雄大な自然に囲まれて暮らすノルウェーの人達はとてもゆったりとして見える。
短い夏を十二分に楽しもうと夜になってもまだ明るい海岸線をジョギングする金髪の美人さんは、
髪の毛をギュっと結んで音楽を聞きながらその足も軽やか。
町を歩くとキッチン用品を扱う店があちらこちらに目につく。
シンプルで素敵なデザインのピクニックバスケットを見ているだけでもそんな気分になり、
卓上用の取っ手が木製の素敵なコーヒーポットや携帯用のポットも種類が随分と多い。
美術館や歴史ある建築物は心にとまった物だけを見て回る。
そのかわり、美味しそうな匂いやきれいな物に “第六感”のアンテナが
グルグル回り出したらすぐさまそこに入ってみる。
試してみる。
町歩きの楽しみは「発見」にある。
ドキドキやワクワクがそこに待ち受けているのだ。
残念ながらノルウェー人の友達はいないので、自分達で色んなものを試したり
つまんだりしながらあ~だこ~だと勝手に討論し合って、歴史をさかのぼるのもいとおかし。
そこに住む人達の顔が少しだけ見えてくるような気がする。
日中は手にビジネスバッグそしてもう片方の手にはお持ち帰り用のコーヒーを持って
急ぎ足で人混みを通り抜けていくビジネスマン。
電車の中にもそんな姿が。
長距離電車が停車する駅のホームにコーヒーを積み込む業者の車。
電車の車内には電光計時で「食堂車にコーヒーを用意しております」の表示、
発車すると同時にそこへ向かう乗客の姿もちらほら。
小さいガラスケースに並べられたシナモンロールが目をひく
インテリアの参考書になりそうな、ノルウェーのカフェッテリアは空間そのものが気持ちいい。
椅子もクッションもそれらのカラーリングがちゃんと計算されていて、
本屋さんの中に併設されたそれは私たちを虜にした。
エスプレッソコーヒーもブレンドコーヒーも各々にコクや深みがあって味わい深い。
余りの美味しさに何杯もおかわりして、ついつい眠れなかった日もあった。
あの日は美味しいからと言って調子に乗ってコーヒーを飲み過ぎた、、、ちと反省。
ホテルのロビーに必ずあるマシンではブレンドコーヒー、エスプレッソ、アメリカンコーヒーと
きちんと種類が分けられている。
勿論、カップチーノやマッキアートもチョイス出来る。
8月でも雨が降り続いたベルゲンのホテルではコーヒーをいれて、
ロビーのソファで寛ぐ観光客がいた。
晴れの日に向けて地図を広げながら行程をを変更か、、、?
リオオリンピック期間中、現地滞在のノルウェー人キャスターが囲む木製のテーブルと
その上に置かれたマグカップからお国柄を感じた。
美し過ぎる大自然に囲まれた人はとても「澄んで」いる。
やはりそれに比例するのか、コーヒーも澄みきった味わいだった。
数秒毎に変わっていくフィヨルドの景色が余りにも素晴らしくて
撮った写真はぼうだいな数にふくれあがった。