14日はバレンタインデー/サンヴァレンティーノ。
イタリアでは女性から男性に愛を告白するのは勿論、
男性から女性に愛を表現したり、夫婦同士、カップルの間でも
贈り物をする習慣があります。
今年は土曜日にあたるので、旅行好きなイタリア人らしく、
恋人同士で週末旅行に出かけたりと予定をたてている人もいるようです。
“サンヴァレンティーノにとっておきの贈物” なんて、
クーポン形式になった贈り物の広告があったので、
興味しんしんで見てみたところ、何だか面白そうな企画が沢山ありました。
エスキモーの家で過ごすロマンチックな夜、とか、
90リットルのチョコレート風呂を堪能、不滅の愛をアルバムに、
街を走るトラムに乗って夕食を、気分はお姫様/エステ、ヘアーサロン、お化粧と
3拍子揃った、まさにスター気分を味わえる1日、
モデルに成りきって写真撮影、料理教室、海辺でアペリティーヴォ、
行動派には、フェラーリでサーキット走行バンジージャンプ、パラシュート、
パイロットシュミレーション、うわぁ~まだまだあります。
プレゼントするより、されたい内容盛り沢山です。
イタリア人は、何かにつけてはお祝い事をするのが大好き、
お祝いされる主人公が、お祝いをしてもらうというよりも、お祝いの席を設けたり、
贈り物を用意したりというのが普通です。
誕生日には本人のためにケーキを用意する、
車を買ったから、会社の同僚にお菓子を持って行ってご馳走する、
家を建てたから友人を夕食に招待する、等という具合。
結婚式では、新郎新婦から出席者へ白またはアイボリー色のコンフェッティが贈られます。
出産祝い、女の子が生まれたらピンク、男の子は水色が
赤ちゃんのお父さん、お母さんから、親戚や友人へ。
大学卒業は赤色のコンフェッティ、金婚式は勿論金色のコンフェッティ等など、
他にもカラーバリエーションに富んで、近頃はお味の方も様々、カプッチーノ桃、
ミント、リコッタチーズと梨、ジャンドゥーヤ、果たまた、シャンパン風味など。
コンフェッティはアーモンドを砂糖でコーティングした小さな一口サイズのお菓子、
お祝い事には欠かせない、小さいけれども、実に存在感のある贈り物です。
古代ローマの時代には、結婚式や出産祝いに配られたというのですからその歴史の深さに驚きます。
その昔は砂糖が無かったので、蜂蜜と粉を使用してコーティングしていたとか
アニスやコリアンドロの種を蜂蜜でおおっていたものもあったそうです。
もちろん今の時代のように、誰もが口に出来たものではなくて、
貴族階級のみが味わうことの出来た、特別なもの、色とりどりに装飾された
小さい箱に保存され、それはそれは大切に食べられたそうな、、、。
コンフェッティという言葉は、「小さな物を包んだ」という意味、
正に、語源そのものの様相で、キャンディーの様にパクッと口に入れると、
初めはほんのり甘くてそのままなめ続けてアーモンドの部分まで到達するのもいいし、
ガリッという触感が好きな人は直ぐ様奥歯で噛んで
アーモンドと砂糖やチョコレートコーティングの味のハーモニーを楽しむのも良し。
パンダの可愛い箱に入ったのは、フランチェスコ君が生まれた時のもの、
ピンクのオーガンジーでくるまれたのは、マルゲリータちゃんが生まれた時のお祝いに、
ベージュのシックな箱はファビオ君の結婚式でそれぞれいただいたもの、
どれもポケットに入る伝統的な贈り物です。