エミリー・ヒラリーのルポ | Dutchwest Japan / ダッチウエストジャパン

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エミリー・ヒラリーのルポ


Reportage


  1. 父の日

    2016年2月29日るりこさんのItaly便り

    ラッパ水仙が今にも咲き出しそうです。

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    こんな風に花屋さんで売っていたプリムラ、
    数年前テラスのテーブルに飾って花が終わってから
    マッシモのお母さんの家の庭に植えたのがもう咲いていました。
    大地も冬の眠りから覚めて春の準備をしているようです。
    2月もあっという間におしまいです。

    3月になるとお祭りが続きます。3月8日は女性の日、
    19日は父の日そして今年は27日がパスクワ/復活祭です。
    6月第三日曜日が父の日と日本も含めてたくさんの国ではそう制定されているようですが
    イタリアでは3月19日、キリスト様のお父さんの誕生日/San Giuseppeが父の日とされました。
    San Giuseppeは家具職人と手工業職人の聖人、又貧しい人達の守り神だったとも言われて、
    イタリア国内にはそれを祝うお祭りが存在するそうです。

    数キロしか離れていないのに、方言が変わるのはイタリアでは有名な話。
    父の日を祝うためのお菓子もそのようです。
    昔々キリスト様のお父さん、ジュゼッペがエジプトでの暮らしを余儀なくされた時、
    生活費を稼ぐために屋台を引いて売っていたのがゼッポラというお菓子、それが今に伝えられて、
    父の日にナポリ地方で食べられるそれはクリームとさくらんぼジャムがのった揚げドーナツ。
    これに対してナポリから北上してボローニャへ行くと、ラヴィオラというお菓子が
    父の日を祝うお菓子として代表されます。
    中にはモスタルダ(果物を甘く調理し辛みを加えたものでチーズ等と組み合わせて食べることも)が入っています。

    母の日に比べると父の日はイタリアでも肩身の狭い「存在」、
    ましてや今年は女性の日とパスクワに挾まれて益々”窮屈”そうです。
    でも今年はちょっと違うかな?などと思っています。
    それは何故かと言いますと、先月開催されたサンレーモ音楽祭2016では、

    我が子を思うお父さんの気持ちを綴った歌が大賞に輝いたからです。

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    「いつかおまえもお父さんの気持ちがわかるよ、きっと、、、」と
    寡黙なお父さんの内心を表現したこの歌、イタリアのお父さんも
    日本のお父さんと少し似ているのかなあ、とふと考えました。
    マンマの国イタリアだけに、いつもは存在感がうすいお父さんたち、
    この曲を聞いてホロリときて、音楽祭では大いに投票したのでしょうね、きっと。
    Stadioというグループの Un giorno mi diraiという曲です。

    www.youtube.com/watch?v=wDAYFVr_LRE

    マッシモのお父さん、天気のいい日は何十キロも自転車乗りに行きます。
    「俺は年金生活者だから暇はいっぱいあるんだ」と老人ホームにボランティアでギターを弾きに出かけます。
    「昔は若い女の子をキャーキャー言わせたけど、今はお年寄りの涙を誘っちゃうんだよね、まいったなあ」と苦笑い。
    いつまでも続けてね、自転車とギター!

    ZARINA

  2. イタリア最大級

    2016年2月16日るりこさんのItaly便り

    私「ねえ、素敵だね。スターターボタン赤いの、やっぱりイタリアデザインだねえ。

    グリップの黒に赤い色が映えるよねえ。」

    マッシモ「それは、どのバイクもそういう決まりなんだよ。」

    私「;;;アハハ、そうなんだ(;汗)」知らないということは恐ろしい。

    知っているようでそうじゃない、観察しているようでそうじゃない、失礼いたしました。

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    今年もイタリア国内最大級のバイクの祭典を見るためにヴェローナへ行ってきました。

     

    会場内はイタリア製は勿論、日本製やイギリス製のバイクの展示を始め

    エアグラフィックのヘルメットやパーツのお店、全く手を加えていない鉄製の昔々の車の展示、

    ツーリングを提案する旅行代理店、エスプレッソコーヒーやパニーニを提供するスタンドやカフェ等々

    また、Tシャツやキャップ、衣類のショップもギッシリと軒を連ねます。

    こんな風にね、「バイク野郎」じゃなくても(今時、こう言わないのかしら?)五感で楽しめるのです。

    それにしてもこのブーツどんな人が買って行くのか、是非見てみたい。

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    ここのブース、去年は確かサーカスがテーマだったな。

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    今年は遊園地だ!

