エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン


    エミリー・ヒラリー・るりこのルポ


    Reportage


    るりこさんのイタリア便り

    わたなべ るりこ
    るりこ
    ZARINAイタリア駐在スタッフ
    イタリア各地を訪れたり、ZARINAで淹れた
    エスプレッソで作るお菓子のレシピをご紹介します。
    1. ラディッキオロッソ

      2015年2月18日るりこさんのItaly便り

       

      野原が真っ白に凍ったり、そうかと思えば、日中の気温が14、5度まで上がったりしながら、
      少しずつ春に向かっていることを実感します。
      季節の変わり目は、体調も崩し易いもの。
      皆さん、風邪などひいていませんか~?
      イタリアでは風邪をひいたら、ホットミルクで温まって、即、寝ることに限るなんて皆言います。
      中にはホットミルクにグラッパ酒も混ぜて、なんて人もいますが(笑)。
      風邪の予防にも、やっぱり美味しい野菜を食べたいもの。
      美しくて美味しいラディッキオロッソは、トレヴィーゾ県の代名詞とも言われる、冬野菜。

      トレヴィーゾのラディッキオロッソは、根元は白く、葉先にかけて燃えるような赤から赤紫の
      グラデーションが色鮮やかな、上にヒョロンと曲線を描く様にしなやかに伸びた、長い葉が特徴。

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      冬の花とも呼ばれる通リ、姿形も実にエレガント。
      老化防止を助けてくれたり、鉄分やカルシウムも豊富ですから、女性にとって大の味方!
      大いに食べたいところです。
      チコリの仲間ですからちょっとほろ苦いのですが、本当に美味しいのは甘みさえ感じるくらい。
      調理すると、あの綺麗な色はあせてしまいますが、
      色も楽しみたい時は他の緑色の野菜と合わせてサラダにします。
      これがとっても綺麗で、益々食欲をそそられます。
      味付けはオリーヴオイルと塩、酢だけといたってシンプル、
      ラディッキオロッソの味が更に引き立って、また歯応えも楽しめます。
      また、炭火焼きが素材の味がひきだされて最高に美味しいのだけれど、
      それに劣るとは言え、家庭では、オーブン焼き、
      または、グリル式のフライパンで調理しても美味しいのです。
      1センチ位の厚さに縦にカットしてオーブン、又はグリルに並べ焼くだけ。
      食べる直前にオリーブオイルと塩をかけていただきます。

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      「えっ?!それだけ」って?、ハイ、これだけです。
      これが究極の美味しい食べ方です。

       

      トレヴィーゾ/TREVISOのドッソン/DOSSONという、人口わずか6,000人の小さな小さな町、
      ここでは毎年1月末か2月初めに、ラディッキオロッソ祭が開かれます。

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      冬の収獲祭は中々少なくて、これまで調査も甘かったのでチャンスを逃していましたが、
      今年はドンピシャリ!会場内では、新鮮なラディッキオが、計りにかけられてどんどん売られていきます。

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      贈り物用にと、箱入りもあります。

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      リゾット、クレープ包み、パスティッチョ(ラザニア)、セコンドにバッカラも食べて、
      付け合わせには、ラディッキオの炭火焼きとフライをチョイス、
      当然のことながら、私たちの胃袋は悲鳴をあげてましたが、折角のお祭ですからね、
      ジーンズのボタンを外したり、ベルトをゆるめたり、いくらでも調整可能!
      レストラン会場は、大きいテーブルに、相席で座る仕組み、
      お隣に座った地元に住むご夫婦、場内に出店していたお肉屋さんを指さして、
      「ほら、あそこで売ってるラディッキオ入りのサルシッチャ(ソーセージ)、
      ほんと美味しいのよ~!買って帰るといいわ。」、ハイ、そうしましたよっ。

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      地元の人は、土地の美味しいものを知っていますからね。
      新鮮でその通りでした。
      心残りはラディッキオ風味のビールを飲めなかったこと、
      食後にそれを知ったのでした。
      それはまた、次回のお楽しみということで。

      それにしても、極上のオリーブオイルと塩だけで味付けた、ラディッキオロッソの炭火焼き、
      魯山人もきっとお好きであっただろうなあ、、、。

      ZARINA


    ルポライター


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