エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリー・るりこさんのルポ


Reportage


るりこさんのイタリア便り

るりこ
るりこさん
ZARINAイタリア駐在スタッフ
イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
  1. 海の見える食堂のbreakfast

    2016年9月9日るりこさんのItaly便り

     

     

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    バカンスの後、キッチン用品を扱う店を何軒か廻ってみた。
    ベルギータイプはある。
    でもあれと同じものが無い。
    ネットで色々検索してみた。
    どれくらいの厚さに仕上がるのか今ひとつわかり難くて迷ってしまう。
    厚手のフライパンで蓋も同時に使いながら試してみた、どうも違う。
    しっくりこない。
    やっぱりあの桝目の焼き目が重要ポイントなのだ。

    どうしてもノルウェーで食べたワッフルが食べたくなった。

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    バカンス中、ウインドーで見かけた電子式のワッフル焼き器、
    「きっとどこでも手に入るだろう」と甘く考えたのが間違いだった。
    イタリアにだって包装されたワッフルが売られている。
    でもそれじゃだめなんだ。

    初日の朝食、ワッフル焼き器を使っている宿泊客のご婦人がいらっしゃった。
    私はそれをかぼちゃの種が入っているほんのり甘いパンを頬ばりながら、
    暫しの間観察していた。
    数秒後ピーピーと完成のお知らせのサインが鳴った。
    蓋を開けたらプレートにくっついてしまって四苦八苦していた。
    それを見て私は初ノルウェー版ワッフルを諦めた。。。

    数日後、窓の外に目をやるとかもめが飛んでいて、テラスの白いデッキが眩しいくらい。
    気持ちいい日差しの入る食堂には、あのワッフル焼き器があった!
    天にも昇る気持ちだった。
    “スタッフにお気軽に尋ねてください”と手書きの張り紙。
    あの時のご婦人が失敗したワッフルが脳裏をよぎったので、
    すぐさま宿泊客が食べ終えた食器を片付けていたスタッフの女性に声をかけた。
    中々かっぷくが良く愛嬌のある笑顔、
    「きっと美味しいワッフルを作ってくれるに違いない」と私は確信した。
    「ほらいくわよ、見てて!」と早速スプレーをシューっとプレートの表面に噴射した。
    バターの噴射式のものだ。
    大きなボールにすでに用意された生地、
    それをレードルですくってワッフル器へ流しこむ。
    蓋を閉めて出来上がりの合図を待つ。

    3分ちょっと待っただろうか。
    濃い目にいれたカップチーノをスプーンでかき混ぜた時のような色をしたチーズ、
    専用のカッティングナイフがあり、それをスライスしてのせるのだ。

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    真似してやってみたけれど、思うように薄くカット出来ない。
    「もっと力入れなきゃだめよ!」と駄目押しが入り、再び試してみる。
    出来たてのワッフルに薄くカットした茶色いチーズはその熱でゆっくり熔けていく。
    スタッフはその上に苺のジャムをのせた。
    夢にまで見たノルウェー風ワッフルの完成だ。
    いつだったか、ドキュメント番組で見たベルギーのものとも又違う。
    こうやって食べるスタイルは伝統的らしい。
    癖になる美味しさだ。

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    いつかノルウェー人の友達が出来たら、是非そこの家庭の朝食にお目にかかりたいものだ。

    翌朝、前日に習った事を実行に移した。
    あのふくよかな女性スタッフは遠くからウインクして、私のぎこちない行動を見守ってくれた。
    焦らず慌てず、チーズもジャムの基本通りにたっぷりのせて、、。
    テーブルについて食べ始めると、別の宿泊客がぎこちなさそうにそのワッフル焼き器を試していた。
    初めての様子だ。
    何だか笑いがこみあげてきた。

    お洒落なキッチン用品の店では一桁違いのゴージャスなものもあれば、
    スーパーでは「ねえ、ちょっと使ってみない?」と
    客にアピールするかの雰囲気で気軽に買えるものも売られていた。
    言うまでも無く、あのチーズもカッターも我が家にやって来た。

