エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリーのルポ


Reportage


  1. お城の見学

    2016年4月18日るりこさんのItaly便り

    白いハナミズキが満開です。

    我先と争うかのようにあやめも稟としてすっと咲いています。

    おととい通った時はまだ、たらの芽のように閉じていた木々の葉も

    今日通ったら体いっぱい広げて目にも鮮やかな緑色に大きくなっていたり、

    この季節は小さな気づきに喜びを感じます。

    バイクで出かけるいい季節になりました。

    という訳でモンセーリチェ/Monseliceへ。

    人口1万8千人の町、パドヴァ県/Padovaの南に位置する “石の採掘”という意味の

    地名紀元後8世紀にエッゼリーノ三世によって建てられたお城の見学、

    入口脇でチケットを購入すると常駐しているガイドさんが、

    タイムスケジュールに従って各グループを案内してくれます。

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    お城の中に一歩入るとそこは暗~くて冷んやりした空気が漂って

    それだけで当時の雰囲気を醸し出します。

    中世紀にカッラレーズィ家によって改修され、その後ヴェネツィアの貴族マルチェッロ氏の住居となりそして、

    1942年にはヴィットーリオ チーニ伯爵によって博物館とされました。

    彼の莫大な経済力のおかげでイタリアのみならずヨーロッパ各地から取り寄せた

    防具や鉄砲のコレクションが整然と展示されています。

    象牙に彫られた女性用のもあります。

    その当時から保存されているサロンの絨毯、

    「皆さん、踏まないように気をつけて下さいね~。」

    ガイドさんの注意もつかの間、上を見上げると天井にはまるで動物図鑑のように

    見事に描かれた数々の鳥や動物の絵は何と200以上にも及ぶそうです。

    一際目をひいたのはサロンの暖炉、装飾が面白いです。

    絵葉書が売られています。

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    台所に入るとそれはそれは大きなかまどがどっしりと陣取っています。

    ガイドさんの説明によれば串刺しにして大きな動物も丸ごと一頭調理していたそう、

    上下にも上げ下ろしが出来る工夫もなされていたのです。

    脇にはパンや小麦粉を保存する木製のストッカーもありました。

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    館内は残念ながら写真撮影禁止なのですが、唯一撮影可能な中庭、

    元以前の所有者ヴェネツィア人の貴族が有したいた面影を残すそこには井戸があり、

    ヴェネツィアを散策するとあちこちに見かけるものと同じ形、

    やはり生まれ育った土地を忘れられずわざわざ職人に作らせたそう、

    その中庭から見える裏山は削り取られて変な形をしているのですがそれはお城の元所有者の仕業だそう、

    ヴェネツィアのサンマルコ広場の60%の地面舗装は何とこの山から削りとられた土を

    実際に使用したものだそうで驚きです!

     

