エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリーのルポ


Reportage


  1. 古本とポルティコ

    2018年1月17日るりこさんのItaly便り

    1月の北イタリアの朝の天気予報は、霧のマークの日が続きます。

    新作映画のプロモーションで女優のメリルストリープさんと一緒に、

    イタリアを訪れていた俳優のトムハンクスさんは、一昨日のテレビ番組で、

    「ミラノは辺り中霧ばっかりだね。」などとぼやいていました。

    ミラノは勿論、北イタリアの冬は確かに霧の日が多い!

    いやいや、美味しいワインのためのおいしい葡萄作りには、

    この霧も欠かせない要素の一つだそうですから、

    お天気さんには余り文句も言えないところです。

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    さて、以前に何度か電車では通過したのみで、

    一度はゆっくりと町歩きをしてみたかったボローニャ / Bolognaに行って来ました。

    エミリアロマーニャ州の州都で、人口は約39万人、イタリア国内では7番目に大きい都市。

    ボローニャには歴史ある有数の大学があるため、「学生の町」とも言われています。

    1041年に設立された、ヨーロッパで一番古いと言われる、有名なボローニャ大学があります。

    ボローニャは “本の町”とも言われるだけあって、

    街の中を歩くと至る所に古本屋さんがあり、そこに住む人達は足を止めて、

    「フフン、これは前に読んだっけ?」等と品定めをしている様子。

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    紀元前1000年にこの町が生まれたそうですが、

    町の中心街だけでも、38キロメートルに渡ってポルティコが延々と続いています。

    まさに “ポルティコの町”というまた別の名がつけられています。

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    写真のようにひしめき合う建物を正面から見るとアーチ状になっていて、

    その丁度下に立って上を見上げると、天井がフラットではなくて、

    円を描くようにやわらかい線状のデザインになっています。

    それがずうっと町中に続いているのですから、

    歩くだけでも何世紀も前の貴婦人にでもなったかの錯覚をおこしてしまいそうです

    (でも、もう少しエレガントに歩かないとね)。

    ボローニャへ来たら必ず訪れるべき、マッジョーレ広場 / Piazza Maggiore、

    そしてそこに堂々とそびえ建つパラッツォダックールズィオ/ Palazzo D’Accursio。

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    この広場にはたくさんのバールが取り囲んでいるので、是非カッフェするのをお奨めしますよ。

    昼間からビールでもいいし、グラス一杯のプロセッコでも。

    疲れていたら、エスプレッソと甘いものでも。

    そこでエネルギー補給をした後は、旧市街を一望出来る、いや、正くはグルリと見渡せば

    視界の270度位、眺望を楽しむことが出来る「展望台」に向かいましょう。

    Basilica di S.Petronioの裏側にあります。

    大阪の梅田にあるロマンティックなあれを想像しないでくださいね。

    “迫力満点な”エレベーターに乗って、とにかく、上まで着きますから、ご心配無く。

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    写真の中央、右よりに見える二つの塔、こちらが中でも有名なものです。

    一つがもう一つに寄りかかるように傾斜しています。

    ガリセンダとアズィネッラ塔 / Garisenda & Asinelliです。

    上から眺めた後は是非、徒歩でその下まで散策し、これらの塔を下から見上げてください。

    迫力ありますよ!

    1200年代から1300年代にかけて、旧市街には約100にも上る塔が

    建築されたと言うのですから、これは驚きです。

    ここでもう一つ注意したいのは、奥に見える白い4つの建築物は、

    日本の建築家故丹下健三氏が設計したものだそうです。

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    ボローニャは、また、ハム(プロシュット)やサラミ類が有名で、

    これらを具とした詰め物のパスタ、トルテッリーニの店が点在しています。

    ピカピカに磨かれたウインドーの奥に綺麗に並べられたそれは、

    まるで小さな宝石のようです。

    勿論、世界中の人に愛されるボロネーゼソースはここが発祥の地。

    マッシモはトルテッリーニを、私はタリアテッレのボロネーゼソースをいただきましたよ。

    いや~、大き目の挽き肉がゴロゴロ入っていて濃い目に味付けされたソースが

    よく手打ちパスタとからんでホッペが落ちそうでした。

    勿論ワインはアンブルスコで。

    これは赤ワインでちょっとシュワシュワしている甘味が特徴、

    このシュワシュワ感がお口の中の脂肪分をスッキリと流してくれるそうです。

    ま~この日もよく歩きました。また行きたいな、ボローニャ。

    www.bolognawelcome.com/

  2. こりゃ春から縁起がいいわい

    2018年1月9日るりこさんのItaly便り

    明けましておめでとうございます。

    今年は、どのように新年を迎えられましたか?