    ZARINA

  2. トナカイの国のカフェ事情

    2016年9月5日るりこさんのItaly便り

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    雄大な自然に囲まれて暮らすノルウェーの人達はとてもゆったりとして見える。
    短い夏を十二分に楽しもうと夜になってもまだ明るい海岸線をジョギングする金髪の美人さんは、
    髪の毛をギュっと結んで音楽を聞きながらその足も軽やか。

    町を歩くとキッチン用品を扱う店があちらこちらに目につく。
    シンプルで素敵なデザインのピクニックバスケットを見ているだけでもそんな気分になり、
    卓上用の取っ手が木製の素敵なコーヒーポットや携帯用のポットも種類が随分と多い。

    美術館や歴史ある建築物は心にとまった物だけを見て回る。
    そのかわり、美味しそうな匂いやきれいな物に “第六感”のアンテナが
    グルグル回り出したらすぐさまそこに入ってみる。
    試してみる。
    町歩きの楽しみは「発見」にある。
    ドキドキやワクワクがそこに待ち受けているのだ。
    残念ながらノルウェー人の友達はいないので、自分達で色んなものを試したり
    つまんだりしながらあ~だこ~だと勝手に討論し合って、歴史をさかのぼるのもいとおかし。
    そこに住む人達の顔が少しだけ見えてくるような気がする。

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    日中は手にビジネスバッグそしてもう片方の手にはお持ち帰り用のコーヒーを持って
    急ぎ足で人混みを通り抜けていくビジネスマン。
    電車の中にもそんな姿が。
    長距離電車が停車する駅のホームにコーヒーを積み込む業者の車。

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    電車の車内には電光計時で「食堂車にコーヒーを用意しております」の表示、
    発車すると同時にそこへ向かう乗客の姿もちらほら。
    小さいガラスケースに並べられたシナモンロールが目をひく

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    インテリアの参考書になりそうな、ノルウェーのカフェッテリアは空間そのものが気持ちいい。

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    椅子もクッションもそれらのカラーリングがちゃんと計算されていて、
    本屋さんの中に併設されたそれは私たちを虜にした。
    エスプレッソコーヒーもブレンドコーヒーも各々にコクや深みがあって味わい深い。
    余りの美味しさに何杯もおかわりして、ついつい眠れなかった日もあった。
    あの日は美味しいからと言って調子に乗ってコーヒーを飲み過ぎた、、、ちと反省。

    ホテルのロビーに必ずあるマシンではブレンドコーヒー、エスプレッソ、アメリカンコーヒーと
    きちんと種類が分けられている。
    勿論、カップチーノやマッキアートもチョイス出来る。
    8月でも雨が降り続いたベルゲンのホテルではコーヒーをいれて、
    ロビーのソファで寛ぐ観光客がいた。
    晴れの日に向けて地図を広げながら行程をを変更か、、、?

    リオオリンピック期間中、現地滞在のノルウェー人キャスターが囲む木製のテーブルと
    その上に置かれたマグカップからお国柄を感じた。
    美し過ぎる大自然に囲まれた人はとても「澄んで」いる。
    やはりそれに比例するのか、コーヒーも澄みきった味わいだった。
    数秒毎に変わっていくフィヨルドの景色が余りにも素晴らしくて
    撮った写真はぼうだいな数にふくれあがった。

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    ZARINA

  3. 生ハムメロン

    2016年8月17日るりこさんのItaly便り

    直送6キロの野菜です。

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    今朝トレトレです!!

    大きくて “丸くない”トマト、”畑”を知らない子供たちに見せて

    「これ、な~んだ?!」と聞いたら「トマト」って答えられるのかなあ、、、。

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    それとも、うわ~気持ち悪い~とか言って逃げてっちゃうのかな(笑)

    それぐらい重くて変わった形をしています。

    ズッキーニは1本500グラムもありました。

    生ハム、アジアゴチーズなどと重ね焼き、、、

    夏は実を言うと余りオーヴンを使いたくないのですが(それはそれは暑さを増しますから;;;)、

    清水の舞台から飛び降りる気持ちでこの日のランチに決まり!

