東か西かいつも忘れてしまいます。
近頃、季節の初物を口にしてパクパク食べてちょっとおしゃべりしてから
初物だったことに気がついて「あっしまった!」と。
小さい頃、初物を食べる時は東だったか西だったかの方向を向いて食べると
福が訪れると聞いたことがあります。
どちらが正しいのでしょうか?!
こちらは焼き栗の季節です。
我が家のそれ用の道具はマッシモのおじいちゃんが使っていた栗用のフライパン。
中華料理のコックさんが味を損なわないようにと中華鍋を洗剤無しでさらっと洗うように、
もう何十年も使われた栗用のフライパンも味がしみていて美味しいかなという
独断と偏見で随分と錆ているのだけれど、それがまた味わい深いと思っておりまする。
じっとパソコンの前で仕事をしていると足の指先がかじかんでくる、
そんな季節になってきました。
リゾットが美味しい季節です。
きのこや南瓜のものが今は一番。
リゾット用の米は日本の透明感のあるそれに比べると随分と白いなあとあらためて気づきます
(ありがとうエスコさん、日本のお米ありがたくいただいております)。
こう寒くなってくると、体に蓄えるための脂肪も必要になってくるわけで
体の中から「もっと食べたいよ~」と叫び声が聞こえてくるのです。
皆さんもそうでしょうか?
先日お仕事でプーリア州 /Pugliaに行った時 アルタムーラ/Altamuraに宿泊しました。
プーリア州の都であるバーリ/Bariの空港から車で西南へ約1時間、
イタリア国内でもDOP(保護指定原産地呼称)のアルタムーラのパンで知られる有名な町です。
この町又この近辺には何と70軒ものパン屋さんや工房があるんですって。
ホント、町を歩くと至る所にパン屋さんの看板があります。
1700年代に建築された歴史ある建物を改築したとあるB&Bの朝食、
女将さんの愛と情熱を感じる朝食です。
盛り沢山の果物は大きな篭に入れられて、好きなだけ取って食べられます。
いれたてのカップチーノ、りんごや桃のケーキは全てホームメイド。
これでもかとばかりにホームメイドケーキの他に
地元のサラミやモッツァレッラチーズそしてさすが郷土愛の強いご婦人、
アルタムーラのパンをカットしてササッと食卓のテーブルへ。
キッチンやサロンのデコレーションがあまりにも素敵だったので
撮影のお許しをいただきました。
壁にかけたお皿類
シンプルな棚に何げに並べた食品やキッチン道具
こういうの上手なんですよねえ、イタリア人!
物の見せ方一つでそれがまた一段と価値のあるものに見えてくる。
薪ストーヴとカラーコーディネートしたソファ全てが何気なく計算されていて、
またよ~くその中を見ると実は中には食器棚のようにカップ&ソーサーが並べられている
その中で目をひいたのが鶏の絵付けの食器類
鶏の絵柄は、ギリシャ神話のメルクリウスの象徴とまた、太陽の恵みや復活を表すものとも。
親近感がわいてくる絵です。
プーリアの特産の一つでもあります。
アンティーク市を覗いては少しずつ好きな物を買い集めて新しいエッセンスを取り入れながら
郷土のものもアピールするここの女将さんのポリシーがしっかり見えてきます。
こんなに心を豊かにしてくれるアルタムーラでとった朝ご飯、
あの日はいつもの何倍ものパワーがみなぎっていた、、、かも。