    「一年の計は元旦にあり」という諺や、それに伴う習慣はイタリアにはありませんが、

    似たような言い伝えや風習がたくさんあって、

    以外なことに、縁起物にこだわるイタリア人も多いようです。

    さて、イタリアの年越しには、どんな縁起物があるのでしょうか。

     

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    ヴィスキオ:家族や友人、愛のある、また心の通じ合う者同士がちょうど午前0時を過ぎた時に、

    ヴィスキオの下でキスをすると、その関係は更にいい関係へ持続すると。

    様々な伝説がありますが、厳しい冬の寒いこの時期に白く美しい実をつけることから、

    “未来が明るい象徴”とも言われて今に至るとも。

    真珠のようなその色は、本当に上品です。

     

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    赤い下着:それは女性用ばかりでなく男性用も。

    発祥は中国と。

    これもマルコポーロが持ち帰ったお土産か?!

    年越し用に新しいのを準備して、年明けにはそれを捨てるのです。

     

    ザクロ:実りや豊沃を意味します。

    ザクロを絞ったジュースをプロセッコに入れてアペリティーヴォにしたり、リゾットにしたり。

    あの真っ赤な色も年越しには欠かせません。

    そう言えば、このクリスマスバカンスの期間中、”イタリアの母”の家に昼食に招待されたのですが、

    パンチェッタでくるんで表面をこんがり焼いた七面鳥に、庭で採れたザクロでジュースを絞り、

    それを何度も何度も肉の上にかけながら蒸し焼きにしたのをいただきました。

    幸運がこの料理にしみ込んでいるわけで、この家族流のお·も·て·な·しの心を感じました。

     

    大昔、収獲されたレンズ豆は、皮の袋に入れてお金と交換されたことから、

    年明けの晩餐にレンズ豆を食べると金運が上がる、とそんな習慣は今でも残っています。

    日本でもお正月には、お節料理に入った黒豆を食べる習慣がありますね。

    遠く離れていても、似たような風習があるのはとても興味深いところです。

     

    葡萄も縁起の良い食べ物です。

    葡萄には、蛋白質、ビタミンA·B·Cが含まれ、その上解毒作用や浄化作用がある。

    ナニナニおまけにコレステロール値を下げる、、、あらら、失礼!

    今は縁起物のお話をしていたところでした。

    健康に良くて縁起物ときたら、食べないわけにはいきません。

     

    「大騒音をあげる!」これは、悪霊を遠ざけるためだそうで、

    爆音を立てて空高くあがる花火や爆竹がその代表です。

    これでもか、これでもかと遠くの町の空の花火も、近くの公園で若者がやっている爆竹も

    全ていい一年を迎えるためのものです。

    11日の午前0時を待ちきれない近所の少年達は、大晦日の夕方5時頃から友人達と集まって

    バンバン!!とやっている音が聞こえてきます

     

    古い物を2階から1階へ古いものを投げて壊す、使い古した皿等がそのいい例で、

    ヴェローナで年越しをした時、レストランのオーナーが時計が0時を回った瞬間外へ飛び出して、

    思い切り皿を地面に叩きつけていましたっけ。

    何だかスカッとしそうです。

    是非一度は試したいものです!!!

