遥か遠い昔はここが海だったのか?と半信半疑で車で下界から徐々に登って行くと、
別名「青ざめた山」と呼ばれるように、時折白っぽくもあるゴツゴツした岩肌が
目の前に襲いかかってくるように、不気味な様相、しかしそれが朝日を浴びながら
山の開けた所まで上がっていくとそこはまるで別世界
目指すは、2009年6月26日に世界遺産に登録されたDolomiti / ドロミーティの山々。
下界から眺めるととてつもなく高い山々だったのが、とても間近に見える程近い高さまで登ってきました。
ウォーキングは好きだし、途中までは車だったので、後は楽勝と思っていたら大間違い!
下から見上げた時とは違って、以外と傾斜が急なのです。
飼い主をグイグイ引っ張って登って行く犬も沢山います。
牛達が牧草を食べている間もちょっと失礼させていただいて
途中休み休み振り返って、サッソルンゴを見ては励ましながら辿り着いたのは、
標高2440mに位置するその名も「アルプスヒュッテ」と呼ばれる山小屋。
イタリア語でRifugio/リフージョと言うのですが、面白いことに「心の支え」という意味もあるそうで、
確かにそこで飲んだビールは心身の支えとなるくらいに美味しかったのであります
(随分、都合の良い解釈の仕方です)。
自分で自分を褒めてあげたいくらいの達成感、と思っていたのも束の間、
3才ぐらいの女の子が手をひかれて一生懸命登ってきたのを見て、姿勢を正す思いでした。
小さい子供達も結構登っているんですよ、こっちがしっかりしなきゃと勇気づけられます。
私達の更に高い所をカラフルなパラグライダーがすぅーっと飛んで行きます。
山小屋の外のテラスでは、長椅子に足を伸ばして日光浴をする人や、
ドロミーテイ全体の地図を見ながら、今歩いて来た道を確認し一望千里の眺めを楽しむ人、
皆思い思いにリラックスしています。
自信がついた私達は、翌日Pordoi/ポルドイ山へ。
軽やかに走って行くケーブルカーを横目で見ながら、
私達は歩いて遂に山小屋「フォルチェッラポルドイ/2848m」に到着!
山小屋の裏手にはまだ残雪があって、空気は冷たかったなぁ。
たかだか1度や2度、トレッキングをしたくらいで大きな事は言えないけれど、
確かに偉大な自然が教えてくれることは沢山あります。
牛の糞を見て、自然の中で育った牛肉を食べたり
牛乳が飲める事や、厳しい自然環境の中でも働く人々に感謝したり、
絶壁にある戦争の爪痕の穴を見て、世界大戦時代に辛い思いをした人達が沢山いたんだろう、
今、この地球に生きている私達はなんて恵まれているんだろう、
だから小さなことでも自分に出来ることは頑張ろうとか。
ミラノ博には、ポルドイ山も位置するトレンティーノ地方のブースがあります。
ここにはとても急な木造りの特設の階段があって、ミニミニ登山を体験出来ます。
中々、トレンティーノらしさが出ています。
本当に勾配が急なので、少しの階段でも息があがります。
こちらは、産地のものをパニーニにしたもの。
生ハムになるものをちょっと燻製にした香り高いスペックの薄切り、トローリ熔けたチーズ、
そしてこれを支えるのは脇役でも主役の座さえ射止める、
クミン入りのライ麦の色が浅黒い田舎風パン。