    このオーナーはきっと夢があって遊び心も満載なのね。

     

    バックミラーの形が素敵なので、このスクーターが欲しくなります。

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    シンプルなインテリアに似合いそうなカラフルなスタンド、

    ボディーはバイクの燃料タンク部分です。

     

    お髭のお手入れもしてくれる床屋さんもありましたよ。

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    ハーレータイプをバッバッバと乗る男性諸君には髭は欠かせない身だしなみの一部だそうです。

     

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    一方屋外では明日のスターが潜む(?)チビッ子達によるレース。

    排気量は小さいなれど、カッ飛ばしてカーヴをジグザグする姿や

    カーヴを曲がる時のバイクの傾斜角度はGPさながら!

    あのヴァレンティーノロッシだって小さい頃はこれにまたがっていたのです。

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    真剣な眼差しは大人も顔負け。

     

    建物によって各々テーマがあり、ウロウログルグルしているうちにお腹もグルグル、、、

    色んなテントがある中目をひいたのはイタリア国産牛肉100%とアジアゴチーズそして

    季節の野菜ラディッキオのハンバーガー

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    大きさは男性の手で持ってもはみ出るくらい!

    食べ応えあり味も良しで大満足!

    いや~実に美味しかったわ~もう一つ食べたいくらいだった、本当に!

     

    シンプルかつセクシーな雰囲気が漂うブースを陣取っていたのは正真正銘のイタリア製のバイク、

    男達の熱い視線が注がれます。

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    これも一つのブース、バスをペイントしてサーフボードをテーブル替りに。

    インテリアのお勉強にもなるのです、このイベント。

    物事、目線を変えて見るとまた面白いことが発見できるものです。

     

    ところで、今年のインフルエンザは物凄い底力。

    治ったと思ったらまたぶりかえす、この繰り返し。

    もう何年も病気らしい病気したこと無かったのに、とうとう私も(トホホ)。

    12月から1月にかけて降水量が少なかったので、大流行したらしいです。

    ここ最近は時々雨が降るのでマッシモのお父さんが言うように、

    悪い物は全て溶かして消してくれそうです。

    皆さんも健康に気をつけて下さいね。

    健康であることは、人生を何倍も楽しくしてくれると身を持って実感しました。

    ZARINA

  3. 主役を食う?!

    2016年2月8日るりこさんのItaly便り

    覚悟を決めていた例の “クロウタドリの三日間”の寒さは今年はやって来ませんでした。

    こちらイタリア北東は勿論寒さもありますが、お天気のいい日は

    太陽の温もりが冬の眠りから体を覚ましてくれるようです。

    この時期外を歩くとどこからかプゥーンと漂ってくるのは、

    カーニヴァル期間中に家庭で作られるフリテッレやキアッケレ、等

    全て揚げ菓子を作る時のあの匂いです。

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    木の芽が吹き出しているのを見つけたり、鳥のさえずりで近づいてくる春の訪れを感じるのは

    とても詩的でロマンチックでいいけれど、これとはまた違う嗅覚的感覚!