     

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    16日のベファーナまで、街中のデコレーションやイルミネーションはそのまま飾られてあります。

    しかし、6日でクリスマスバカンスはお開きとなって、いつもの生活が戻って来ます。

     

    2018年が皆さまにとって、健やかで晴れやかな一年でありますように。

     

  3. ちょいと小話 クリスマス前とその後

    2017年12月28日るりこさんのItaly便り

    その1

    クリスマス翌日、あるお宅の前を通った時、玄関からお父さんと出てきた子どもは、

    手にリモコンを持って、まだぎこちなく、模型の小型4輪駆動車を操作していました。

    どうやら昨晩、サンタさんがプレゼントしてくれたようです。

    近頃はイタリアでも日曜祭日営業のスーパーマーケットが増えてきましたが、

    さすがにクリスマスの25日とサントステーファノの26日は休業日でした。

    やはりイタリア人にとって、クリスマスは一年で一番大切な行事なのです。

    24日の朝、買い忘れたものや休暇中、ワイン不足に困らないように(?)

    買いものへ出掛けたのですが、魚売場は特に人だかりでした。

    イタリアでは、クリスマスイヴの日は肉を食べず、

    魚や魚介類を食べる習慣があるためです。

    クリスマスに近い週末の土曜日でもなく、

    12月25日当日に、クリスマスのお祝いを昼食会でするのがイタリア流。

    それは家族や親戚が集まって食べて飲んで御喋りして、

    そしてプレゼント交換するという極シンプルなスタイルはいつの時代も変わりません。

    レストランで会食するファミリーもいるようですが、多くは本来の形で。

     

    その2

    ちょっと用事があって、前回日本文化教室の授業でおじゃました小学校へ行ってきました。

    クリスマスの2日前、しかもクリスマスバカンス前の終業式の日だけあって

    教室の中は幸せムードそして子ども達の熱気とが合わさって、

    物凄くエネルギッシュでした。

    会話の後の質問コーナーではある生徒が、私にこんな質問をしてきました。

    「ルリコハ、サンタサンニ、プレゼントヲ オネガイスル、オテガミカキマシタカ?」と。

    私、「ソウネエ、コンバン、カクツモリヨ。

    “イタリアゴガ、モット、ジョウズニ、ナリマスヨウニ”ト、カクワ。」

    と言ったらすかさず、

    「ジャアボクタチガ、ルリコヲ、テツダッテアゲルヨ!!」

    ですって!

    もう感動で目頭が熱くなってしまいましたよ、ホントに。

    ここは、思っていることをその2倍以上も膨らませて表現するのが得意な人が多い国ですが、

    そんな事をわかっていてもやっぱり可愛い子ども達がそんな風に言ってくれるのは、

    とても嬉しいものです。

     

    その3

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    25日のクリスマスの昼食会には、プリモピアット前の

    ちょっと軽いおつまみ用に、3種類作って持参しました。

    そのうちの一つは簡単で誰でも出来るのでお奨めです。

    モルタデッラ(なければハムを)をダイス状にカットして、

    他に大きなオリーヴとプチトマトを準備し

    モルタデッラ→オリーヴ→プチトマト→モルタデッラの順に串に刺して出来あがり!

    見た目もパーティー向きでプロセッコに良く合うのですよ!

    串に刺すこの順番を守って下さいね。

    モルタデッラは塩気が大夫強いので、

    それを食べた直後ははプロセッコをグイっと飲むわけです。

    そしてプチトマトでお口を爽やかにした後で今度はオリーヴをパクリと。

    ここでまたプロセッコをキリッといきましたら最後のモルタデッラを。

    勿論、ビールでもワインでも!

    日本ですと、お正月には人が集まりますからね、ちょちょいと出来ていいですよ。

    お試しください。

     

    その4

    今年のクリスマスは月曜日でしたから、いつもなら日曜日と月曜日が連休の美容院は、

    今年はちょっと違ったようです。

    行きつけの美容院のオーナー、ラウラさんは

    「イツモナラ、ニチヨウビハ、キュウギョウナンダケド、

    コンカイハクリスマスノ25ニチがゲツヨウビダカラ、

    24ッカ(ニチヨウビ)ノゴゼンチュウダケ、アケルノヨ」と。

    そうでしたそうでした!

    何かにつけては美容院へ行って、更に女を磨くイタリア女性!