    歴史を刻んだ舗道に沿って数十メートル毎に7つの小さな礼拝堂を通り過ぎて

    ゆっくりと歩いて丘を登って行くと、そこからは一望にパダーノ平野が見渡せることが出来て、

    その眺めはまた格別です。

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    ZARINA

  2. 愛の絆は黄金色

    2016年4月8日るりこさんのItaly便り

    それは1300年代の終わり、

    数々の痛ましい戦争のつめ跡を残す北イタリアのお話じゃった、、、。

    ミラノ出身のジャンガレアッツォヴィスコンティ氏はまたの名を美徳の伯爵とも呼ばれ

    軍を率いていた。

    その部隊はミンチョ川流域に到着し、そこに本拠地を構えた。

    部隊のテント内ではひょうきんなゴンネッラが戦いで疲れた戦士の傷を癒すかのように、

    いつものように昔話を語り始めた:この流域には美しい妖精達が住むという。

    しかし時折ある呪いが醜い魔女へと姿を変えてしまうのだ、、、

    そんな昔話を子守り歌に仲間はスヤスヤと眠りにつくのだった。

    しかしその中でマルコ大尉だけは目が冴えていた:隊の仲間にも信頼の厚い彼、

    この晩はたった一人だけこの伝説が気になりどうしてもこの目で確かめたいと思っていた。

    そんな中、川の方から魔女達が現れそして眠っていた仲間の兵隊達の間を踊っていたのを見たのだ。

    伝説か作り話かそんなあやふやな思いもつかの間、確かに踊る魔女達を目撃したのだ。

    しかしマルコの視線に気がついた魔女達はあわてて逃げ出した。

    その中の一人がとっさに逃げようとしたその瞬間、羽織っていたマントを落とし

    するとそれは確かに魔女ではなく見事に美しい妖精の姿だったのだ。

    その瞬間、二人は恋に落ちた。

    美しい妖精の名はシルヴィア、日が昇る前に深い川底へ帰らなければならないのだ。

    シルヴィアは愛の証しとして、持っていたハンカチを優しくマルコに結んであげた。

    数日後、ヴィスコンティ伯爵が率いる軍隊の晩餐会に三人の美しい踊り子達が華をそえた

    マルコ大尉はその中にあのシルヴィアを見つけたのだ。

    辛く厳しい戦争が続く中で心を癒してくれるシルヴィアの存在は何ものにも変えがたいものだった。

    しかしかねてからマルコ大尉に好意を抱いていたヴィスコンティ伯爵のいとこイザベッラは、

    二人の見つめ合う熱い眼差しに嫉妬しヴィスコンティ伯爵に「あの美しい踊り子は実は魔女なのだ」と告げ

    宴はすぐに中断されそしてシルヴィアをすぐさま取り押えるよう伯爵から命令が下った。

    マルコ大尉は衝動的にシルヴィアと軍隊の間に入って、シルヴィアを川の方へ逃がした。

    そして伯爵に剣を渡して降伏しそして牢屋へ閉じこめられてしまう。

    夜も静まった頃、イザベッラはすっかり力を落としたマルコ大尉の前に現れた。

    二人の愛を引き裂いたことを詫びたかったのだ。

    そこへシルヴィアが現れ愛するマルコを助けるためイサベッラへマルコを解放するよう強いたのだ。

    元はといえばマルコを愛していたイザベッラは彼を牢屋から逃し、

    マルコはシルヴィアと共に川の方へと逃げた。

    ヴィスコンティ伯爵は軍隊に二人を追うように警戒態勢をとらせたがしかし、

    イザベッラからすぐにそれを中止するようとがめられた;二人の愛はもう誰にも抑えることができないと理解したのだ。

    川へ着いたシルヴィアとマルコは水の中へ身を投げた;地上ではもはや二人の愛を育むことができなかったのだ。

    二人を追ってきた伯爵は川岸に落ちていた黄金色の絹のハンカチを見つけた。

    それはまさに永遠の愛を誓った二人の愛の証しとして、たった一つ残されたものだった。

    お  し  ま  い

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    「町の中にあるシルヴィアの像」

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    「ミンチョ川」

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    「肉詰めのトルッテリーニ、ブロードで」

     

    これはヴェローナのヴァレッジョ/VALEGGIOというところに残るお話。

    そしてここでこの伝説を元に有名になったトルテッリーニ

    (生パスタに肉を詰めたものやリコッタチーズを入れたものなど種類は豊富)、

    それはそれは薄~い生地、本当に薄くてスーっと口の中でとけていきます。

    それはまるでしなやかな絹のよう。

    ZARINA

  3. オリーヴとシュロ

    2016年3月25日るりこさんのItaly便り

    さくらんぼの花も太陽をいっぱい浴びて咲きました。
    遠くの山々の白い雪、桃の花の濃いピンク色、たんぽぽの黄色、春は駈け足でやって来ます。
    いつものコースとは違う場所でウォーキング、春先は嬉しい発見がたくさんあります。

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    くねくねと曲がった道にたった1本咲いていたこの花、桜でしょうか?
    初めて通った道なので果物の木なのかどうかわからず、でも近寄って匂いを嗅いだら
    「あっ桜の香りだ!」何度も何度も嗅いでいたら通り過ぎて行く人は、
    不思議そうに見ていきます。
    不審人物と思われたのでしょうか?!
    マッシモにもいつか日本の桜を見せてあげたいなぁ。
    そして花見もね。

