ホワイトアスパラガスは今が旬!
レストラン、トラットリアそしてピッツェリアでもそれをのせたメニューが勢揃いで
我が家でも週に一度はリゾットにしていただきます。
その名産地バッサーノデルグラッパから北東へ進むと、トレヴィーゾ県の
ポッサーニョ Possagnoという人口2200人の小さな町、
そこには世界中の皇帝から受注があとをたたなかった彫刻家カノーヴァ/CANOVA(1757-1822)の美術館があります。
うっかり見過ごしてしまいそうな外観、彼の生家であったところに隣接します。
実は、”美術館と石膏型の展示館”という名称が正式でその名の通り、
ここには大理石を彫る前の工程で実際に作製していた石膏で型どったものが展示されています。
また石膏で作られたモデルの他、大理石の彫刻、粘土製の模型、
数年間描いていた絵等が実際に使用されていたテーブルや椅子と共に展示されて、
室内にまだ本人が生きているような錯覚を起こす不思議な空気が流れます。
優しいタッチで描かれたデッサンに見入っていると穏やかな気持ちになってきます。
彼用に仕立てられた服も展示されていて、シャツのボタンや袖口のあしらい等
細かいデテールに気配りが施され、そこにも彼の美的センスを垣間見ることが出来ます。
6歳か7歳の頃、アーゾロにあるヴェネツィア貴族のお屋敷の晩餐会中、
バターでライオン像を”成型した”カノーヴァの才能を見い出したのは
上院議員のジョヴァンニ•フェリエール氏、
地元ポッサーニョで採掘された粘土が彼のおもちゃだったそうで、
その粘土遊びが彼の生涯を支えた訳です。
仕事の合間や旅の疲れをとるためにリラックスしていたのは建物の内側にある庭、
庭にはあやめが咲きほこり、しゃくなげの花もありましたよ。
その庭のスタイルはイタリアンですが、よく観察すると1799年に本人が植栽したという
幹が見事な太さの松の木が来館者を迎えてくれます。
館内は撮影禁止なのですがここは大丈夫、皆ここで記念写真を撮っていきます。
薔薇の蕾はまだ固く気温が上がるのをジッと待っているようです。
アイディアが浮かぶとスケッチし、それを実際に粘土、テラコッタ又は蝋で型を作った。
そしてそのデザインが良しとなれば石膏で型を作り土台となる「モデル」を作っていた。
その上に青銅製の釘を打ち付け、お客の要望の大きさに答えられるよう、
コンパス(この形が中々面白い!)を使って、例えば目と頬の距離間や比率等を計り確認しながら、
実際の大理石の彫刻にとりかかっていた。
その工程順に仕事道具も展示されていて、これがまた中々面白いのです。
素敵なものきれいなものを見ることは心が研ぎ澄まされます。
今回はそれプラス元気を貰ったような気がします。
パッションを持って仕事をすることは素晴らしい!