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    4人分もあろうかと思うひと皿ですが、二人でペロっと食べました。

    新鮮野菜のおかげです。

    他にも茄子にセロリ、ピーマンにバジル、これぞ究極の贅沢です。

    みずみずしい野菜を見ていたら、あることを思い出したのです。

     

    きゅうりを横長にして下の部分に4本の爪楊枝をつけたものを馬に見立て、

    お盆に帰って来る時は馬に乗って出来るだけ早く、茄子に爪楊枝をつけたものは牛に例えて、

    天国へ戻る時は牛にまたがってゆっくりと帰ってくださいねとご先祖様に願いを込める、

    これはお盆のお墓参りの時のお供え物の一つでした。

    小さい時そんな事をばあちゃんが教えてくれたのかもしれないけれどちっとも覚えておらず、

    この伝統的な習慣を思い出させてくれたのは、日本語を勉強していた大学生のデボラちゃん、

    家庭教師をした時に彼女が補習用に持って来たプリントに書いてあったのでした。

    まさか、こんな風に日本の文化をあらためて知るとは思ってもみませんでした。

    このプリントを用意した学校の先生にアッパレ!!です。

     

    8月15日はフェッラゴスト、語源はラテン語で「アウグスト皇帝の静養」

    紀元前18世紀にローマ帝国の皇帝アウグストが定めたれっきとした休息の日なのです。

    農業の主要な作業を終える時期であったことから収獲に感謝して苦労をねぎらうという意味もあり、

    その当時、馬、牛ロバやラバ等の動物をきれいに飾ってそれらに競争をさせて楽しんでいたとか。

     

    1900年代初頭、ロンバルディア州とピエモンテ州では家族とフェッラゴストを過ごすために、

    労働者には企業の社長さんが食料の「物品支給」を実施していたそうです。

     

    現在はイタリアでは祭日にあたります。

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    この日に海へ出かける人も多いのです。

    シチリアでは、西瓜の冷たいデザートにレモンの葉を飾ってこの日を祝ったり、

    ドーナツ型をしたアニス味の焼き菓子を食べるのはトスカーナからエミリアロマーニャ地方、

    またトスカーナ州のある地域では鳩のロースト焼きを伝統料理として食べるところが

    今でもあるそうですが、興味深いところです。

    ところで、イタリアではメロンは高級フルーツの代名詞のかけらも無い、夏の一般的な果物。

    摂取した塩分をコントロールし、また腸内を活性化し、

    疲労の原因となる乳酸を減少させる作用もあるとのことなので、

    ここは一つ、生ハム+メロンの組み合わせでなぞいかがでしょうか。

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    暑い時、キッチンに立ちたくないイタリア女性の知恵から生まれたのではないかと確信してしまうほど

    美味しくて栄養のバランスもいい夏の定番メニュー。

    是非とも味わっていただきたいと思います。

    冷えた白ワインでパンも添えれば、立派なそしてれっきとしたイタリアンがご自宅で楽しめますよっ。

    ところで8月を半分過ぎても、イタリア人はまだまだ夏を楽しむのです。

    夕飯のあとは自転車で近所を回ったり、涼みがてらゆっくりと散歩する人たちが

    我が家の前を通り過ぎて行きます。

    我々のとある夕べ、ジェラート屋さんへ行ってこの通り!