    イタリア全国の学校は24日木曜日から30日火曜日まで、パスクワ(復活祭/イースター)のバカンスでお休み、
    学校関係者以外のお仕事の人はいつも通りですが、パスクエッタと言って28日月曜日は祭日でお休みになります。
    昨日出かけたら交通量が少なかったな、、、旅行好きのイタリア人は出国した人も多いようです。
    日本語講座にやってくるフィリップさんは家族総出でパスクワの大掃除をしたそうです。
    そう言えば、テレビでも司会者もパスクワの大掃除しなきゃと言ってました。
    日本だと年末に大掃除しますが、こちらでは年末に大掃除するとは余り耳にせず
    そのかわり、暖かくなってくるちょうどパスクワの時期に皆さんやるのです。

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    町のお菓子屋さんのウインドーには、茹で卵と瓜二つのチョコレートが並びます。

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    鶏型のオブジェ、カラフルで楽しい!

    マッシモのお母さんはいつもパスクワの1週間前の日曜日に教会へ行って、
    オリーヴの木の枝をもらってきて、私達にも分けてくれました。

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    パスクワ前のいつもの慣習です。
    教会ではパスクワの日の1週間前の日曜日、オリーヴの枝をたくさん用意しそれを礼拝に来る人達に配るのです。
    地方によってはシュロの葉を編んだものを配るところもあるようです。
    キリスト様はエルサレム入城の時、優雅で美しい馬ではなく、
    慎ましく従順の象徴とされるロバに乗ってやって来ました。
    そのロバがキリスト様を待ち受けていた多くの観衆に興奮して暴れ出し、
    その時に周囲に立っていたオリーヴやシュロの木々の間を飛び回ったため、
    キリスト様がお触れになられた縁起物だと、観衆が次々とその枝を切り落とし
    背中のマントを取り外しそれを広げて自宅へ持ち帰ったことが、始まりだそうです。

    3月27日日曜日が今年のパスクワ。
    多くの人は家族や親戚が集まって一緒に大昼食を開くのが風習、
    私達もいつものようにいつもの様にサンティーナ叔母さん宅におよばれ、

    この日は腹八分目とはいきません。
    Buona Pasqua!

    ZARINA

  4. 玉手箱のような、、、

    2016年3月22日るりこさんのItaly便り

    インテリア、ファッション、料理、バイクや車、ペット、映画、アート、
    建築等各業界の雑誌、えっとそれからクロスワードブック、CD、スクラッチクジ、
    まだまだ他にも色々あります、ここはエディーコラ/EDICOLA。

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    お客さんの大半は新聞を買い求めにやってくる人達ですが
    そればかりでは無く、店を見渡すと面白いものが沢山あります。
    エディーコラ = (日本の駅構内にあるキオスク) + (日本の本屋さん) – (飲食類)
    こんな方程式が当てはまりそうな感じ、そしてそれをギュっとコンパクトにした建物の様相で、
    宝物がぎっしり詰まった玉手箱のよう。
    鉄道の駅のそばや主要バスターミナルの並び、教会の脇またチェントロと呼ばれる町の中心等など、
    人が多く行き交う所にちょこんと位置します。

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    いずれもそれほど大きくなく、ごっつい男性が店主だったりするとやけに小さく見えたりします。
    近所のエディーコラのご主人は、お嫁さんと姪っ子さんと交替で「店」に立ちます。
    ご主人によれば、このエディーコラは第一次世界大戦が始まる以前から存在していたそう、
    「イタリアはコミュニケーションの国だからねえ、ここに皆が集まってきて、
    たわいの無い会話をして冗談言い合って、一つの社交場みたいなもんだね、
    また情報交換の場所にもなるんだよね。」と、ここにもイタリアらしい対面販売が
    しっかりと根ざしています。
    各雑誌や新聞等の業者が各々運んで来るのではなくて、
    一括して全てを請け負う業者が毎朝やって来るそうです。
    そのため、ここのご主人、朝5時には店にやって来て、その受取り業務をこなし、
    それから店を開店するのだそう。