     

    この時期はカーニヴァルに合わせてスーパーのお菓子作り用の材料のコーナーが充実します。

    揚げ物用に最適と言われるピーナツ油は時折品切れになっていることもしばしば。

    昔からの言い伝えでこの期間は肉を食べてはいけないということで、それならとその代用にすべく

    揚げ物、揚げ菓子でその満足感を満たすためにまた、お祭を盛り上げるために

    フリテッレやキアッケレ等が現在迄に伝えられてきたとか。

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    また、文房具屋さん、ショッピングセンター、はたまたスーパーでも

    仮装用品がずらりと勢揃い子、供用だけでなく勿論大人用も充実しています。

     

    恒例になった2月生まれのマッシモの友人達の誕生バーティー、

    今年はカーニヴァル期間と重なったので、思い思いに仮装して来た人も結構いました。

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    滅多に会えない友人もファミリーでやって来たりするので久しぶりに会えるいい機会でもあります。

    ヴィッラを借りてケータリング、ワインやビールに不自由すること無し(皆、物凄い量を飲みますから)。

    栄養が行き届き過ぎたジョニーディップ?!アイラインの入り方、迫力あります。

    シルバーの指輪もいくつもはめて、黒いパンタロンはオーダーで作ってもらったという徹底ぶり。

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    今晩はかなりヴェネツィアンで紳士的なディエゴ君、どこで売っているの?その靴。

    警察官の格好をしたリーコ君のスタイルは彼女の赤のロングドレスと黒い羽根付きの仮面とカラーコーディネート、

    まさに誕生会の主役を食うべき迫力で皆の注目を浴びていました。

     

    3人のお誕生日会ということで3台のミルフィーユのケーキも準備されてこれもまた美味しかったなあ。

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    パーティーを最後を飾るのはダンスタイム、イタリア語ではディスコテーカといいます。

    海賊もお姫様も虎も70年代のヒッピーも皆踊れや踊れ~!

    誕生日パーティーとカーニヴァルの二重のめでたい事が重なって、

    そこを出たのは日付も変わっていましたZzz…

    ZARINA

     

  4. SANREMO2016

    2016年1月27日るりこさんのItaly便り

    イタリアのカレンダーには、「1月の最後の3日間は冬の間で最も寒い日、

    これをクロウタドリの3日間という」とあります

    :元々は白い羽根で覆われた鳥、1月末の余りの寒さにそれをしのぐため煙突に潜りこみ、

    数日後そこから出てきたららいつの間にか体がすす色に変わっていた、という伝説があります。

    ロマンチックというか何か可愛いお話です。

    寒さで凍った蜘蛛の巣、何とも芸術的で中からスパイダーマンが出てきそうです。

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    寒~いこの時期になるとテレビで流れるのはサンレーモ音楽祭のCM。

    SANREMO(サンレーモ)2016(*「E」エのところを強調して発音してみましょう)は、

    1951年に初めて開催されて以来今年で66回目を迎えるイタリア音楽の祭典、

    2月9日から13日までサンレーモ市内にあるアリストン劇場で開催され、

    イタリア国内はもちろんヨーロッパ全土にテレビとラジオで生放送されます。

    イタリアの北西 Liguria/リグーリア地方、インペーリア県にあるサンレーモは人口5万5千人、

    フランス国境に程近い町、入り江の影響で気候は穏やか、これを受けて花の栽培が盛んで

    毎年花祭りが開催されるところでもあります。

     

    この音楽祭に参加する全ての曲はイタリア語で作詞されたものでなければなりません。

    音楽祭という反面、歌曲は審査員によって最終日に大賞が発表されます。

    審査員には4つのタイプがあって、音楽関係者、ジャーナリスト、300人の音楽ファンで構成される組織、

    そして一般市民誰もが参加出来る視聴者による電話での投票とあって、

    これを総トータルして最終日に大賞が発表されるという訳です。

     

    「ねえ、ねえサンレーモ始まるね」「あ、そうなの?」意外と興味を示さないイタリア人でも、

    結婚式やディスコ、クラブでもう何十年前にヒットした音楽祭の受賞曲が流れると

    突如腰をクネクネして踊り出すという人も少なくありません。

    しまいには大声で歌いながら踊る人だっています。

    そう、いい音楽、知られた音楽は皆を幸せにしてくれるのですよ

    この時期はこの番組のコマーシャルが盛んに流れていて、

    今年のものはこれがちょっと笑いを誘ってなかなかいいんです。

    マンチェスター、トロント、リオデジャネイロ、世界中の人々が

    それぞれの国の背景をバックに同じ曲を歌っている様子。

    なりきっているというか、酔い知れているというか、何度見ても笑いを誘いハッピーにしてくれます。

     