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    パフェは何も子どものものだけでは無いのですぞ。

    ZARINA

  4. 絵葉書のような

    2016年8月8日るりこさんのItaly便り

     

     

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    毎年この時期恒例の1泊2日のヴェスパクラヴのツーリング、

    今年は20数台約40名の “大所帯”ツアーとなりました。

    このツアー中々いい企画なので実は夏のお楽しみの一つなのです。

    行く度に新しい発見があるドロミーティ/ Dolomitiは、

    2009年6月26日スペインのセヴィッラで行なわれたユネスコ会議で世界自然遺産に登録されました。

    ドロミーティは「青ざめた山々」とも言われ、ゴツゴツした岩肌と形が特徴です。

    イタリアの北東に位置するアルプス山脈の一部で、Bellunoをはじめとする5県にまたがっています。

     

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    並木道を駆け抜け湖を遠り過ぎ、2時間半位走ったあとの休憩はカップチーノとブリオッシュで。

    いや~夏とはいえ厚手のジャケットを着ても山道を抜けるので寒いんですよ、これが!

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    ですからカップチーノは我々の救世主。

    活力を補給して再出発!

     

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    “元少年達”は、トンネルに入るとお決まりの約束のように皆「ビッビー」とクラクションを鳴らし始めます。

    すれ違うレース用の自転車に乗った男性が「いいね」の親指サインで合図してくれるので

    その人にも「ビッビー」、沿道で手を振る子どもやおじいちゃんにも「ビッビー」と鳴らす

    これが笑顔を誘うのです。

     

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    お昼ご飯は一等地のレストラン!山々に囲まれたオープンキッチン?

    パニーニは各自でサラミや生ハム、チーズや野菜のピクルスをはさんでパクリ!

    飲み物はワインやビール(アレッ?!運転するのに?!)

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    各自好きなものをはさめるように手際良くパンの真ん中に切れ目を入れてくれる男性、

    きっと家庭でも奥さんにやらされているんだな(あっ失礼)皆なのためにせっせと作業しています。

    「天気予報がバッチリ当たってくれれば、今日は絵葉書みたいな景色が見られるよきっと。」と

    リーダーのデニスさんが言ってた通り、いや予想以上の言葉には出来ない絶景スカッと晴れた青空と緑の山肌、

    まるでチーズのコマーショルに登場する景色、それが目の前に広がってくるのです。

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    Cortina/コルティーナの町を見下ろしながら走って行きます。

    パンクしてタイヤ交換、ガス欠してと毎年このツーリングにアクシデントはつきもの。

    でもおしゃべりしたり、バールを見つけてはカフェ(エスプレッソコーヒー)を注文したり

    慌てず急がず、が暗黙の了解のサイン。

     

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    とんがったのとは違う四角い形が見えるのはパッソジャウから。

    ここの駐車場には車、自転車バイクが沢山停まっています。

    言葉を失うほど美しい。今年のジーロイタリアの通過点にもなったとのこと。

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    ミズリーナ湖

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    Tre Cime di Lavaredo /トレチーメディラヴァレードの足元、標高2333メートルにあるヒュッテ

     

    宿泊先はドッビアコ/ Dobbiaco、オーストリアの国境まであとわずかという町です。

    自宅では薄いコットンの肌掛け1枚で充分なのに、ホテルには羽毛掛け布団が用意されていて

    はじめは「必要ないでしょ」と言っていたのに必要欠くべからず、甘くかかっちゃいけません。

    やっぱり標高1200メートルだと夏でも夜はだいぶ寒くなります。

     

    ホテルの敷地内には畑があってそれを見た瞬間夕食への期待も高まり、

    水も空気も美味しい所で育った野菜の旨さは噛みしめる程に口いっぱいに広がって

    1日の長旅の疲れを癒してくれました。

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    デザートの皿にのっていたミントの葉っぱには虫が食べたあとが丸く残っていて、

    それがまた大地の恵みをストレートに感じさせます。

    いつもだと、夕食の後は皆でバールに行って一杯飲んで夜遅くまでおしゃべりするのですが、

    今回はほとんどのメンバーがホテルから一歩も外に出ず、

    この日だけで約250キロ走行したので、そんな元気も残っていなかったのです (笑) 。

    疲れと引き換えに、皆の心にはあの「絵葉書のような」そして威厳に満ちた

    ドロミーティの山々の風景が深く残ったに違いありません。

    ZARINA

  5. カタツムリ

    2016年7月28日るりこさんのItaly便り

    「チャ~オ、元気?!来月1日から17日までお休みいただくから、宜しくね!」

    特別変わったところも無く、とりわけ最先端のスタイルでも無いどこにでもある八百屋さん、

    そしてそこの女将さんはいつもニコニコ元気。

    この八百屋さん、どの時間帯に行ってもいつもお客さんでごったがえしています。

    ふと目にとまった箱買いの地元産のファジョーリ、

    アメリカ大陸が発見された後、ヨーロッパに渡ってきたファジョーリ、

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    この豆の模様を見ていると何故だかいつも決まって、

