エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. お別れの季節

    2018年3月28日るりこさんのItaly便り

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    「あっ、そうだ!」と思い出して駆けつけたら、すでに葉っぱが出ていました。

    確信がないけれど、どうも桜の仲間のような気がします。

    今年はちょっと遅くなっての “再会”でしたが、

    花が散る前に、何とか見ることが出来ました。

    束の間の お花見です。

    「マドンナの青い目」と呼ばれるつゆ草が一面に咲いているところは、

    遠くから眺めると真っ青で、空の青さがまるで鏡のように反射しているようです。

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    もうすぐパスクワ(復活祭)を迎えるので、街のお菓子さんのショーウインドーは、

    パスクワの象徴である卵型のチョコレートがエレガントなパッケージに身を包み、

    お客様を出迎えます。

     

    3月最後の日曜日、25日から夏時間となりました。

    よって、イタリアと日本の時差は7時間です。

    ここ数日、日中の気温も上がってすっかり春の陽気です。

    青空マーケットのタオル屋さんのディスプレーが素敵です。

    まるで、ピンクのワンピースのようでしょう?

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    別れと出会いが交差するこの季節に咲く桜は、日本の象徴ですが、

    この季節のシンボルの花といえば、イタリアではミモザ。

    黄色は元気が出る色、ようやく暖かくなってくると咲く、

    イタリアの春の象徴。色鮮やかなミモザの花が満開です。

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    北イタリアでは10月が卒業シーズンらしいのですが、

    「季節はずれ」の卒業生も、割と多いのです。

    ご承知の通り、イタリアの大学は一般的には、入学はスムーズで卒業が困難。

    ですから、高等学校も大学も一旦入学したものの、

    「あれっ?この学科自分が考えていたのとちょっと違うなあ。

    私はもっと他のことを学びたいのよ」

    という若者が結構いて、学校を変えるのはごく普通のことです。

    とんとん拍子に卒業する若者もいれば、

    何年もかかってようやく卒業する大人もいてそれは様々。

    ヴェネト州では、大学を卒業した人をお祝いするのに欠かせないものがあります。

    それは「パピロ」と呼ばれるもの。

    パピロは卒業する個人の学生に向けて、

    その友人達が用意するイラスト入りのポスター、とでもいいましょうか。

    これが実にユニークでどれも個性的。

    生い立ちから学生生活での裏話など、

    「えっ?!こんなことまでバラしてもいいの~?」

    という内容まで書かれていることもあります。

    縦1メートル、横70センチの紙には、卒業した本人の名前、

    卒業した大学名、成績点数等真面目なことから、

    例えば10年かかって晴れて卒業した人には、

    「10年も勉学にいそしんでいたなんて、よっぽどなガリ勉」などと、

    友人達からのふざけたメッセージも一緒に書きこまれていたりして、

    これが結構面白いのです。

    このパピロの歴史は驚いたことに、16世紀までさかのぼるそう。

    その昔は、地元の住民が見守る中、このパピロが大声で読み上げられ、

    「このお方が、わしらの将来のお医者さまだぞう~!」等と、

    それはそれは町あげてのお祝い事だったそうです。

    現代のパピロの儀式は悪ふざけが入っているので、

    昔の格式高い儀式であった時代のご先祖様が見たら、

    きっと「コラッ、何やっちょる!」とおしかりがあるに違いありません(笑)。

    卒業した当日、大学がある町の中心で本人を友人や両親が取り囲み、

    そして一般の通行人が行き交う中、友人達に用意されたパピロを、

    卒業した本人が大声で読みあげなければいけません。

    書いてある内容は本人には知らされていないのでもうドキドキものです。

    とにかく全文を読みあげなければならないので、

    その内容が気恥しいものだろうが何だろうが、正に「公演」状態なのです。

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    そうして、無事読みあげられたパピロは、その卒業した本人が住む町の図書館前や、

    アーケード街に張り出されます。

    そんなパピロが町中に張り出されるので、その人を知らなくてもそれを読んだ後は、

    なんだか自分の親戚が卒業したような気持ちになってくるから、不思議です。

     