    其の1 : Quando quando quando(1962年受賞曲/Tony Renis)

    これがオリジナル

    www.youtube.com/watch?v=Z0JGzoSyt_I

    こちらがCM版

    www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-da28f3de-37bc-435d-93ea-313076a3f6a7-sanremo15.html

     

    其の2 : Gianna(1978年受賞曲/ Rino Gaetano)

    これがオリジナル

    www.youtube.com/watch?v=ScsxXxq-1IQ

    こちらがCM版

    www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-1286871b-64c8-4a79-a8e1-0710bc679338-sanremo15.html#p=

     

    こちらは2015年の大賞曲、中々迫力あります:IL VOLO/GRANDE AMORE

    www.youtube.com/watch?v=mAZ-gT0Ip-0

     

    さて今年はどんな曲が「あっ!」と言わせるのでしょうか?!

    歌って踊って寒さを吹き飛ばしましょ!

    ZARINA

  5. 違いがわかる、、、

    2016年1月18日るりこさんのItaly便り

    コーヒー豆がペルシア生まれと信じる人、エチオピアだと譲らない人、

    いやいやアラビアだと断固として主張を曲げない人、

    いずれにせよ東方から渡ってきたのは言う迄もない。

    コーヒーの木の幹は直径8センチくらいそして4、5メートルの高さにまで成長しする。

    エスプレッソコーヒーはモカ(=カフェッティエーラ=直火式エスプレッソコーヒー沸かし器)でいれるのが一番旨し。

    イエーメンのとある牧師さまが、通り沿いにある木々の赤い実を食べていた山羊が随分と楽しそうに

    走り回るので不思議に思い、それをいって挽き煎じて飲んでみたらこれが旨かった。

    これが今に残るカフェ/CAFFE'(=エスプレッソコーヒー)の始まりだ。

    貴重な飲み物は、体中の神経を揺さぶり、思考回路を明確にしかもより早くそれを助長する”知的な飲み物”、

    「読書、科学者そして詩人の友」であるとも言われた。

    エスプレッソコーヒーの旨さはその緑色した豆の色からは誰にも想像出来ぬ。

    豆の品質というより、焙煎の仕方が美味しいエスプレッソコーヒーの鍵を握る。

    豆はその都度挽いた方が尚宣し。

    しっかりと密閉出来る金属製の容器で保存すべし。

    いずれも香りを逃さないためだ。

    初めてイタリアにコーヒー豆が入って来たのはヴェネツィア/ベネチア、

    東方貿易の影響である、、、。

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    以上の文章は、料理に携わる人、食べることが好きなイタリア人なら誰でも知っている食通/美食家、

    そして作家として生きたペッレグリーノ氏、この偉大なる”食いしん坊様”が世に残したイタリア料理の手引き書というべく本に、

    CAFFE’/カフェ(=エスプレッソコーヒー)というタイトルで書かれた本文の一部です。

     

    スペインでもポルトガルでもモカのことを”イタリアのカフェッティエーラ”と呼ぶそうで

    イタリアのエスプレッソコーヒーの美味しさを強調しているかのようです。

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    最近始めて知ったのですが、モカを初めて使用する時はコーヒー豆をセットせず、

    水だけを入れて金属臭さを取るといいそうです。

    2度目はコーヒー豆を入れてエスプレッソを沸かす、但しそれが出来上がったら飲まずに捨てる。

    そして3度目に沸かしたものから実際飲み始める。

    諺の「三度目の正直」と覚えておいて下さい。

    モカでいれたエスプレッソコーヒーは使う回数を重ねる毎に味わいが増しておいしくなっていきますよ、本当に!

    黙されたと思ってどんどんチャレンジしてみてください。

    いつかきっと「違いがわかる人」になると思います。

    寒い冬は家の中にいる時間も増えるので、ちょっとしたことでもこだわってやってみるとまた生活が楽しくなりますよ。

     

    こちらも寒さが厳しくなってきました。

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    外出する時はあったか~くしてお出かけ下さいね。

    ZARINA


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