随分冷え込むと思ったら一昨日、霜が降りました。
舗道脇にある木々も随分と “薄着” になってきました。
ザックザクと積もった落ち葉を見ては焼き芋するのに使ったらどれだけいいだろうなあ、と思ってしまいます。
初冬の風物詩落ち葉たきは今では日本でも見られなくなったのだろうけれど、、、。
青空マーケットには色とりどりのニットの帽子や手袋、
あったか素材のストールやマフラーが沢山並びます。
色のバリエーションによってコーナーが作られたり、
庶民的なマーケットとは言ってもそのディスプレーの仕方はさすがプロ、
ハッとさせられる「見せ方」でお客さんを魅了します。
さすがイタリア!
テレビでは盛んにのど飴や風邪薬のコマーシャルが流れています。
いやいや、薬に頼らなくてもいいように、日頃から栄養つけて体も動かして健康でいたいもの。
そんな風にイタリアの子ども達だって思っているのです。
“ピーナおばあちゃんのタリアテッレ” という子ども向けの誰もが知っている歌があるのですが、
「目覚ましが鳴ってる。あ~今日も学校行かなきゃ、勉強もしなきゃいけないし
他にもやること沢山あるし、ハァ~週末になるともうノックアウト。
でもこんな時はピーナおばあちゃんのタリアテッレを食べると元気モリモリ!
挽き肉のソースと一緒に食べればビタミン補給。お薬なんていらないも~ん!」てな具合。
やっぱり食べることは健康管理の儀式なのです。
地球温暖化とは言うけれど、ちゃんと巡り来る季節をありがたく思います。
寒くなったらゼリア叔母さんが編んでくれた毛糸の靴下をはいて
暖をとってあったかくしたり、温かいスープを食べる。
寒くなると余計にじっくり時間をかけた美味しいものが食べたくなります。
ヴェネト州生まれのパスタ、ビーゴリ。
その昔はクリスマスイヴや金曜日など、食事を節制しなければいけなかった日に食されたものです。
表面はザラザラしていてよ~く目を凝らして見ると小穴がブツブツ、
この特徴がザラザラ感を生んでソースとうまくからむのです。
パスタそのものは歯応えがあるから噛む毎に素材の旨さが口の中にじわ~っと広がってきます。
このパスタを作るには、ビゴラーロといういわゆる昔のパスタ圧搾機が欠かせません。
パスタマシンという表現よりもまさに漢字三文字で書くのにピッタリな言い方。
ところが今では、このビゴラーロを所有している家庭は非常にまれで
昔の生活様式を伺える博物館へ行けばやっと見ることが出来るといった具合。
生地の材料は薄力粉と卵そして一つまみの塩、これだけ。
寝かせた生地を少しずつ投入する、そして木で出来た本体に座って
ハンドルを一定方向にギュッギュっと回す。
簡単に見えるけれどこれが中々力仕事。
手ごねの生地も固めだから余計に作業が難航するのです。
出てきたパスタをカットしていくのはお母さん、さすが親子の呼吸が合っています。
こちらのお宅は皆さん食いしん坊だそうで、
このビゴラーロもひいお爺さんの時代のものだそう、まさにお宝です。
出来たパスタをサラッと粉と合わせてほぐしていきます。
玉葱を薄くスライスしてオリーヴオイルでじっくりと炒めたら
アンチョビまたは鰯を加えるそれを少しトロッとさせたらソースの完成です。
もちろん自家製のボロネーゼソース、鴨肉のソースなども定番の組み合わせ。
太めの乾燥パスタもあるけれど、それとは全くの別物。
ビーゴリは標準語、お国訛りで言うと「リ」のところがリとイの間くらいの発音になる、
この発音が又難しいんだなぁ。