    さて、実は今回のブログは最終回となりました。

    6年間、これまでおつきあいいただいた皆様に心から感謝いたします。

    「下手くそな文章だけど、何か面白いな」

    「読んでいると元気が出てくるなあ」

    と読んでもらえたら嬉しいなあ、などと思いながらいつも書いておりました。

    余り頑張り過ぎずに、疲れたなぁと思ったらエスプレッソでちょっと一息。

    人生を謳歌するのが上手なイタリア人、そんなかれらをちょっと見習ってみませんか。

    皆様が御健やかで、笑顔いっぱいの素敵な人生を楽しまれますことを、

    心からお祈り申し上げます。

    またいつか、どこかでお会いする日まで、Arrivederci!!!

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  2. 惜しげもなく並々と

    2018年2月28日るりこさんのItaly便り

    玉葱を忘れずに!

    この季節は日中の気温がぐっと上がって、「本格的な春だ!」と

    思わせるような陽気になるので、どうも薄着をしがち。

    でもここはイタリア人を見習って、上手に重ね着をしましょう!

    そうです、例の「玉葱ルック」。

    ウールの薄手のものも取り入れながら、重ね着をするのです。

    ウールと言えば、羊さん。

    先日ウォーキング途中で、ラッキーなことに、羊軍団と遭遇しました。

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    鳴き声もさまざま。

    「ベエー」という太くたくましい声もあれば、子羊の鳴き声はひ弱で可愛いらしい。

    カメラ目線を送ってくるカップルの羊。

    いや~、こういう風景和みます。

    大好きです。横浜に住む都会っ子の友人は、以前のブログの牛の写真を見て、

    「うらやまし~、こういうの見たことない~!」と

    興奮気味でメッセージを送ってくれました。

    牛舎や建物の中の家畜ではなく、解放感あふれる太陽の下で

    日光浴をしたり餌を食べたりするのは、さぞかし気持ちのいいことでしょう。

    自然に囲まれて食べると、私達人間と一緒で、

    羊だって太陽の下では食欲が増進するに違いありません。

    「食べる」ことは人生の楽しみの一つでもあります。

    我々と同じ食いしん坊の日本の友人から、メッセージがありました。

    「で?あのFICOというところでは何を食べたの?」と。

    アララ、うっかり “ご報告” を忘れておりました。

     

    私達が選んだそこは、田舎風伝統的トラットリア。

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    洗煉されたお洒落な店も好きだけれど

    昔ながらのスタイルが残るこういうのも中々味わい深いのです。

    「昔ながらのやり方、茶わんでランブルスコを提供しております!」

    ここで食べることにしたのは、実はこの看板に魅かれたからです。

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    品良く言えばカフェオレボール、日本語らしく言えば丼型の器で飲むワイン、

    ランブルスコは、発泡性のほんのり甘みのある赤で、この葡萄品種の歴史は古く、

    古代ローマ時代までさかのぼるそうです。

    その時代は、今のようにきちんと整備された葡萄畑で育てたわけではなく

    野生品種として自生していたといいます。

    ルビー色をした、発泡性ながらも深い味わいのあるランブルスコ、

    塩気があるハム類と合わせるからこそ、少し甘口でなければいけないのか、なるほどね。

    アルコール度数は低め、爽やかな味わいの赤ワインです。

    カメリエーラのお姉さんが真新しいボトルを目の前で開封し、

    惜しげもなく並々と “どんぶり”に注いでくれました。

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    クラシックなトラットリアスタイルは、再生紙のような材質で出来た

    ランチョンマットとフォーク&ナイフが入った袋そして分厚い素材の皿。

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    極上のシンプルなスタイル。

     

    生ハムは色々あれど、ここはやっぱり「クラテッロ ディ ズィベッロ」を注文。

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    生ハム類と一緒に食べると美味しいと言う名物の ‘揚げパン’は、残念ながら準備中。

    またそれを食べに出かける言い訳が出来ました。

    皆さん、何か食べそこなった事ありませんか?