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    お店の外にはこんな風に子供の興味をひくものが山ほど陳列されているので、
    子供はマンマの手をグイグイ引っ張って近づこうとし、
    マンマをそれを遠ざけるようになるべく遠周りして(笑)歩いて行きます。
    これ、子供だけじゃなく、大人が見ても面白いものがたくさんありますよ。
    事実、ガンダムをモチーフにした新しい商品を見ているのは
    子供じゃなくこの漫画で育った若いお父さんがジッと見入っているではありませんか。
    去年の夏はキティちゃんのサングラスと浮き輪セットとか売っていたなあ、
    子供向けなんだけれども、大人が見てもワクワクするような商品が所狭しと陳列されているのです。
    実は雑誌は本屋さんではほとんど見かけません。
    このエディーコラで売っているのです。
    面白いのは、「○○日発売の○○新聞には収納に便利な箱に入った料理本セットが
    何と5ユーロでお求めいただけます。」何ていうのも。
    外側に取り付けられたガラスの立体的なショーウインドーに
    それぞれの分野毎の雑誌が所狭しと飾られます。

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    今朝もテレビコマーシャルでは “○○は明日発売!
    お近くのエディーコラでお求め下さい” というCMが流れていました。

    ZARINA

  5. 少しずつやってくる春

    2016年3月8日るりこさんのItaly便り

    マリアさまの目と呼ばれるイタリアのツユクサ、
    どんなに冬が寒かったとしてもそれを乗り越えて春に咲く、
    これが水色の塊まりとなって見える景色は清らかな気持ちにしてくれます。

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    ラッパ水仙も花を開きましたよ。
    愛好家にはたまらない年代物のバイクを売っているお店の経営者は
    「今年の冬は本当に寒かったからね~、うちは全くダメだったよ。
    いい天気が続いてもう少しあったかくなってきたら皆、動き出すからね。」とのこと。

    冬は降水量が非常に少なかったのですが、このところ雨降りが続きます。
    雨が降ると残念ながら郵便配達屋さんはやって来きません。
    小雨だとやっとこやって来る郵便屋さんもいますが、ほとんどはそうではありません。
    逆にいい天気になると、みなこぞって動き出すのがイタリア流?!
    と言っても大げさではないかもしれません。
    ちょっと太陽が顔を出した数時間は我が家の前を歩いて通って行く人の数が増えます。
    そうです、皆お日様を狙ってウォーキングへ出かけるのです。
    先日日本のあるコラムで、
    「お母さん達が運動会を見に行っても子供達は自分の母親を見分けることが出来ない。
    日差しをカットするために皆、顔や腕、足を隠してしまうために、見分けがつかなくなるからだ。
    と書いてあるのを見ました。
    確かに、紫外線は女性の大敵といいますが、こちらの女性(男性も)は
    「毎日15分、顔と素手に太陽の光を直接浴びるのがいいんですって!
    カルシウム補給にいいのよ~。」といいます。
    カルシウム補給といえば、こちらではパルミジャーノチーズも良いと言われて
    魚よりもこのチーズを食べるのを好まれます。
    それとヨーグルトや牛乳!
    多くの人は朝食にエスプレッソコーヒーと温めた牛乳を混ぜてカフェラッテとして飲みます。
    (皆さ~ん、朝食をきちんととっていますか?)
    日本で知られたあの粉チーズタイプです。
    でもこちらでは卸したものが包状になって販売されているタイプではなく、塊で売っています。
    チーズ専門店ではお客様が欲しい分だけ買い求めることが出来、
    特に北イタリアではチーズやバターを使った料理が多いのです。
    「日本人って何にでもマヨネーズかけるんでしょ?」等と聞かれたことがあります(笑)。
    確かにそういう日本人もいますが、皆そうだとは限りませんよねっ。その逆もある訳です。
    パスタ、リゾットそれに必ずといっていい程卸しチーズをかける人も結構います。
    レストランやトラットリアへ行くと、テーブルにはカメリエーレさんが卸チーズを必ず運んできます。

    さてと3月8日は女性の日!
    大好きなおばあちゃん、いつも働きっぱなしのお母さん、愛する奥さま、大切な女友達、
    それぞれに感謝の気持ちを伝えてみてくださいね。
    ホワホワっとして黄色いミモザがこのお祝いのシンボルの花です。

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    食いしん坊さんにはこれなどいかがでしょうか。

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    ミモザの花に見立てたプチケーキです。
    スポンジケーキを使ってサイコロ状に小さくカットしてトッピングしました。
    勿論、市販のものだっていいじゃありませんか。
    カステラとか使ったりして。
    素直に気持ちを表すのはとてもいいことです。

    ZARINA


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