    クリスマスとくれば尚更のこと、より一層美しくなくてはいけませんから、

    シャンプー&ブローのお客の予約でいっぱいのようでしたよ。

     

    その5

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    日本ですと、商店街や街の中は、クリスマスの翌日は一斉に

    クリスマスのものが視界から消え去り、お正月の準備が始まりますが、

    イタリアはそうではありません。

    25日はクリスマスでイタリアは祭日、今日26日はサントステーファノで祭日、

    これから1月6日のベファーナまでまったりとした時間が過ぎて行きます。

    学校関係や一般企業は、12月23日土曜日から1月6日のベファーナまでクリスマスバカンスです。

    今回1月7日は日曜日ですからそれプラス1日となるわけです。

     

    そして最後

    ついさっきまで、6月に結婚した例の友人夫婦におじゃましてきたところです。

    そこでもね、プロセッコとパネットーネをご馳走になってきましたよ。

    こんなパターンが1月6日までずっと続くのですから、たまりません(笑)。

    日本の年始回りと似ていますね。

    それが、もっと気軽なスタイルとなって、友人宅を訪問する機会が増えるわけです。

    我が家の玄関には、伯父さん夫婦にいただいた、

    イタリア語で「クリスマスの星」という意味のポインセチアを飾りました。

    本格的な冬がやって来ます。

     

    今年もつたないブログを読んで下さった皆さまに、心より感謝いたします。

    皆さまと皆さまの大切な方、ご家族のがご健康で幸せで

    新しい年を迎えられますよう、お祈りいたします。

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  4. サンタさんはヴェスパに乗ってやって来る

    2017年12月13日るりこさんのItaly便り

    今朝のテレビニュースでは久しぶりにホットな話題がオンエアされていました!

    “ナポリピザ”がユネスコの無形文化遺産に登録されたそうです!

    おめでとうございます!!!

    イタリア時間で今朝(2017年12月7日午前4時30分) 関係者に通知されたとのこと。

    2013年に同じく登録された日本の和食の時と同様、

    まるで自分もこの登録に関わってきたかのように、やっぱり嬉しいものです。

    数年かけて登録に向けて準備をして来た、最近頻繁にテレビで活躍なさっているジーノさん始め、

    関係各位の皆さまには心から「ありがとう」と言いたいです(勿論、面識はありませんが)。

    そんな訳で、週末はピザ屋さんが益々混雑しそうですよ。

    エスップレッソコーヒー、スパゲッティ、カップッチーノ、そしてピザ

    どれも世界中の人から愛されるイタリアの代名詞とも言える食文化。

    イタリアにやって来る観光客のお目当てでもあります。

    今回のナポリピザは、イタリア国内では7番目となる無形文化遺産です。

    ご近所の人とピザを食べに行くのも、この時期の習慣となり、

    12月のカレンダーも食事会の予定で徐々に埋まってきました。

    日本は御歳暮の時期でもありますね。

    日本語講座の生徒さんとの「忘年会」では、プレゼント交換をすることにしています。

    イタリアと日本の文化の融合とでもいいましょうか(ちょっと大袈裟です)。

    クリスマスプレゼントは何がいいかなぁ、、、。

    ピン!と心に響いたものは買っておきました。

    用事があって出かける時は、お店のショーウインドーのチェックは欠かせません。

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    昼間であっても夜であっても、キョロキョロそしてズームアップ!

    それほど大きくはない町のお店だって、

    ショーウインドーのデコレーションには気を配ります。

    そこがイタリアの魅力の一つでもあります。

    外食の後はウインドーショッピングをする人が沢山いるからです。

    既に店は閉まっていても、ピカピカに磨かれたウインドーにゴッツンコするぐらい

    近くまで寄って「品定め」して、「SOLD OUT」になる前に翌日にでも店に駆けつけ、

    「昨晩、ショーウインドーで見たあの赤いマフラーが欲しいんですけど。」とやるわけです。

    郷に入れば郷に従えと言いますが、これも多くのイタリア人、特に女性に教わったことです(笑)。

    万が一ショーウインドーが変わっていたらそれこそ焦りもの!

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    クリスマスに無くてはならない、パンドーロ。

    随分と大きいサイズのそれは素敵なラッピング紙で包まれて。

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    ちょっとさりげない飾り付け。

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    こちらはトレヴィーゾ / Trevisoにある通称「クリスマスの店」(主人とこう呼んでいます)。

    一年中、クリスマスに関する小物やオルゴールが売られているのです。

    見てください!