    その時は「もう~!」と頭から火を吹かずに、

    「きっと又戻っておいでよ。」というサインだな、

    とゆったり構えて次回のお楽しみにしましょう。

  3. 見る方のあほうです

    2018年2月20日るりこさんのItaly便り

    意外と地味でした。

    ピョンチャンオリンピックの開会式での、イタリア選手の入場ユニフォームです。

    12年前、フィギャースケートの荒川静香さんが、イナバウワーで金メダルをとった

    2006年のトリノオリンピックでは、確かイタリア選手のダウンコートは

    体のラインを意識し、ピッタリした中々素敵なスタイルでしたが、

    今回はマッシモと「あれっ?地味だね。」と。

    ところが、これはアルマーニ氏デザインと言うではありませんか。

    じゃあ、”地味だね”じゃなく “シックだね”と言葉を変えなきゃ、と。

    ブランド名というのは物凄い底力を持つものだと改めて思いましたよ。

    韓国へおいしいキムチとチゲ鍋を食べに行ってみたいです。

     

    13日、カーニヴァルに幕を閉じました。

    ヴェネツィアのきらびやかな中世の衣裳をまとうスタイルとは違って、

    こちらは庶民の味方とでもいいましょうか。

    色とりどりの山車そしてその先頭集団が音楽にのり、

    各グループ毎のテーマカラーに合わせたコスチュームで踊ったり笑ったり。

    2月の寒空の中、一際鮮やかな色が目をひきます。

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    小さな町で、今年も開かれたカーニヴァル!

    1800年代にはすでにこういう形のカーニヴァルの歴史が始まっっていたというのですから、

    やっぱり「祭り好き」のイタリア人です。

     

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    「泣く子はいねえかぁ?」ってそれは秋田のなまはげでしたっけ。

    馬の調教が盛んな町なのでしょうか。

    お姫様スタイルの可愛い子どもとにらめっこ。

     

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    カメラを向けるとすぐにポーズを取ってくれるのは、さすが慣れたもんです。

     

    あれっ?もしかしたら、、、?

    山車には「特別な蛇口」が設置(上手に目立たないように)されていて、

    それをひねればワインが出てきます。

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    ご注意!これはスタッフ用で、勿論、沿道の人に配る訳ではありません。

     

    自由の女神が二人?!

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    口をあけてうっかり笑っていると、バサッと “コリアンドロの襲撃” にやられます。

    コリアンドロは紙吹雪のことで、スーパーや文房具屋さんで売られていて、

    カーニヴァルがある日は、町の広場でも買い求めることが出来ます。

    これが子ども達の一番の楽しみ!

    「いいか、今度はあのあたりに投げるんだぞ!」

    なんてお兄ちゃんが妹にけしかけているんでしょうか。

    衣裳とお揃いのバッグにはコリアンドロがタップリ入っています。

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    コリアンドロは山車から勢い良く、空高く舞い上がることも!

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    イタリアでは縁起物のてんとう虫。

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    紙張り子で作られた山車の上で手足を動かし、

    カーニバルでは主役となる道化師でいっぱいの山車。

    山車のカーニヴァルは芸術がギュウギュウ詰まった、玉手箱のようです。

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  4. イカすテーマパーク!

    2018年2月8日るりこさんのItaly便り

    68回を迎えるサンレモ音楽祭が6(火曜日)から始まって、

    来週にはバレンタインデーも控えているし、

    ヴェネツィアを始めイタリア各地ではカーニバルが開催されているし、

    立春が過ぎて土の中でウズウズしている虫のように、

    イタリア国民もウズウズ、ソワソワしています。

    あそこの馬がいるお宅のいちじくの枝先には、蕾が芽を出していました。

    「あっ、日本だと立春なんだな。」と古里を思い出したわけですが、

    イタリアでは22日のことをこんな風に表現します:

    「この日で冬はおしまい。でも当日、雨か風ならばまだまだ冬は終わらない」。

    三寒四温を繰り返しながら春はやって来るわけですが、

    似たような言い伝えや風習があるのは、とても興味深いところです。

    いちじくと言えば、先日、ボローニャ郊外「FICO」へ行って来ました。

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    ボローニャ中央駅前から無料シャトルバスが出ているので、便利です。

