とか、一度は飲んでみたいあのワインとか

    買い物篭がいっぱいになってしまいますから。

    ショッピングの後は、荷物を預けてもう一周りしたくなりますよ、きっと。

    一度、創始者のインタビューとかしてみたいですね~。

    どんな風にこのアイディアが生まれたのか、どう苦労したのか、

    想像しただけで心が踊ります。


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