    虎のシマシマパンツの歌が頭に浮かんできます。

    トラットリアへ行くとよく付け合わせとして出てくるこのお豆さんは

    脂肪分が少なくたんぱく質を豊富に含んでいます。

    箱買いで何と4キロもありました、

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    さやをむいてたっぷりと冷凍保存しました。

    夢にまで出てきそうな大量の豆です。

    まさに豆の衝動買いです(笑)。

    値札に “地元産”とあったのでついつい目をそらすことが出来ず、買ってしまったのです。

    実はちょっと前に本屋さんのイベントがあり、

    そこへスローフード協会 / SlowFood® の創立者である

    カルロ ペトリーニ 氏がやって来るというので行って来ました。

    その内容を少し思い出してこの衝動買いの行動に至ったという訳です。

     

    スローフード協会 / SlowFood ®は、エコロジーでその土地に根ざし地域の伝統と

    生物多様性を重んじる生産者またその産物をを尊重し、

    全ての人々に「美味しくて無駄の無い、そして適切な」食料を奨励する

    世界的組織 : カタツムリのロゴでおなじみです。

    ピエモンテ州のブラという町にあります。

    この協会、今年で30年を迎えるそうでおめでとうございます!

     

    世界規模の大きな組織の舵を取るペトリーニ氏はとてもエネルギッシュです。

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    「仕事の途中、無性にあそこの旨いペペロナータが食べたくなってね。

    ちょうどその通り道だったからそのトラットリアへ寄ったんですよ。

    仕事の旅でヘトヘトに疲れた体を回復する意味でもね。

    そこのシェフは友人でもあってねもう随分と御無沙汰してた。

    特別立派なレストランじゃなく、普通の。

    いつものようにペペロナータを注文してね、ところがどうだい、

    それを一口食べた瞬間失望しちゃってね。

    昔食べたあのおいしい味とは違う問題外の味だったんだよ。

    そのシェフに何か違う味がするけどどうして?と聞いたら、

    材料のペペローニ(:イタリアの大きな赤や黄色緑色のピーマン)がもう昔のものとは違うんだよ、

    今はオランダ産のを使っててね、これが全部きれいで同じ形、大きさをしてるのさ、と答えてね。

    その足で、ブラ方面へ車を走らせあのペペローニが育っていたはずの畑辺りまでやって来ると、

    ビニールハウスが目についた。

    車から降りてそこで作業をしていた農家の人に聞いたら

    「いや~昔作っていたペペローニはもう今は作っていないのさ。

    誰もが、オランダ産のどれもキッチリと同じ形のが欲しくてね、

    おまけにそっちの方が安いから、と。

    じゃあ今は何を栽培しているかってその農家の人に聞いたら、

    チューリップの球根と答えたんだ。

    しかもそれをオランダに輸出していると、いや~この矛盾さにビックリ仰天したよ!」

    という具合。

    地球温暖化や後継者不足でイタリアでも農家のひと達の苦労は絶えません。

    ペトリーニ氏はわたし達消費者は一体どんな形でこの人達を支えていけるのかとは、

    「ひとつ野菜を買い求める時は勿論、家庭で食卓で出てきたもの、

    外食先でもそこに出てきた食事の材料一つひとつについて一体何処の誰が作ったんだろう、

    本当に安全な食べ物なのか」

    とちょっと気をつけてみることから始められるとも語っています。

     

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    こちらはとうもろこし畑の放水の季節の真っ盛りです。

    ZARINA


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