    ゆっくりとしたペースでバスに揺られること15分、「FICO」に着きます。

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    イタリア語で “イタリアの農家と生産者”の言葉から各々の頭文字を取って名付けたのだそう、

    それを訳せばまさに 果物の”いちじく” であり、

    また流行に敏感で”イカス/カッコイイ”という意味もあり、

    命名にも創始者の心意気が感じられます。

    まさに”農業と食のテーマパーク”。

    きちんと造られた、イタリアの食を楽しめる由緒正しい広大な ‘施設’です。

    10ヘクタールの広い敷地には、150社もの企業や団体が集結して

    商品の販売のみにとどまらず、例えばビール会社であれば施設内にビール工場を併設したり、

    モッツァレッラの会社であれば、その製造過程を間近かで見学することが可能だったり、

    あのモルタデッラのタコ糸で縛る興味しんしんの作業も楽しめると言う訳です。

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    ここは人の山!

    大人も子どももガラス窓に鼻をピッタンコして、貼り付くように見学します。

    こういうのは、見ていてあきないんですよね。

    よくテレビ番組では、タコ紐で肉を縛るシーンが出てきますが、

    いちいち紐を切らずに、最後までたった1本の紐でしばりあげるのは、

    プロでも中々至難の業!

    ですから、入場者の目は釘付けなのです。

     

    他にも、1,000人も収容出来る会議室、

    高級レストランから伝統料理を提供するレストラン、

    気軽に楽しめるストリートフード、200頭の家畜、

    ビーチバレーが出来るコートやスポーツカーランボルギーニのイメージ画像、

    と想像を遥かに越えるスケールで、福袋の中にまた福袋が入っているような、

    贅沢なお楽しみがギュっと詰まっています。

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    爽やかなミントグリーンのビアンキの自転車は、誰でもレンタルできます。

    木製の篭には買いたいものを入れて。

    楽ちん楽ちん。

    チリンチリーン。

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    ビスケットの製造過程

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    料理好きに嬉しい、食器や調理器具の店もあります。

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    歩き疲れたら、バールで休憩したり、本屋さんに寄ったり。

    ルンルンショッピングのお会計のレジを出ると

    そこには郵便局PosteItalianeが “待ち構えて”います。

    イタリア国内は勿論、海外への発送も勿論可能というわけ!

    ほほう、中々やりますね!

    ちゃあんと計算されているではありませんか。

    確かにねぇ、場内をずっと歩いて見て回ったら、あの干したいちじくとか、

    料理のレシピ本とか、一度は飲んでみたいあのワインとか

    買い物篭がいっぱいになってしまいますから。

    ショッピングの後は、荷物を預けてもう一周りしたくなりますよ、きっと。

    一度、創始者のインタビューとかしてみたいですね~。

    どんな風にこのアイディアが生まれたのか、どう苦労したのか、

    想像しただけで心が踊ります。

  5. ♪ポケットの中には、、、が一つ♪

    2018年1月29日るりこさんのItaly便り

    今朝もやって来ました。

    ツグミです!

    春が少しずつ近づいている証拠です。

    昨日のとはどうやら違う様子、今朝のはちょっと痩せています。

    イタリアの家庭では、食事の時にはテーブルクロスを使うわけですけど、

    我が家では、おおまかなパンくずは小さいちりとりで取って、

    あとは四隅をつかんでグルグルっとまとめ、テラスで大胆にはたくわけです。

    そこに落ちた細かい食べ物のカスを食べに、ツグミがやって来るのです。

    人に慣れているのか、我が家の「お客様」は、目と目が合っても逃げたりしません。

    あっ、そうだ!と思い出して、この本を本棚の奥から引っ張り出してきました。

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    前田まゆみさん著の「ツグミのプレゼント」です。

    第1刷発行の日付を見て、ビックリ!

