白いハナミズキが満開です。
我先と争うかのようにあやめも稟としてすっと咲いています。
おととい通った時はまだ、たらの芽のように閉じていた木々の葉も
今日通ったら体いっぱい広げて目にも鮮やかな緑色に大きくなっていたり、
この季節は小さな気づきに喜びを感じます。
バイクで出かけるいい季節になりました。
という訳でモンセーリチェ/Monseliceへ。
人口1万8千人の町、パドヴァ県/Padovaの南に位置する “石の採掘”という意味の
地名紀元後8世紀にエッゼリーノ三世によって建てられたお城の見学、
入口脇でチケットを購入すると常駐しているガイドさんが、
タイムスケジュールに従って各グループを案内してくれます。
お城の中に一歩入るとそこは暗~くて冷んやりした空気が漂って
それだけで当時の雰囲気を醸し出します。
中世紀にカッラレーズィ家によって改修され、その後ヴェネツィアの貴族マルチェッロ氏の住居となりそして、
1942年にはヴィットーリオ チーニ伯爵によって博物館とされました。
彼の莫大な経済力のおかげでイタリアのみならずヨーロッパ各地から取り寄せた
防具や鉄砲のコレクションが整然と展示されています。
象牙に彫られた女性用のもあります。
その当時から保存されているサロンの絨毯、
「皆さん、踏まないように気をつけて下さいね~。」
ガイドさんの注意もつかの間、上を見上げると天井にはまるで動物図鑑のように
見事に描かれた数々の鳥や動物の絵は何と200以上にも及ぶそうです。
一際目をひいたのはサロンの暖炉、装飾が面白いです。
絵葉書が売られています。
台所に入るとそれはそれは大きなかまどがどっしりと陣取っています。
ガイドさんの説明によれば串刺しにして大きな動物も丸ごと一頭調理していたそう、
上下にも上げ下ろしが出来る工夫もなされていたのです。
脇にはパンや小麦粉を保存する木製のストッカーもありました。
館内は残念ながら写真撮影禁止なのですが、唯一撮影可能な中庭、
元以前の所有者ヴェネツィア人の貴族が有したいた面影を残すそこには井戸があり、
ヴェネツィアを散策するとあちこちに見かけるものと同じ形、
やはり生まれ育った土地を忘れられずわざわざ職人に作らせたそう、
その中庭から見える裏山は削り取られて変な形をしているのですがそれはお城の元所有者の仕業だそう、
ヴェネツィアのサンマルコ広場の60%の地面舗装は何とこの山から削りとられた土を
実際に使用したものだそうで驚きです!
歴史を刻んだ舗道に沿って数十メートル毎に7つの小さな礼拝堂を通り過ぎて
ゆっくりと歩いて丘を登って行くと、そこからは一望にパダーノ平野が見渡せることが出来て、
その眺めはまた格別です。