    大人の方が多いでしょう(笑)?!

    もう本当にウットリしちゃうんです。

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    素敵なブティックのウインドーはゴールドで色遊び。

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    私達が勝手に決めた今年の “ショーウインドー大賞”はこちら!

    サンタさんがチョイト体をねじらせて、いかにも大急ぎでプレゼントを届けに行く途中、

    いや、急いでスキー場へ向かっているその姿は何とも微笑ましいではありませんか。

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    余りに素敵過ぎるので、横からも。

    BUON NATALE!!

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    ZARINA

  5. イタリア便り

    2017年11月8日るりこさんのItaly便り

    今朝、遠くに見える山々に今年二度目の冠雪が確認出来ました。

    近所のポプラの木々も葉を紅葉しながらも、向うの景色が見える程になってきました。

    11月1日は諸聖人の日で国民の祝日です。

    カレンダーには、毎日その日の聖人の名前が記されているわけですが、

    11月1日は全ての聖人のためのお祝いの日です。

    家族や親戚が集まって昼食会を開き、御喋りしながらゆっくりと食事して

    それからお墓参りに行ったり、ミサに行くというのが伝統的なこの日の過ごし方です。

    私達は今年も昼食会にお呼ばれしてきました。

    この季節、特別な食事会があるというと必ずといっていい程、ポレンタとウゼイが登場します。

    ポレンタはとうもろこしを挽いた色も鮮やかな粒があらく黄色い粉、

    これを蕎麦がきを作るようにかき混ぜてから練っていく、主食です。

    カットしたチーズをのせると自然にとけてそれがまた美味!

    茸のソテーや煮込んだ肉と食べたり、干鱈料理のバカラーと一緒だとこれまた格別です。

    つきたての餅が固まるように、クリーム状に仕上ったポレンタは時間がたつと固まります。

    寒くなってくると特にこのポレンタが北イタリアの食卓には欠かせなくなります。

    お腹からじわじわ~っと、体の芯まで温まるのです。

    ウゼイは方言で、イタリア語ではウッチェッリ、鳥類のことを意味します。

    「あら、ライトな食事ね。」とお思いの方、それは大間違いです(笑)。

    本格的に調理出来る暖炉がある家庭におじゃますると、

    「えっ?!一体これは何十人分の肉?」と目を見張るばかりの大量の豚肉と

    狩猟された鳥が串に刺されてグルグル回して焼かれるのです。

    そこからしたたり落ちる肉類の脂分は、

    調理して一度固められカットされたポレンタに染み込んでそれがまた癖になる味!

    このヘビーな料理はやはり男性軍に軍配があがります。

    ちなみに、このように調理されたポレンタは方言で “ポレンタオンタ “といいます。

    ‘オンタ’は方言で汚れたという意味’滴り落ちた肉の脂で汚れた’というわけです 。

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    こちらは、アウレリオ叔父さん宅でいただいた鶉(うずら)ちゃんです。

    足の部分が何ともリアルです。

    私は試しに何でも食べてみる方なのですが、何年か前、

    鳥の胸の部分だと思ってフォークで突き刺したら、ちょうどそれが頭の部分。

    それを知らずに無意識でフォークを持ち上げて、悲鳴をあげたのを覚えています。

    皆なは大笑いで、私一人だけが冷や汗をかいていましたっけ。

    一緒に皿にのっている黄色いのが、ポレンタオンタです。

    この日は、お墓前の敷地にはテントを張った一日限定焼き栗屋さんが店を構えます。

    いつもなら祭日は閉まっている八百屋の若女将さんは、

    「これは昔からの伝統なのよ~。」と、朝から焼き栗の準備に大忙しです。

    どの町を車で通ってもよく見かける、この日ならではの光景で、

    これを見ると何となく心がなごみます。

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    エスプレッソコーヒーの前はドルチェ!

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    この中にも、この日のお祝いに欠かせないものがあります。

    ピンサというお菓子で、これにもポレンタが使われています。

    皆さんの地方では、どんな美味しい伝統料理がありますか?

    ZARINA


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