    何と20年以上も時が経過しているではありませんか。

    表紙といい、中のきれいなイラストと言い、文章もホッコリ優しくて、

    やっぱり丁寧に作られたものは、何年経っても新鮮さがそのまま残っています。

     

    いいものには、長く愛される理由があるものだと、

    回りにある数々のものを見て、つくづくそう思います。

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    私達の友人の中には、一人で3、4台の年代物のヴェスパを所有し、

    休日にはそれを「いじって」楽しむ “永遠の少年達”が結構います。

    わざわざ70年代の古い車を、時間をかけて探し出し、そして購入してそれを大事に乗ったりと。

    政治にも地方自治体にも何だかんだと不満だらけのイタリア人だけれど、

    でもやっぱり人生を謳歌することについては、天下一品だとホントそう思います。

    無いパーツは自分で作ったり工夫しながら、ボロボロだったヴェスパを、

    まるで新品のように仕立て上げ、それに乗って、友人のところへ見せに出掛けるわけです。

    そこへまたそこの友人のお父さんも家から出て来て、ヴェスパ談議に花が咲く。

    これが当たり前の光景で、これにつけて奥さんや彼女はどうかというと、

    このヴェスパにはこういうヘルメットがいいわよ、とかバッグはこうだとか、

    さすがお洒落の国なので、別の方面で女性のサポートがフル活用されるわけです。

    お父さんやお母さんがヴェスパ好きだと、

    だいたいその子ども達もスクーターの免許を取ってヴェスパに乗り始めます。

     

    山のように、美味しいものがワンサカあるイタリアの食べ物の中にも、「ロングセラー」があります。

    その中の一つがこれ、”ポケットコーヒー / Pocket Coffee” !!

    正真正銘、イタリア製の一口サイズのチョコレートです。

    私が初めて “出会った”のは、もう10年以上も前のこと。

    友人の子どもが「ハイッ、これあげる!」と、

    満面の笑顔で、オーバーコートのポケットから取り出して差し出したのが、

    この “ポケットコーヒー / Pocket Coffe” でした。

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    「あっ、そうそう、気をつけてね。

    真ん中から美味しいコーヒーシロップがトロッと出てくるから、

    洋服が汚れないように食べる時気をつけてね!」

    と念を押されたものです。

    スーパーやバールのカウンターでも売られているので、

    このパッケージを見ると、いつもあの時の風景が蘇ってきます。

    ポケットコーヒーは何と今年で50年を迎えるそうで、さすが大御所フェレッロ社製であります!

    日本ですと、ソニプラやその系列の店では、昔から同社のロシェは売られていましたが、

    “ポケットコーヒー”は、ウィキペディアイタリアによりますと、

    ようやく最近になって、ごく一部の国のしかもネット販売限定で

    買い求められるようになったとのことです。

    販売から50年も経つというのに、鎖ではばまれたその販売ルートには、

    きっと何か深い意味があるのでしょうね。

    幅3、3cm奥行き2、5cm高さ1、6cmの小柄ながらエレガントな装いのポケットコーヒーは、

    一口でパクッといってもいいのですが、何卒二口でお召し上がりください。

    チョコレート本体のちょうど真ん中あたりで噛み、

    したたり落ちるコーヒーシロップの降下を防ぐために、

    頭を少し後ろに傾け、シロップが少し出てきたところで、唇で力強く味わいながら、

    そしてその後、チョコレート部分を噛み始めてください。

    ゆっくり、ゆっくり堪能なさってください。

    忙し過ぎて、エスプレッソコーヒーをいれる時間も無いあなた、お気の毒です。

    そんな貴方に是非お試しいただきたい、イタリアのエスプレッソコーヒー味のチョコレート。

    あれっ?何だかフェレッロ社の一員みたいですが、決してそうではありません。

    それにしても、商品名がイタリア語ではなくて、当初から英語で命名したあたりは、

    もうすでにその時から「世界制覇」を狙っていたのでしょうか。

    近頃は、カフェインレスのものも販売されていますが、

    やっぱり基本は長年愛されてきたスタンダードタイプですよ。

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